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【法務担当者が一人でできる!】利用規約の作り方・作成マニュアル【ひな形付】

Q.
当社が開発したWebサービスにあたり、利用規約を作成したいと思います。作成に当たって気を付けるべきポイントを教えてください。  

A.
利用規約の作成にあたっては、サービスに合った利用規約を作ることが重要です。そのために、利用規約の典型的な条項の意味を正確に理解し、当該サービスに必要となる規定を漏れなく盛り込むことが必要となります。  
また、利用規約はサービス運営者とユーザーとの間の「契約」ですので、ユーザーに利用規約を適用するためには、ユーザーから適切に同意を取得しておく必要があります。  

以下では、利用規約の典型的な条項について解説します。


澤田直彦

監修弁護士:澤田直彦
弁護士法人 直法律事務所 代表弁護士

IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を設立・運営しています。
本記事では、
「【法務担当者が一人でできる!】利用規約の作り方・作成マニュアル【ひな形付】」
について、詳しくご解説します。

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利用規約の目的

現実にリリースされているウェブサービスを確認すると、そこには必ずといっていいほど利用規約が存在します。それがたとえ、立ち上がったばかりのベンチャーが運営する、小さなウェブサービスであっても、です。

ウェブサービス事業者が利用規約を作る目的は、

裁判になったときサービス運営者が責任を負わないようにするため
裁判に発展する前のクレームの段階で紛争を解決するため

という2点が大きいです。これらの目的を達成するためには、利用規約の内容がそのサービスに合致していることが必要不可欠です。
何らかの障害・トラブルは発生し、クレームになったときに、サポート対応担当者の唯一の防具となるのが利用規約です。

利用規約の作り方

ウェブサービスの利用規約は、一般的な企業・個人間の契約書と違って、ウェブ上にその内容が公開されています。

そのため、ベンチャーの経営者はもちろんのこと、法律専門家ですら、他社の展開している類似サービスがある場合は、その利用規約の定め方を参考にすることが多いです。

もっと言えば、類似サービス間で利用規約を相互に真似し合っていることも少なくありません。類似サービスであれば、利用規約に定めるべき条件は自ずから似通ってくるものですし、部分的にマネしても多くは法律的に問題とならないためです。

しかし、他社の利用規約を真似するだけでは、やはり限界があります。他社とまったく同じサービスを、他社とまったく同じ契約条件で提供するケースは少ないからです。
また、他社のユニークな利用規約をそのまま真似すれば、真似をしたこと自体への批判もあり得ます。加えて、「サービスの実態と利用規約の規定が合わない」という危険も生まれかねません。
あくまで、 「リスクヘッジの視点や、まとめ方のアイディアを参考にさせてもらう」程度にとどめたほうが安全でしょう。

さらに、他社と少し違うサービス・契約条件で提供するのであれば、
「そのサービスは許認可が必要なものではないか」 、「その契約条件は法令に違反していないか」という、ビジネスモデルの法律的な検証が必須となります。

典型的な条項

サービスにあった利用規約を作ることが重要ではありますが、そのためには、サービスについて理解していることはもとより、利用規約の典型的な条項とその法的な意味を正確に理解しておくことが不可欠となります。

条項の意味がわからないと、それが自分たちのサービスに必要な規定なのかがわかりませんし、どこをどのように変えたらよいのかもわかりません。

そこで、以下では典型的な各条項の留意事項について説明します。

登録手続およびID等の管理

登録手続

例文

第○条(登録)
1 本サービスの利用を希望する者(以下「登録希望者」といいます。)は、本規約を遵守することに同意し、かつ当社の定める一定の情報(以下「登録事項」といいます。)を当社の定める方法で当社に提供することにより、当社に対し、本サービスの利用の登録し申請することができます。
2~3 (略)
4 当社は、登録申請者が、以下の各号のいずれかの事由に該当する場合は、登録及び再登録を拒否することがあり、またその理由について一切開示義務を負いません
(1)当社に提供した登録事項の全部または一部につき虚偽、誤記または記載漏れがあった場合
(2)未成年、成年被後見人、被保佐人または被補助人のいずれかであり、法定代理人、後見人、保佐人または補助人の同意等を得ていなかった場合
(3)反社会的勢力等(暴力団、暴力団員、右翼団体、反社会的勢力、その他これに準ずる者を意味します。以下同じ。)である場合
(4)過去当社との契約に違反した者またはその関係者であると当社が判断した場合
(5)第○条に定める措置を受けたことがある場合
(6)その他、登録を適当でないと当社が判断した場合

サービスの利用のためには、何らかのユーザー登録を要求するのが一般的です。
実名ではなく匿名で利用できるサービスや、登録拒否をする想定がほとんどないサービスであっても、何らかの違反行為等を行った場合に、登録取消を行い違反者に対するサービス提供の停止を行えるようにしておくためには、その前提として「登録」という形式をとっておくことが必要となります。

登録拒否事由の中でよく問題になるのが、未成年者の登録の問題です。
未成年者にサービスを提供することもよくあると思いますが、民法は未成年者が保護者(正確には「法定代理人」)の同意を得ずに契約をした場合には、その契約をいつでも取り消すことができることを原則としています。

したがって、「保護者の同意を得ていない場合は、将来契約を取り消されてしまう可能性がある以上、そもそも登録を受け付けない」ということを明確にするケースも多いです。

未成年者の登録を法定代理人の同意を得ることを条件に認める場合、保護者の同意を得たかを確認しなくてもいいというわけではありません。

確認を怠って、うっかり保護者から同意を得ていない未成年者の申込みを受け付けてしまった場合は、本項の規定だけで未成年者取消しを防ぐということは難しいという点には注意が必要です。

〈改正民法との関係〉

2018年6月に民法の一部を改正する法律が可決・成立し、これまで20歳と定められていた成年年齢を、18歳へと引き下げることが決まりました。
施行は2022年4月1日と定められています。
これにより、2022年3月31日時点で18~19歳の「未成年ユーザー」が、その次の日に改正民法施行により「成年ユーザー」として扱われることになります。
サービスによっては、数千~数万人単位でユーザーのステータスを変更する必要があるかもしれません。
なお、2022年3月まで有効な現行民法では、あくまで20歳未満が未成年者です。
利用規約においては、「20歳未満を未成年者」と明記している事例がありますが、このような利用規約は、成年年齢引き下げへの対応策として、年齢を記載せずに「未成年者」とだけ規定する方法が有効でしょう。
今から利用規約を「18歳未満を未成年者」と書き換えるわけにはいきませんが、このような記載であれば2022年を待たずとも改定でき、かつ、2022年4月1日を迎えれば自動的に未成年者=18歳未満と読み換えられて便利です。

