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【新ビジネスを始める際の法律チェック】どのように行えばいいの?

新ビジネスを行う際に、適用法令を正確に把握することは簡単ではないことも多いです。

実際に法的問題点の抽出・検討を行う場合には、一定の手順・観点をもって検討することが非常に効率的です。

今回は、新ビジネスを始める際の法律チェックについて、
手順・視点の一例をご紹介します。


澤田直彦

監修弁護士:澤田直彦
弁護士法人 直法律事務所 代表弁護士

IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を設立・運営しています。
本記事では、
「【新ビジネスを始める際の法律チェック】どのように行えばいいの?」
について、詳しくご解説します。

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同種ビジネス(他社事例)の調査・確認

同種ビジネスを行っている事業者が既に存在し、当該事業者が上場企業の場合、その事業者の有価証券届出書(新規公開時)、有価証券報告書を参考にすることで、ビジネスの法的問題点を確認することができる場合があります。

※ 同種ビジネスを把握する方法としては、以下の書籍が参考になります。
① ビジネスモデル2.0 
 近藤 哲朗 (著)

② ビジネス書図鑑
 グロービス (著), 荒木 博行 (著)

③ 3000年の叡智を学べる 戦略図鑑
 鈴木 博毅 (著)

④ 起業のファイナンス
 磯崎哲也 (著)

これは、上場企業は、金融商品取引法に基づき、有価証券届出書、有価証券報告書の提出を義務付けられており、これらには、事業の内容や経営指標の推移に加えて、「事業等のリスク」として、その事業特有の法規制の記載が求められているからです。
そして、有価証券届出書、有価証券報告書は、多くの場合、その企業のHPで閲覧することが可能ですが、金融庁が解説しているEDINETで閲覧することもできますので、ご参考にしてみてください。

業界の出している自主規制・ガイドライン

新規ビジネスに関連する業界団体が存在する場合には、その業界団体が定める自主規制・ガイドラインが参考になる事があります。
例えば、プラットフォームビジネスを検討する際には、
公正取引委員会が、「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」というものを公表しており、参考になります。
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/dpfgl.html

行政機関への確認方法

法令を所管する行政機関(監督官庁)に確認する方法としては、直接的な法令適合性確認の方法であり、我々弁護士もよく利用する方法です。 行政機関に確認する方法としては、
具体的には、以下の3つの方法があります。

  1. 直接の電話・訪問による照会
  2. ノーアクションレター制度の活用
  3. グレーゾーン解消制度の活用


直接の電話・訪問による照会

新規ビジネスに関連する法令を所管する監督官庁に対して、電話で問い合わせることや、訪問して問い合わせることが考えられます。
その場合に、事前に弁護士の意見を取得した上で、問い合わせをすることが有用です。
なぜなら、法令の趣旨等に基づいた踏み込んだ議論ができることで、より具体的な回答が得られることが多く、また、話の流れによって、法規制が及ばない他の方法等について議論ができる場合があるからです。

ノーアクションレター制度(法令適用事前確認手続)の活用

ノーアクションレター制度(法令適用事前確認手続)とは、事業活動に関係する具体的行為が、特定の法令の規定の適用対象となるかどうか、あらかじめ当該規定を所管する行政機関に確認し、その行政機関が回答を行うとともに、当該回答を公表する制度です。
この制度を利用するには、照会する法令を特定した上で、照会書に必要事項を記載し、当該法令の条項ごとに定められた照会窓口に提出する必要があります。
行政機関からは、原則として、照会から30日以内に回答がなされますが、照会者名、照会内容、及び回答内容が公表される点に注意が必要です。
また、ノーアクションレター制度の利用の難点は、
①照会できる法令が許認可や行政罰に関する条項等に限られていること
②条項ごとに定められた照会窓口に提出する必要があり、法規制が複数の窓口に及ぶ場合にそれぞれ窓口に紹介する必要が生じ、手続が煩雑であることです。

グレーゾーン解消制度の活用

グレーゾーン解消制度とは、ノーアクションレター制度と同様、事業者が法令に基づく規制の適用範囲が不明確な場合においても安心して事業を行えるよう、具体的な計画に即して、予め規制の適用の有無を確認出来る制度です。照会した後、原則として、30日以内に回答されます。
グレーゾーン解消制度は、ノーアクションレター制度と異なり、照会が可能な条項に制限はありません。

 また、照会先が事業所管省庁に一元化されており、照会者に対していろいろなアドバイス・きめ細やかな指導も併せて行える、規制の難しい言葉を懇切丁寧に事業所管庁として解説するといったもので、規制官庁と照会者(事業者)の橋渡しをする事業所官省庁が事業者のサポーター役となるものとして、多く利用されています。

※ノーアクションレター制度とグレーゾーン解消制度との違い

制度 対象法令 照会先(省庁)
ノーアクションレター制度 行政処分・刑罰に関する規定 規制所管省庁
グレーゾーン解消制度 限定なし 事業所管省庁

 

弁護士の利用

ここまで、自社で新規ビジネスを始める場合の法令適合性チェックの方法を解説してきましたが、弁護士を活用することが有用であることは言うまでもありません。
弁護士は日常的に新規ビジネスに関する法令確認を業務として行っているため、関連法令を早期に発見することが可能です。

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ただ、新規ビジネスについては、合法か否かの結論を保証できるものではなく、裁判例も多くは存在していなかったり、行政としての取り扱いも固まっていなかったりする分野も多くあります。
このような分野については、法的問題点の分析や検討を目的として外部弁護士を利用し、弁護士と共に、上記3で述べた行政機関への問い合わせをするといった方法がよく利用されています。



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