景品表示法
違反行為に対して【消費者庁からの措置命令】
違反行為が疑われる場合、消費者庁は、関連資料の収集や事業者への事情聴取などの調査をします。調査により違反行為が認められると、事業者に弁明の機会を与えた上で、違反行為の差し止めや、違反の事実の周知徹底、再発防止策の実施など、必要に応じた「措置命令」が出されます。
違反行為に対して【課徴金納付命令】
また、課徴金対象違反行為(商品・サービスの取引について優良誤認表示または有利誤認表示)をした事業者に対しては、弁明の機会を与えた上で、課徴金納付命令が出されます。課徴金額は、課徴金対象行為に関係する商品・サービスの売上額に3%を乗じた金額です。
ただし、当該表示の根拠となる情報を確認するなど、正常な商慣習に照らし相当の注意を怠っていないと認められる場合や、課徴金額が150万円未満であれば、課徴金納付は命じられません。そのほか、自主的に違反事実を報告した場合など、課徴金額が減額される場合があります。なお、2023年5月に、10年以内に再度の課徴金納付命令を受けた場合には1.5倍に加算されるなどの改正が成立しました。
消費者庁からの措置命令等に違反した場合【懲役刑や罰金刑】
前述の消費者庁からの措置命令等に違反した者には、2年以下の懲役または300万円以下の罰金(場合によっては両方)が科されます。この違反を、法人の代表者などが行った場合、法人に3億円以下の罰金が科されることもあります。
課徴金納付命令又は勧告の前提として行政から求められた報告や物件の提出をしなかった場合や虚偽の報告・虚偽の物件提出・虚偽の答弁をしたような場合も、1年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。このような行為を法人の代表者などが行った場合、300万円以下の罰金が科されることがあります。
虚偽の景品表示による【消費者の信頼低下】
虚偽の景品表示は、消費者の信頼を損なう要因となります。誤解や失望を招くことで、企業やブランドの評判に悪影響を及ぼす可能性があります。消費者は信頼できる企業や商品を選ぶ傾向があり、景品表示法の違反は企業の信頼性を低下させる結果となることがあります。
虚偽の景品表示により【損害賠償請求・返金請求や訴訟】が起こる
消費者が虚偽の景品表示によって損害を受けた場合、生じた損害についての損害賠償請求をすることがあります。また、契約の無効や取消を主張して、代金の返金などを求めることが考えられます。そして、場合によっては訴訟に至ることもあります。
薬機法
違反に対して【行政処分】
薬機法66条(虚偽又は誇大広告等の禁止)又は68条(承認前の医薬品等の広告の禁止)に違反した場合、厚生労働大臣又は都道府県知事は措置命令をすることがあります。なお、措置命令は2021年8月に施行された改正薬機法で追加されたものです。
薬機法66条(虚偽又は誇大広告等の禁止)に違反する場合には、誇大広告・虚偽広告をしていた期間の医薬品等の売上金額の4.5%の課徴金納付命令を受けることもあります。ただし、課徴金額が225万円未満の場合など、課徴金納付命令の対象とならない事由があります。なお、この課徴金納付命令も2021年8月に施行された改正薬機法で追加されました。
これらの処分の前には、事前に調査や行政指導があり、弁明の機会も設けられます。調査や行政指導があった場合には、専門家とともに対策することが重要です。
違反には【懲役刑や罰金刑などの刑事罰】
薬機法に違反した行為を行った者は、行政処分以外に刑事罰を受けることがあります。医薬品等について虚偽又は誇大広告等をした場合や、承認前の医薬品等の広告をした場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金のどちらかまたは両方が科されます。また、広告を行った法人についても、200万円以下の罰金刑が科される可能性があります。
違反による【消費者の信頼低下】
医薬品等に関する広告が薬機法違反となった場合、消費者の信頼を損なう要因となります。誤解や失望を招くことで、企業やブランドの評判に悪影響を及ぼす可能性があります。消費者は信頼できる企業や商品を選ぶ傾向があり、薬機法違反は企業の信頼性を低下させる結果となることがあります。
違反により【損害賠償請求・返金請求や訴訟】が起こる
薬機法違反によって個人や企業が損害を受けた場合、損害賠償請求をすることが考えられ、訴訟に至ることもあります。例えば、違法な医薬品を摂取したことによる健康被害や、薬事業者の不正行為によって生じた損害に対して補償を求めることができます。また、契約の無効や取消しを主張して返金を求めることもあります。
景品表示法においても薬機法においても、違反行為は深刻な経済的および法的な後果をもたらす可能性がありますので、法の遵守は重要です。
ただし、具体的な結果は、法的な評価や状況によって異なる場合があり、個別のケースでは法的なアドバイスを専門家に求めることが重要です。