ID等の管理

例文

第○条(パスワード及びユーザーIDの管理)
1 登録ユーザーは、自己の責任において、本サービスに関するパスワード及びユーザーIDを適切に管理及び保管するものとし、これを第三者に利用させ、または貸与、譲渡、名義変更、売買等をしてはならないものとします。
2 パスワードまたはユーザーIDの管理不十分、使用上の過誤、第三者の使用等によって生じた損害に関する責任は登録ユーザーが負うものとします。

ユーザーは、アカウントを「自分のもの」と考えて自由に処分できると考えがちです。

しかし、アカウントごとに課金している場合、アカウントの共用や譲渡は、セキュリティ上のトラブルの原因になる可能性もあります。

そこで、これらをあらかじめ禁止するとともに、違反したことによって発生した事故はユーザーの自己責任となることを明記しておくべきです。

利用料金

例文

第○条(料金及び支払方法)
1 登録ユーザーは、本サービス利用の対価として、別途当社が定め、当社ウェブサイトに表示する利用料金を、当社が指定する支払方法により当社に支払うものとします。
2 登録ユーザーが利用料金の支払を遅滞した場合、登録ユーザーは年14.6%の割合による遅延損害金を当社に支払うものとします。

有料サービスの場合、利用料金は、利用規約に基づく契約の根幹的な内容の1つなので、ユーザーが利用料金を明確に認識したうえで、それに同意を行っている必要があります。

この関係で、利用料金を利用規約において明記しておくのが最も安全ではあるのですが、利用料金を柔軟に変更していきたいという意図から、利用料金を利用規約に明記せず、サービス運営者が別途定める料金とするなどの形で規定する場合もあります。

こうした規定も有効であると考えられますが、もし利用料金について争われた場合には、ユーザーが「別途定める料金」に同意したことを立証する必要がありますので、課金が発生するたびに、料金の金額等を明確に表示して同意をさせるなどのステップを取り入れるなど、「別途定める料金」をユーザーが課金前に正しく認識したうえで同意していたと主張できるよう、表示方法等を工夫する必要があります。

なお、有料サービスの場合には、特定商取引法上の通信販売(特定商取引に関する法律2条2項)に該当することが多く、その場合には、一定の事項を広告に表示することを要求される場合があります(同法11条)。

禁止事項

例文

第○条(禁止事項)
登録ユーザーは、本サービスの利用にあたり、以下の各号のいずれかに該当する行為または該当すると当社が判断する行為をしてはなりません。

(1)法令に違反する行為または犯罪行為に関連する行為
(2)当社、本サービスの他の利用者またはその他の第三者に対する詐欺または脅迫行為
(3)~(19)(略)
(20)その他、当社が不適切と判断する行為

ユーザー数が増えてくると、一部のユーザーがウェブサービスの運営に悪影響を与える行動をとることもあります。そのようなときでも、利用規約において「禁止事項」を適切に設定できていると、あまり労力をかけずにそのような行動を排除することが可能です。

多くのウェブサービスは、多数のユーザーに対して同じサービスを広く提供することで収益を上げる構造になっています。

そのため、事業者にとって好ましくないイレギュラーなユーザーの行動を、労力をかけずにコントロールできるかは、サービスの継続可能性に直結する非常に重要な要素です。その意味で、禁止事項は、利用規約に定められているさまざまな条件の中でも実務上最も重要な規定の一つといえます。

このように禁止事項は非常に有用かつ重要な存在なのですが、それだけでは十分に効果を発揮してくれません。禁止事項に違反した際のペナルティも適切に定めておく必要があります。

他者の権利侵害の禁止、犯罪行為の禁止など、一般的な事項だけでなく、サービス特有の禁止事項をできる限り網羅的、かつ具体的に列挙しておくことで、禁止事項違反に伴うアカウント停止などの措置をとりやすくなります。

具体的にどのような禁止事項を盛り込むかを考えるにあたっては、当該サービスでどのようなトラブルが生じる可能性があるのかを考える必要があります。他社の類似のサービスや類似の機能を持ったサービスがどのような禁止規定を設けているか見てみると参考になります。

なお、禁止条項におけるバスケット条項です。禁止事項のどれにも明確に該当しないケースで手詰まりにならないようにするために規定しておく必要が高い条項です(例文の(20))。
また、適切性の判断者を「当社」としておくことも、ユーザーからのクレーム対応の観点から重要です。

もっとも、訴訟になった場合に、このようなバスケット条項の有効性がどの程度認められるかは予測が難しいところです。バスケット条項に頼りすぎることなく、想定される禁止事項はできる限り網羅的に列記して明示し、随時見直すことが望ましいです。

登録取消手続

例文

第○条(登録抹消等)
1 当社は、登録ユーザーが、以下の各号のいずれかの事由に該当する場合は、事前に通知または催告することなく、投稿データを削除もしくは非表示にし、当該登録ユーザーについて本サービスの利用を一時的に停止し、または登録ユーザーとしての登録を抹消することができます。
(1) 本規約のいずれかの条項に違反した場合
(2) 登録事項に虚偽の事実があることが判明した場合
(3) 支払停止もしくは支払不能となり、または破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始若しくはこれらに類する手続の開始の申立てがあった場合
(4) ○ヶ月以上本サービスの利用がない場合
(5) 当社からの問い合わせその他の回答を求める連絡に対して【30日】間以上応答がない場合
(6) 第3条第4項各号に該当する場合
(7) その他、当社が本サービスの利用または登録ユーザーとしての登録の継続を適当でないと判断した場合
2 前項各号のいずれかの事由に該当した場合、登録ユーザーは、当社に対して負っている債務の一切について当然に期限の利益を失い、直ちに当社に対して全ての債務の支払を行わなければなりません。

登録取消の規定は、3-3で述べた禁止事項に対するペナルティとして重要な規定です。
ペナルティ以外にも、サービス運営者が、サービス自体を廃止したい場合や、何らかの理由でユーザーの登録を取り消す必要性が生じる可能性もあるため、サービスの廃止の規定やサービス運営者からの任意の登録取消しの規定を設けることも考えられます。

