澤田直彦
監修弁護士:澤田直彦
弁護士法人 直法律事務所
代表弁護士
IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を運営し、各種法律相談を承っております。
本記事では、
「【改正職業安定法施行規則】募集時等に明示すべき事項の追加について」
について、詳しく解説します。
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募集時等に明示すべき事項の追加
令和5年6月28日に、職業安定法施行規則が改正され、求人企業及び職業紹介事業者等による労働者募集の職業紹介において明示しなければならない募集労働者の労働条件として 、下記の事項が追加されました(改正後職業安定法施行規則第4条の2 第3項第1号、第2号の3及び第3号)。
② 就業の場所の変更の範囲
③ 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間または更新回数の上限を含む)(※2)
※1 「変更の範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、締結する労働契約の期間中における変更の範囲のことをいいます。なお、今後の見込みについて、募集等の時点で具体的に想定されていないものを含める必要はありません。
※2 この基準は、「勤務成績、態度、能力により判断する」、「会社の経営状況も踏まえて判断する」など、具体的に記載いただくことが望ましいです。有期契約の通算契約期間や更新回数について、上限を設けていない、設ける予定がない場合は明示する必要はありません。
【引用・参照】
厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
ハローワーク等への求人の申込みや自社ホームページでの募集、求人広告の掲載を行う場合は、求人票や募集要項において、少なくとも上記のような労働条件を明示しなければなりません。
ただし、求人広告のスペースが足りない等、やむを得ない場合には「詳細は面談時にお伝えします」などと付した上で、労働条件の一部を別途のタイミングで明示することも可能です。この場合、原則、遅くとも初回の面談時には、全ての労働条件を明示する必要があります。
また、面接等の過程で当初明示した労働条件が変更となる場合は、その変更内容を明示する必要があります。
労働契約締結時には労働基準法に基づき、労働条件通知書等により労働条件を明示することが必要です。ここでの明示についても、今回の職業安定法施行規則の改正と同様の改正が行われており、令和6年4月1日以降、明示しなければならない労働条件が追加されます。
労働条件の明示の内容
職業紹介事業者は、求職者に対して、労働条件などの重要な情報を明確に伝える必要があります。これは、職業安定法第5条の3に基づくものです。
また、求人者も職業紹介事業者に対して、労働条件などの情報を明確にしなければなりません。
通常、以下の情報について、書面、ファクシミリ、または電子メールを使用して情報を伝える必要があります。
- 労働者が従事する業務の内容
- 労働契約の期間(ある場合)
- 試用期間の有無とその期間
- 就業場所
- 始業と終業の時間、超過労働の有無、休憩時間、休日
- 賃金の額(臨時支払い、賞与、労働基準法施行規則第8条に掲げる賃金を除く)
- 健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険、雇用保険の適用
- 雇用する者の氏名または名称
- 労働者を派遣労働者として雇用する意向
- 受動喫煙を防止するための措置
ただし、緊急の必要がある場合、これらの方法で事前に情報を提供できない場合は、これら以外の方法でも情報を提供できます。
また、「書面」とは、直接、郵送、ファクシミリ、電子メールなどの方法で提供されるものを指します。ただし、ファクシミリや電子メールを使用する場合、受信者がそれを希望し、その内容を印刷して文書を作成できる場合に限ります。
受信者がファクシミリや電子メールを希望する場合、その旨を送信者に明示し、電子メールの形式やバージョンなどを指定する必要があります。
【参考】令和6年4月1日から施行される職業紹介事業に関する変更
令和6年4月から、上記の求職者に対して明示しなければならない労働条件の追加の他、職業紹介事業に関して、手数料表などの情報提供の方法の見直しを内容とする改正職業安定法施行規則が施行されます。
有料職業紹介事業者が事業所内に掲示しなければならない下記の事項につき、当該掲示に代えて自社ホームページなどでも情報提供ができるようになります。
自社ホームページ上で情報提供するにあたっては、自社の職業紹介サービスを利用する求人企業側が当該サービス利用時に必ず参照するページなど、閲覧に便利な場所に掲載いただくことが望ましいです。
② 返戻金制度に関する事項を記載した書面
③ 業務の運営に関する規程
※人材サービス総合サイト上での手数料表、返戻金制度の情報提供は引き続き必要です。
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