違反の重大性のレベルに応じて段階的にペナルティを設定する、アカウントを停止する場合も事前に通知して是正する猶予期間を与えるなどの、サービス運営者としてのビジネス上の工夫が求められます。
具体的には、以下の3段階をベースにしつつ、サービスの性質に照らして調整すると、使い勝手のいいペナルティを設けることができます。

  • 情報の削除・利用履歴の巻き戻し
  • サービスの利用の一時停止
  • サービスの利用の永久停止


また、特に無料サービスの場合は、別アカウントを取って再入会することで容易にペナルティを回避できてしまう可能性があるため、登録条件においてペナルティを受けた際の再入会を禁止しておく必要があります(「3-1-1.登録手続」を参照)。

免責条項

例文

第○条(保証の否認及び免責)
1 当社は、本サービスが登録ユーザーの特定の目的に適合すること、期待する機能・商品的価値・正確性・有用性を有すること、登録ユーザーによる本サービスの利用が登録ユーザーに適用のある法令または業界団体の内部規則等に適合すること、継続的に利用できること、及び不具合が生じないことについて、明示又は黙示を問わず何ら保証するものではありません。
2 当社は、本サービスに関して登録ユーザーが被った損害につき、過去【○ヶ月】間に登録ユーザーが当社に支払った対価の金額を超えて賠償する責任を負わないものとし、また、付随的損害、間接損害、特別損害、将来の損害及び逸失利益にかかる損害については、賠償する責任を負わないものとします。
3 本サービスまたは当社ウェブサイトに関連して登録ユーザーと他の登録ユーザーまたは第三者との間において生じた取引、連絡、紛争等については、登録ユーザーが自己の責任によって解決するものとします。

本条では、1項でサービス運営者が責任を負わない範囲を明確にしたうえで、2項で例外的に責任を負う場合でも、その上限を明確にし、かつ、範囲については間接損害、特別損害などは含まず、直接的な通常損害に限る旨を規定しています。

無料サービスの場合は、2項で定められている上限金額「過去○ヶ月間に登録ユーザーが当社に支払った対価」が存在しません。そのため、代わりに比較的低額な固定額(1万円など)を損害賠償の上限金額として設定したり、そもそも上限金額の定めは設けないこともあります。

なお、2項はサービス運営者に故意または重過失がある場合にも適用される余地があるため、そのままでは特にBtoCのサービスの場合は消費者契約法によって無効とされる可能性があります。そこで、消費者契約法によって2項が常に無効となってしまわないよう、別途規定を設けることが考えられます。
この点については、後述の「4-1.消費者契約法」を参照してください。

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知的財産権に関する事項

権利帰属規定

例文

第○条(権利帰属)
1 当社ウェブサイト及び本サービスに関する知的財産権は全て当社または当社にライセンスを許諾している者に帰属しており、本規約に基づく本サービスの利用許諾は、当社ウェブサイトまたは本サービスに関する当社または当社にライセンスを許諾している者の知的財産権の使用許諾を意味するものではありません。
2 登録ユーザーは、投稿データについて、自らが投稿その他送信することについての適法な権利を有していること、及び投稿データが第三者の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。
3 登録ユーザーは、投稿データについて、当社に対し、世界的、非独占的、無償、サブライセンス可能かつ譲渡可能な使用、複製、配布、派生著作物の作成、表示及び実行に関するライセンスを付与します。また、他の登録ユーザーに対しても、本サービスを利用して登録ユーザーが投稿その他送信した投稿データの使用、複製、配布、派生著作物を作成、表示及び実行することについての非独占的なライセンスを付与します。
4 登録ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。

最近のウェブサービスでは、ユーザーがコンテンツをアップロードし、シェアする機能を備えているのが当たり前になっています。

しかし、このことは、ウェブサービスを運営するうえでさまざまな障害を発生させる可能性をはらんでいます。

それは、著作者には「著作者人格権」と「著作財産権」という2種類の権利が自動的に(コンテンツを創作した瞬間に)付与され、著作者の意に沿わない利用(コピー・改変・貸与など)を差し止めることができることになっているためです。

そのため、ユーザーがアップロードしたコンテンツをウェブサービス側がコントロールできるようにケアしておかなければ、ユーザーがあなたの運営するウェブサービスに対し、ユーザーから上記権利に基づいて利用制限を主張してくる可能性があります。

また、サイト運営が軌道に乗り、大手企業からサービスごと事業譲渡しないかと持ちかけられたときには、必ずサイト上のコンテンツの権利処理が適切に行われているかの確認が入ります。その際に、ユーザーから投稿を受けたコンテンツについて何らの権利処理できていないことが判明した場合には、事業譲渡の話自体が破談となってしまう可能性すらあります。

このような事態とならないようにするためには、ユーザーがウェブサービス上にアップロードしたコンテンツについて、利用できる権利をしっかりと確保しておくことが必要となります。

コンテンツの権利関係の各パターン

ウェブサービス上に投稿されるコンテンツの権利関係は、以下の5つに場合分けできます。

①ウェブサービス事業者自身が創作・制作した知的財産
②ウェブサービス事業者が第三者からライセンスを受けた知的財産
③ユーザー自身が創作・制作した知的財産
④ユーザーが第三者からライセンスを受けた知的財産
⑤第三者がウェブサービス事業者にもユーザーにもライセンスをしていない知的財産

まず、①~④は、以下の観点で、ユーザーとの間で権利関係を確認し、合意しておく必要があります。

・①②の場合 ウェブサービス事業者が自己のまたは第三者から許諾された知的財産に関する権利を、ウェブサービス事業者として侵害されないようにする。
・③④の場合 ユーザーのまたはユーザーが第三者から許諾された知的財産に関する権利を、ウェブサービス事業者として侵害しないようにする。

ウェブサービス事業者が特許権・実用新案権・意匠権・商標権を備えていれば、特許庁が整備する登録制度により、万が一権利上の紛争が発生しても、誰が権利者であるかは議論の余地がありませんし、対処も比較的容易です。
「ウェブサービス事業者としての権利を明確にする」という観点でいえば、以下の旨を規定しておけば足ります。

  1. ウェブサービス事業者に権利が帰属すること
  2. ユーザーに対して、ウェブサービス内での使用の範囲を超えたライセンス・サブライセンスを認めるものではないこと

コンテンツの著作権
一方で、コンテンツの著作権は、そのような簡単な記載では適切な処理ができないために、しばしば問題となります。

著作権は、そのコンテンツが創作された瞬間発生し、原則としてコンテンツを創作した本人に帰属することとなっています。

また、特に文字・画像は、コンピュータ上で容易にコピー&ペーストや加工ができます。
そのうえ、権利者を確かめる登録制度が整備されていないこともあって、誰がそのコンテンツの真の著作権者なのか、見分けがつかないケースも少なくないという特徴があります。

そういった事情から、特にユーザーにウェブサイト上で何か書き込みをさせたり、イラスト素材・写真・動画をアップロードさせたりするサービスなどでは、そのコンテンツの権利の帰属についても、規定しておく必要があるのです。

〈ポイント〉

  • ユーザーからのコンテンツのアップロードを受け入れる場合は、サービス事業者がコンテンツをコントロールするために、一定の権利を確保しておく必要がある
  • 著作権の譲渡や無制限の利用許諾までを求めると、サービス事業者にとって利便性は高まる反面、ユーザーから強い反発を受ける可能性がある
  • 著作者人格権は著作者から譲り受けることができないため、著作者が行使しない旨をユーザーと合意しておく

契約上の地位の移転

例文

第○条(サービス利用契約上の地位の譲渡等)
1 登録ユーザーは、当社の書面による事前の承諾なく、利用契約上の地位または本規約に基づく権利もしくは義務につき、第三者に対し、譲渡、移転、担保設定、その他の処分をすることはできません。
2 当社は本サービスにかかる事業を他社に譲渡した場合には、当該事業譲渡に伴い利用契約上の地位、本規約に基づく権利及び義務並びに登録ユーザーの登録事項その他の顧客情報を当該事業譲渡の譲受人に譲渡することができるものとし、登録ユーザーは、かかる譲渡につき本項において予め同意したものとします。なお、本項に定める事業譲渡には、通常の事業譲渡のみならず、会社分割その他事業が移転するあらゆる場合を含むものとします。

登録ユーザーが、ユーザーとしての地位を自由に譲渡できてしまうと、ユーザー管理の面で非常に不都合です。

このような規定がない場合であっても、日本法の下では、契約上の地位の移転には契約の相手方の同意が必要ではあるのですが、1項のように利用規約においても確認的に明記することが一般的です。

他方、サービス運営者としては、M&Aや事業譲渡により、サービスの運営主体を第三者に移転させる必要が生じる可能性があります。その場合に、契約の相手方であるユーザー一人一人から移転について同意をとることは現実的ではありません。

そこで、第2項のように、サービス運営者が事業譲渡などを行う場合には、サービス運営者は契約上の地位を譲渡の譲受人に移転させることができる旨、および、ユーザーがかかる契約上の地位を移転させることについてあらかじめ同意する旨を利用規約に規定しておくことが望ましいと考えます。

実際、買収側で事業に関する契約や規約を法務的な観点からチェックする際も、このような規定が入っていると「買収を円滑に進めることができるな」と安心します。

分離可能性条項

以下のように、消費者契約法などの消費者を保護する法律によって、利用規約の条項が無効と判断されるケースが増えつつあります。そこで、以下のように、「万が一利用規約の条項の一部が無効と判断されるような事態となったとしても、利用規約のその他の条項まで無効となるわけではない」ということを明記して、防御できるよう、規定しておくべきでしょう。

例文

第○条(分離可能性)
本規約のいずれかの条項またはその一部が、消費者契約法その他の法令等により無効または執行不能と判断された場合であっても、本規約の残りの規定及び一部が無効または執行不能と判断された規定の残りの部分は、継続して完全に効力を有するものとします。

消費者を保護する法令

消費者契約法

多くのウェブサービスは、低コストで広くサービスを提供することによって収益を上げるビジネスモデルです。

したがって、サービスの一時的な停止などのトラブルが発生するたびに損害賠償や返金を求められてしまうと、サービスが立ち行かなくなってしまうおそれもあります。

そのため、利用規約によって損害賠償責任を制限することが一般的です。しかし、BtoCのウェブサービスには「消費者契約法」という、消費者を保護することを目的とした法律が適用されるため、事業者側に一方的に有利に作れば良いという訳にはいきません。

この消費者契約法の中には、

・事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は無効
・事業者に故意や重大な過失がある場合は、事業者の損害賠償責任の一部を免除する条項も無効

という定めがあります。つまりこの規定によって、「損害賠償責任を免除する規定」は無効になってしまう可能性があるのです。

実際にリリースされているウェブサービスの利用規約の中にも、単に「本サービスに関して利用者に生じた損害については、理由の如何にかかわらず事業者は一切責任を負いません。」といった内容の免責規定を設けているものがありますが、このような定め方では、消費者契約法に基づき、免責規定が無効とされる可能性が高いことは覚えておきましょう。

消費者契約法には、上述した「一切損害賠償責任を負わない」というような損害賠償制限を無効にする規定以外にも、

・損害賠償額に不当に低い上限額を設けることを無効にする
・消費者の利益を一方的に害する条項を無効にする

といった規定が定められています。

電子消費者契約法

インターネット通販など、PCなどを利用して契約を締結する際は、対面で契約する場合と比べて、画面上の記載事項を勘違いして、それに気づかずにボタンを押して契約に及んでしまうことが多くあります。

そのため、電子消費者契約法は、勘違いを理由として契約を無効にする主張をしやすくする規定を定めています。この法律に準拠した画面遷移を実装していない場合は、ユーザーからの無効の主張に対抗できないケースが増えることになります。

特定商取引法

特定商取引法には、消費者が害されることの多い類型の取引を対象に、広告の規制やクーリングオフなど、消費者を保護する規定が存在しています。通信販売については、電子消費者契約法の定めと同様、顧客の意に反して申込みをさせようとする行為の禁止について規制しています。

具体的には、「申込内容を確認する画面」を設けるなど、ユーザーが意図せず申込みを行ってしまうような仕組みをとることを規制しています。

具体的にどのような画面遷移であれば認められるのか、逆にどのような画面遷移は認められないのかについては、『インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン』が参考になります。

事例

2018年1月、仮装通貨取引所サービスが提供するコインチェック株式会社で、不正アクセスによりユーザーが保有する仮装通貨580億円分を流出させるという事件が発生しました。そして、この事件発生当時、同サービスの利用規約の文言が、消費者契約法により無効となる可能性が高い「責任を一切負わない」と言い切ったものであったことも、話題となりました。
その後、コインチェック社は行政指導に対応しながら被害ユーザーに対し一定の補償を行い、企業としてもマネックスグループの傘下に入ることで、経営再建を図っています。
話題となった利用規約については、同年10月、「一切」の文言を削除しつつ、「消費者契約法が適用される場合は一部責任を負担する」という内容の利用規約に変更する旨の通知が発信されています。

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同意の取得

同意取得の問題意識

作成した利用規約を実際に適用するためには、適用対象となる各ユーザーから利用規約が適用されることについて同意してもらう必要があります。

そのため、利用規約への同意を得ることはある意味、リスクが適切にヘッジされた条件で利用規約を作成することよりも重要といえます。

したがって、自社に有利な利用規約をせっかく作っても、ユーザーから同意を取らなければ、その利用規約はユーザーとの契約関係に適用されません。

他方、ユーザーから同意を取る手続きを厳格にやり過ぎると(書面で申込書を送る必要があるなど)、ユーザーが面倒に感じて、サービスを利用してくれません。
このようにユーザーからの同意の取り方は、とても悩ましい問題です。

具体的にどのような方法でユーザーから同意を取るかは、以下の要素に応じて決めることになります。

  • ウェブサービスの内容
  • サイトの画面遷移
  • サービスにおいて取得する情報の種類や重要性
  • 利用規約に定められた特殊な条件の有無

同意取得の方法
では、どのような方法で同意を取得すればよいのでしょうか。利用規約に同意してもらうにあたって考える必要があるのは、以下の2つの要素です。

  • 同意を取得する際の利用規約の表示方法

  • 同意の取得方法


実際には、以下の5パターンが考えられます。

  1. 規約全文表示×規約同意クリック
  2. 規約全文表示×画面遷移を兼ねる同意クリック
  3. 規約リンク×規約同意クリック
  4. 規約リンク×規約に同意したことを説明する申込ボタン
  5. 規約表示なし×利用開始によるみなし同意


このうち、代表的なパターンは1・3・4です。

1.規約全文表示×規約同意クリック

・「利用規約に同意する」旨のチェックボックスへのチェックを求める
・その際に、スクロールボックス内や本文中に、利用規約の全文を表示する

これに加え、利用規約の最終行までスクロールしなければ「同意する」ボタンやチェックボックスをグレーアウトして押せないようにしているケースもあります。

〈メリット〉
利用規約の全文を表示し、明示的に同意を取得していることから、同意を取得する方法として確実性が高いといえます。
さらに一歩進んで、「ユーザー投稿情報の利用許諾や第三者への情報提供など、特にユーザーの関心が高い事項については別途列記し、それぞれ独立のチェックボックスを設けておく」といった方法で、同意の確実性をさらに高めることもできます。

〈デメリット〉
同意を得やすい反面、ユーザーが長い利用規約を前に「何か思いもかけないことが書いてあるのではないか」という不安を抱いてサービスへの申込みをためらってしまったり、そもそもスクロールやクリック回数の多さに嫌気がさし、申込手続きから離脱してしまうおそれがあります。

3.規約リンク×規約同意クリック

申し込みボタンを押す前に、利用規約へのリンクを張り、「利用規約に同意する」というボタンを押してもらう。

〈メリット〉
利用規約の内容にさほど関心のない大半のユーザーからは自然な流れで利用規約への同意を取得することを目指せ、また、利用規約にも同意することをユーザーにも意識させることができます。
なお、規約全文を表示しない点についても、現段階では問題はありません。経済産業省がまとめている「電子商取引及び情報取引等に関する準則」(平成30年7月)の基準に照らすと、上記方法も同意を取得する方法として十分なものとなりえます。これはあくまで経済産業省が作成したガイドラインであって、「裁判所の見解と一致する」という保証まではありませんが、官庁が正式にリリースしている基準ではあります。準則の基準を満たしておけば、ある程度安心といえるでしょう。

〈デメリット〉
準則の基準を満たしておけば、ある程度安心といえますが、実は、改定前の平成22年版準則では、規約の全文を表示していなければ「原則として法的効力は認められない」と記載していました。今後も、トラブルの発生状況や実務の動向によって、この基準が変更される可能性がある点に注意が必要です。

4.規約リンク×規約に同意したことを説明する申込ボタン

申込ボタンの下に、利用規約のリンクを張り、申込ボタンをクリックすると、利用規約にも同意したことになる注意書きを記載する。 例)「購入するボタンを押すと●●の利用規約に同意したものとみなされます」との表示(典型例:Amazon)

〈メリット〉

利用規約の内容を確認したいユーザーに配慮しつつ、利用規約の内容にさほど関心のない大半のユーザーからは自然な流れで利用規約への同意を取得することを目指せます。
なお、規約全文を表示しない点についても、現段階では問題はありません。経済産業省がまとめている「電子商取引及び情報取引等に関する準則」(平成30年7月)の基準に照らすと、上記方法も同意を取得する方法として十分なものとなりえます。これはあくまで経済産業省が作成したガイドラインであって、「裁判所の見解と一致する」という保証まではありませんが、官庁が正式にリリースしている基準ではあります。準則の基準を満たしておけば、ある程度安心といえるでしょう。

〈デメリット〉
3.規約リンク×規約同意クリック記載のデメリットと同じ

利用規約を変更したとき

いったん利用規約への同意を得た後も、サービスの内容が変わったり、新たにケアしなければならない事象の後になって気づいたりすることはよくあります。そのような場合には、利用規約を変更する必要が生じます。

利用規約は、ウェブサービス事業者がユーザーに提示し、ユーザーがそれに同意することで成立する「契約」の条件です。

そして、一度成立した契約の条件を変更する場合は、その都度ユーザーから同意を取らなければならないのが原則です。

しかし、多くのウェブサービスでは、利用規約において「ウェブサービス事業者が、一方的に利用規約を変更できる権利」を定め、ユーザーから明示的に同意を取ることなく利用規約を変更しています。

それは、

・多くのユーザーは利用規約の変更には無関心であり、よほど条件が悪化しない限りは、合意を取り直さなくてもクレームにつながることは多くない
・変更に同意してもらう手続きをきっかけに、ユーザーがサービスを退会してしまうリスクがある

以上の理由によるものと考えられます。

しかし、ユーザーにとって影響が大きい条件を変更する場合や、ユーザーに具体的な不利益が及ぶ条件を変更する場合には、

・原則どおり、利用規約の変更について明示的に同意を取得する
・少なくとも、変更内容と「変更日以降にサービスを継続利用していることをもって変更に同意したものとみなす」旨を通知する

といった対応をとったほうが安全です。

利用規約を変更した場合も、ユーザーとの交渉や訴訟などを通じて、過去のバージョンを参照する必要が生じることがあります。

このようなケースにおいて、ウェブサービス事業者は過去の利用規約の変更履歴を補完しておくことが容易である一方、ユーザーは自らが同意した利用規約を手元に保存しておかないのが一般的であることから、ユーザーが同意した利用規約の内容の立証は、ウェブサービス事業者に課される可能性もあります。
そのため、過去のバージョンもアーカイブし、すぐに確認できるようにしておく必要があります。

また、同意を取得した後および利用規約を変更した後に、できればウェブサイトで確認を求めた利用規約などの全文をメールで送信しておきましょう。
あとあとユーザーからクレームが発生した場合に、「利用規約やプライバシーポリシーが変更されたことを知らなかった」と主張されることを防ぐ効果を得られます。

また、トラブル対応という側面を離れ、変更前の利用規約やプライバシーポリシーを単にアーカイブしておくだけでなく、すべてのバージョンをユーザーが自由に閲覧できるように公開することで、ユーザーサポートの一環として変更手続きの透明性を高めようとしているケースも存在しています。

利用規約の変更は、ユーザーにとっては不安を伴う手続きです。そのため、ユーザーから信頼を獲得するための取り組みもまた重要です。

事例

2011年9月に株式会社ミログがリリースしたスマートフォンアプリ「app.tv」は、「利用規約・プライバシーポリシーへの同意取得が不適切であった可能性がある」と指摘されたことが発端となり、会社清算にまで至りました。

App.tvは、「動画配信のアプリにリワード広告(広告にアクセスしたユーザーに報酬の一部を還元する仕組みを持った広告)機能を加えたもの」という説明がなされていました。
しかし、実はユーザーから明示的に同意を得ることなく、同アプリがインストールされたAndroid端末におけるアプリケーション利用状況などを、ミログのサーバーにアップロードする、という仕様になっていました。また同社は、「app.tvと同様の仕組みをアプリに導入すると、1ダウンロードあたり1円を支払う」という開発ツールも配布していました。
ミログは「悪意はなかった」と釈明し、第三者調査委員会を入れて調査報告をするにいたったものの、問題の収束にいたらず、2012年4月社長自ら会社の清算を決断し、解散するという結論となりました。

利用規約か契約書か

利用規約=約款

利用規約は、法律的には「約款」にあたります。そして、約款にあたるもののうち、以下の3つの要件をすべて満たすものを「定型約款」といい、改正民法において規定が設けられています(改正民法548条の2第1項)。

①ある特定の者が、不特定多数の者を相手方として行う取引についてのものであること
②取引の内容の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものであること
③約款が、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体であること

定型約款に該当するとされる典型例としては、「コンピューターソフトウェアの利用規約」「預金規定」「鉄道旅客運送約款」「生命保険約款」などがあります。

約款と契約書の違い

 定型約款は先ほどの定義のとおり、不特定多数を相手として行う取引の画一的な契約条項です。これに対し契約書は、当事者が誰であるか、代金の支払日がいつであるかなど、個別具体的な内容が書かれています。
このように、誰と契約しても同じ画一的な内容であるか、契約者ごとに異なる個別的な内容であるかの違いがあります。

特に法人向けのサービスの場合、利用規約(約款)形式と契約書形式のどちらがよいのでしょうか。結論からいうと、利用規約形式でも契約書形式でも、どちらも法的な効力という意味では変わりはありませんので、どちらで締結しても構いません。

もっとも、以下のような特徴があるので、よく理解していずれの形式とするのか選択してください。

〈契約書の場合〉

・ユーザーに対して直接営業に行き、紙ベースで申込みをしてもらう場合に向いている
・代表印で押印されていれば、同意の有効性を争われる可能性は低い
→高額な取引にも対応可能
・条項の修正を要求される可能性が高い
・どのような企業でも抵抗感がない

〈利用規約の場合〉

・Webで申込みを受ける場合に向いている(直接訪問する場合には、申込書+利用規約(約款)とする方法も可能)
・従業員が勝手に「同意」ボタンを押す可能性もあるため、決裁権限のない者が勝手に同意したと主張される可能性がある
→高額な取引には不向き
・条項の修正を求められる可能性が事実上低い(修正を求められても、比較的断りやすい)
・大企業だと、Webで申し込むということに抵抗感が強い場合が多い。また、サービス運営者側の押印が残らないため、別途「受注書」のような書類を要求されるケースもある

まとめ

以上で、利用規約の存在意義、そして利用規約がないとどうなるのかを前提に、利用規約の作り方について説明しました。
最低限のポイントをまとめると、以下のとおりです。

  • 自社のウェブサービスのリスクを正しく理解する
  • 他社のものも参考にしつつ、長すぎず、かつ、読みやすい・わかりやすい言葉で作成する
  • ユーザーに「利用規約なんて見てない」と言われないような場所に明示する
  • サービスの提供の前に、利用規約についてしっかりと同意を得る

ルールに則った適切な利用規約を作るなら、東京都千代田区直法律事務所の弁護士まで

ひな形の見本

以下は、利用規約のひな形の一つです。作成の際に参考にするとよいでしょう。
あくまで”ひな形”なので、個々の案件毎に、とくに盛り込みたい条項や作成方法に不明点がある場合は、直法律事務所ご相談ください。

本利用規約(以下「本規約」と言います。)には、本サービスの提供条件及び当社と登録ユーザーの皆様との間の権利義務関係が定められています。本サービスの利用に際しては、本規約の全文をお読みいただいたうえで、本規約に同意いただく必要があります。
第1条(適用)
1.本規約は、本サービスの提供条件及び本サービスの利用に関する当社と登録ユーザーとの間の権利義務関係を定めることを目的とし、登録ユーザーと当社との間の本サービスの利用に関わる一切の関係に適用されます。
2.当社が当社ウェブサイト上で掲載する本サービス利用に関するルール(http://.......) は、本規約の一部を構成するものとします。
3.本規約の内容と、前項のルールその他の本規約外における本サービスの説明等とが異なる場合は、本規約の規定が優先して適用されるものとします。
第2条(定義)
本規約において使用する以下の用語は、各々以下に定める意味を有するものとします。
(1)「サービス利用契約」とは、本規約を契約条件として当社と登録ユーザーの間で締結される、本サービスの利用契約を意味します。
(2)「知的財産権」とは、著作権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他の知的財産権(それらの権利を取得し、またはそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。)を意味します。
(3)「投稿データ」とは、登録ユーザーが本サービスを利用して投稿その他送信するコンテンツ(文章、画像、動画その他のデータを含みますがこれらに限りません。)を意味します。
(4)「当社」とは、【会社の正式な商号】を意味します。
(5)「当社ウェブサイト」とは、そのドメインが「【本サービスを提供するドメイン名】」である、当社が運営するウェブサイト(理由の如何を問わず、当社のウェブサイトのドメインまたは内容が変更された場合は、当該変更後のウェブサイトを含みます。)を意味します。
(6)「登録ユーザー」とは、第3条(登録)に基づいて本サービスの利用者としての登録がなされた個人または法人を意味します。
(7)「本サービス」とは、当社が提供する【ウェブサービス名】という名称のサービス(理由の如何を問わずサービスの名称または内容が変更された場合は、当該変更後のサービスを含みます。)を意味します。
第3条(登録)
1.本サービスの利用を希望する者(以下「登録希望者」といいます。)は、本規約を遵守することに同意し、かつ当社の定める一定の情報(以下「登録事項」といいます。)を当社の定める方法で当社に提供することにより、当社に対し、本サービスの利用の登録を申請することができます。
2.当社は、当社の基準に従って、第1項に基づいて登録申請を行った登録希望者(以下「登録申請者」といいます。)の登録の可否を判断し、当社が登録を認める場合にはその旨を登録申請者に通知します。登録申請者の登録ユーザーとしての登録は、当社が本項の通知を行ったことをもって完了したものとします。
3.前項に定める登録の完了時に、サービス利用契約が登録ユーザーと当社の間に成立し、登録ユーザーは本サービスを本規約に従い利用することができるようになります。
4.当社は、登録申請者が、以下の各号のいずれかの事由に該当する場合は、登録及び再登録を拒否することがあり、またその理由について一切開示義務を負いません。
(1)当社に提供した登録事項の全部または一部につき虚偽、誤記または記載漏れがあった場合
(2)未成年者、成年被後見人、被保佐人または被補助人のいずれかであり、法定代理人、後見人、保佐人または補助人の同意等を得ていなかった場合
(3)反社会的勢力等(暴力団、暴力団員、右翼団体、反社会的勢力、その他これに準ずる者を意味します。以下同じ。)である、または資金提供その他を通じて反社会的勢力等の維持、運営もしくは経営に協力もしくは関与する等反社会的勢力等との何らかの交流もしくは関与を行っていると当社が判断した場合
(4)過去当社との契約に違反した者またはその関係者であると当社が判断した場合
(5)第10条に定める措置を受けたことがある場合
(6)その他、登録を適当でないと当社が判断した場合
第4条(登録事項の変更)
登録ユーザーは、登録事項に変更があった場合、当社の定める方法により当該変更事項を遅滞なく当社に通知するものとします。
第5条(パスワード及びユーザーIDの管理)
1.登録ユーザーは、自己の責任において、本サービスに関するパスワード及びユーザーIDを適切に管理及び保管するものとし、これを第三者に利用させ、または貸与、譲渡、名義変更、売買等をしてはならないものとします。
2.パスワードまたはユーザーIDの管理不十分、使用上の過誤、第三者の使用等によって生じた損害に関する責任は登録ユーザーが負うものとします。
第6条(料金及び支払方法)
1.登録ユーザーは、本サービス利用の対価として、別途当社が定め、当社ウェブサイトに表示する利用料金を、当社が指定する支払方法により当社に支払うものとします。
2.登録ユーザーが利用料金の支払を遅滞した場合、登録ユーザーは年14.6%の割合による遅延損害金を当社に支払うものとします。
第7条(禁止事項)
登録ユーザーは、本サービスの利用にあたり、以下の各号のいずれかに該当する行為または該当すると当社が判断する行為をしてはなりません。
(1)法令に違反する行為または犯罪行為に関連する行為
(2)当社、本サービスの他の利用者またはその他の第三者に対する詐欺または脅迫行為
(3)公序良俗に反する行為
(4)当社、本サービスの他の利用者またはその他の第三者の知的財産権、肖像権、プライバシーの権利、名誉、その他の権利または利益を侵害する行為
(5)本サービスを通じ、以下に該当し、または該当すると当社が判断する情報を当社または本サービスの他の利用者に送信すること
・過度に暴力的または残虐な表現を含む情報
・コンピューター・ウィルスその他の有害なコンピューター・プログラムを含む情報
・当社、本サービスの他の利用者またはその他の第三者の名誉または信用を毀損する表現を含む情報
・過度にわいせつな表現を含む情報
・差別を助長する表現を含む情報
・自殺、自傷行為を助長する表現を含む情報
・薬物の不適切な利用を助長する表現を含む情報
・反社会的な表現を含む情報
・チェーンメール等の第三者への情報の拡散を求める情報
・他人に不快感を与える表現を含む情報
(6)本サービスのネットワークまたはシステム等に過度な負荷をかける行為
(7)当社が提供するソフトウェアその他のシステムに対するリバースエンジニアリングその他の解析行為
(8)本サービスの運営を妨害するおそれのある行為
(9)当社のネットワークまたはシステム等への不正アクセス
(10)第三者に成りすます行為
(11)本サービスの他の利用者のIDまたはパスワードを利用する行為
(12)当社が事前に許諾しない本サービス上での宣伝、広告、勧誘、または営業行為
(13)本サービスの他の利用者の情報の収集
(14)当社、本サービスの他の利用者またはその他の第三者に不利益、損害、不快感を与える行為
(15)当社ウェブサイト上で掲載する本サービス利用に関するルール(http://.......)に抵触する行為
(16)反社会的勢力等への利益供与
(17)面識のない異性との出会いを目的とした行為
(18)前各号の行為を直接または間接に惹起し、または容易にする行為
(19)前各号の行為を試みること
(20)その他、当社が不適切と判断する行為
第8条(本サービスの停止等)
当社は、以下のいずれかに該当する場合には、登録ユーザーに事前に通知することなく、本サービスの全部または一部の提供を停止または中断することができるものとします。
(1)本サービスに係るコンピューター・システムの点検または保守作業を緊急に行う場合
(2)コンピューター、通信回線等の障害、誤操作、過度なアクセスの集中、不正アクセス、ハッキング等により本サービスの運営ができなくなった場合
(3)地震、落雷、火災、風水害、停電、天災地変などの不可抗力により本サービスの運営ができなくなった場合
(4)その他、当社が停止または中断を必要と判断した場合
第9条(権利帰属)
1.当社ウェブサイト及び本サービスに関する知的財産権は全て当社または当社にライセンスを許諾している者に帰属しており、本規約に基づく本サービスの利用許諾は、当社ウェブサイトまたは本サービスに関する当社または当社にライセンスを許諾している者の知的財産権の使用許諾を意味するものではありません。
2.登録ユーザーは、投稿データについて、自らが投稿その他送信することについての適法な権利を有していること、及び投稿データが第三者の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。
3.登録ユーザーは、投稿データについて、当社に対し、世界的、非独占的、無償、サブライセンス可能かつ譲渡可能な使用、複製、配布、派生著作物の作成、表示及び実行に関するライセンスを付与します。また、他の登録ユーザーに対しても、本サービスを利用して登録ユーザーが投稿その他送信した投稿データの使用、複製、配布、派生著作物を作成、表示及び実行することについての非独占的なライセンスを付与します。
4.登録ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。
第10条(登録抹消等)
1.当社は、登録ユーザーが、以下の各号のいずれかの事由に該当する場合は、事前に通知または催告することなく、投稿データを削除もしくは非表示にし、当該登録ユーザーについて本サービスの利用を一時的に停止し、または登録ユーザーとしての登録を抹消することができます。
(1)本規約のいずれかの条項に違反した場合
(2)登録事項に虚偽の事実があることが判明した場合
(3)支払停止もしくは支払不能となり、または破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始若しくはこれらに類する手続の開始の申立てがあった場合
(4)【6】ヶ月以上本サービスの利用がない場合
(5)当社からの問い合わせその他の回答を求める連絡に対して【30日】間以上応答がない場合
(6)第3条第4項各号に該当する場合
(7)その他、当社が本サービスの利用または登録ユーザーとしての登録の継続を適当でないと判断した場合
2.前項各号のいずれかの事由に該当した場合、登録ユーザーは、当社に対して負っている債務の一切について当然に期限の利益を失い、直ちに当社に対して全ての債務の支払を行わなければなりません。
第11条(退会)
1.登録ユーザーは、当社所定の手続の完了により、本サービスから退会し、自己の登録ユーザーとしての登録を抹消することができます。
2.退会にあたり、当社に対して負っている債務が有る場合は、登録ユーザーは、当社に対して負っている債務の一切について当然に期限の利益を失い、直ちに当社に対して全ての債務の支払を行わなければなりません。
3.退会後の利用者情報の取扱いについては、第15条の規定に従うものとします。
第12条(本サービスの内容の変更、終了)
1.当社は、当社の都合により、本サービスの内容を変更し、または提供を終了することができます。
2.当社が本サービスの提供を終了する場合、当社は登録ユーザーに事前に通知するものとします。
第13条(保証の否認及び免責)
1.当社は、本サービスが登録ユーザーの特定の目的に適合すること、期待する機能・商品的価値・正確性・有用性を有すること、登録ユーザーによる本サービスの利用が登録ユーザーに適用のある法令または業界団体の内部規則等に適合すること、継続的に利用できること、及び不具合が生じないことについて、明示又は黙示を問わず何ら保証するものではありません。
2.当社は、本サービスに関して登録ユーザーが被った損害につき、過去【12ヶ月】間に登録ユーザーが当社に支払った対価の金額を超えて賠償する責任を負わないものとし、また、付随的損害、間接損害、特別損害、将来の損害及び逸失利益にかかる損害については、賠償する責任を負わないものとします。
3.本サービスまたは当社ウェブサイトに関連して登録ユーザーと他の登録ユーザーまたは第三者との間において生じた取引、連絡、紛争等については、登録ユーザーが自己の責任によって解決するものとします。
第14条(秘密保持)
登録ユーザーは、本サービスに関連して当社が登録ユーザーに対して秘密に取扱うことを求めて開示した非公知の情報について、当社の事前の書面による承諾がある場合を除き、秘密に取扱うものとします。
第15条(利用者情報の取扱い)
1.当社による登録ユーザーの利用者情報の取扱いについては、別途当社プライバシーポリシー(http://.......) の定めによるものとし、登録ユーザーはこのプライバシーポリシーに従って当社が登録ユーザーの利用者情報を取扱うことについて同意するものとします。
2.当社は、登録ユーザーが当社に提供した情報、データ等を、個人を特定できない形での統計的な情報として、当社の裁量で、利用及び公開することができるものとし、登録ユーザーはこれに異議を唱えないものとします。
第16条(本規約等の変更)
当社は、当社が必要と認めた場合は、本規約を変更できるものとします。本規約を変更する場合、変更後の本規約の施行時期及び内容を当社ウェブサイト上での掲示その他の適切な方法により周知し、または登録ユーザーに通知します。但し、法令上登録ユーザーの同意が必要となるような内容の変更の場合は、当社所定の方法で登録ユーザーの同意を得るものとします。
第17条(連絡/通知)
1.本サービスに関する問い合わせその他登録ユーザーから当社に対する連絡または通知、及び本規約の変更に関する通知その他当社から登録ユーザーに対する連絡または通知は、当社の定める方法で行うものとします。
2.当社が登録事項に含まれるメールアドレスその他の連絡先に連絡または通知を行った場合、登録ユーザーは当該連絡または通知を受領したものとみなします。
第18条(サービス利用契約上の地位の譲渡等)
1.登録ユーザーは、当社の書面による事前の承諾なく、利用契約上の地位または本規約に基づく権利もしくは義務につき、第三者に対し、譲渡、移転、担保設定、その他の処分をすることはできません。
2.当社は本サービスにかかる事業を他社に譲渡した場合には、当該事業譲渡に伴い利用契約上の地位、本規約に基づく権利及び義務並びに登録ユーザーの登録事項その他の顧客情報を当該事業譲渡の譲受人に譲渡することができるものとし、登録ユーザーは、かかる譲渡につき本項において予め同意したものとします。なお、本項に定める事業譲渡には、通常の事業譲渡のみならず、会社分割その他事業が移転するあらゆる場合を含むものとします。
第19条(分離可能性)
本規約のいずれかの条項またはその一部が、消費者契約法その他の法令等により無効または執行不能と判断された場合であっても、本規約の残りの規定及び一部が無効または執行不能と判断された規定の残りの部分は、継続して完全に効力を有するものとします。
第20条(準拠法及び管轄裁判所)
1.本規約及びサービス利用契約の準拠法は日本法とします。
2.本規約またはサービス利用契約に起因し、または関連する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。
【●年●月●日制定】
【●年●月●日改定】

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