澤田直彦
監修
弁護士法人直法律事務所 代表弁護士 澤田直彦
2009年 弁護士登録
2018年 弁護士法人直法律事務所 開業
IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を設立・運営しています。
\初回30分無料/
【初回30分無料】お問い合わせはこちら労働法務サービスの詳細はこちら当事務所では、LINEでのお問い合わせも受け付けております。お気軽にご相談ください。
登録はこちらから
![]()
裁量労働制とは?
裁量労働制とは、実際の労働時間ではなく、あらかじめ定めた「みなし労働時間」を働いたものとみなす制度です。
専門的な知識・経験・資格を有する労働者に、業務の遂行手段や時間配分について大幅な裁量(自由)を与え、生産性の向上を図ることを目的としています。労務管理においては、実際の労働時間ではなく、労使協定や労使委員会の決議で定めた時間を働いた時間とみなします。
裁量労働制は、対象業務に応じて「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があります。
| 種類 | 対象業務 | 特徴 |
|---|---|---|
| 専門業務型 | 法令で指定された20業務 (研究開発・デザイナー・士業など) |
業務の性質上、遂行方法を大幅に労働者に委ねる必要がある業務 |
| 企画業務型 | 企業の運営に関する企画・立案・調査・分析 | 本社など中枢部門で、自律的に業務を行うホワイトカラー向け |
実際の労働時間ではなく「みなし時間」で働く制度
裁量労働制の対象となる労働者には、業務の遂行手段や時間配分について広い裁量が認められており、「始業・終業時刻」「どこで・何時間・どのように働くか」についても、原則として労働者の判断に委ねられます。
例えば、労使協定で「6時間働いたとみなす」と定めている場合は、実際の労働時間にかかわらず6時間労働として評価されます。
この制度は、デザイナーや新商品・新技術の研究開発など、創造性や高度な専門性が求められる業務について、一般的な労働時間管理に馴染まないことから設けられています。むしろ、広い裁量を与えることで能力を発揮しやすく、効率的な働き方や高い成果を期待する制度です。
ただし、みなし労働時間が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合には、一般労働者と同様に36協定の締結や割増賃金の支払いが必要となります。
また、裁量労働制を導入していても、休憩・休日・年次有給休暇・深夜や休日出勤における割増賃金の規定などは、一般労働者と同様に適用されます。
専門業務型と企画業務型の違い
裁量労働制には「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があり、主に対象業務や導入要件が異なります。
専門業務型は「プログラマー・デザイナー・士業などの専門職」を対象とし、企画業務型は「本社などの中枢部門で企画・立案などを担当する労働者」を対象としています。
主な違いは、以下のとおりです。
▸ 企画業務型 : 労使委員会の設置・決議・届出が必要
いずれの場合も、就業規則等の整備と本人の同意が必要となります。
また、企画業務型では就業規則等の届出が効力要件となるのに対し、専門業務型では就業規則等の届出は効力要件ではないと解されます。
なお、1987年の労働基準法改正により「専門業務型」が創設された後、随時対象業務が追加され、現在では20種類の業務が指定されています。1998年の改正では「企画業務型」が追加されました。さらに、2023年の改正では、専門業務型・企画業務型のいずれについても、本人の同意や同意撤回の手続きなどの要件が追加されています。
専門業務型裁量労働制の導入要件と対象業務
専門業務型裁量労働制は、対象業務に該当することに加え、法令で定められた以下の要件を満たした場合に導入することができます。
- 就業規則に専門業務型裁量労働制を導入する旨を規定(整備)する
- 労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署に届出する
- 労働者本人の同意を得る
「本人同意」は2024年4月から必要となりました。また、同月からは、制度の運用にあたり対象労働者に対する「健康・福祉確保措置」を講じることも要件として追加されています。
労使協定の締結と就業規則の整備
専門業務型裁量労働制を導入するためには、就業規則の規定に加え、労使協定を締結したうえで、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
労使協定は、実態を踏まえて労使間で十分に協議した上で締結し、その後、労働基準監督署への届出と従業員への周知を行います。
また、業務に必要な時間は、社会情勢や業務内容の変化によって変動があるため、定期的に協定内容を見直すことが適切とされています。このため、労使協定には有効期間を定める必要があり、有効期間は3年以内とすることが望ましいとされています。
労使協定には、以下の項目を定めなければなりません。
- 制度の対象とする業務(省令・告示により定められた20業務)
- 1日の労働時間としてみなす時間(みなし労働時間)
- 対象業務の遂行の手段や時間配分の決定等に関し、使用者が適用労働者に具体的な指示をしな いこと
- 適用労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉確保措置の具体的内容
- 適用労働者からの苦情処理のために実施する措置の具体的内容
- 制度の適用に当たって労働者本人の同意を得なければならないこと
- 制度の適用に労働者が同意をしなかった場合に不利益な取扱いをしてはならないこと
- 制度の適用に関する同意の撤回の手続
- 労使協定の有効期間(※3年以内とすることが望ましい)
- 労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況、苦情処理措置の実施状況、同意及び同意の 撤回の労働者ごとの記録を協定の有効期間中及びその期間満了後3年間保存すること
特に2024年4月以降は、本人同意を得ることや、同意しなかった場合に不利益に取り扱うことを禁止する旨を協定に盛り込む必要があります。
対象となる20種類の専門業務
専門業務型裁量労働制の対象となるのは、法令で定められた20種類の業務に限られています。
| No. | 業務内容 |
|---|---|
| 1 | 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務 |
| 2 | 情報処理システムの分析又は設計の業務 |
| 3 | 新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務、又は放送番組の制作のための取材若しくは編集の業務 |
| 4 | 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務 |
| 5 | 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務 |
| 6 | 広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務) |
| 7 | 事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務) |
| 8 | 建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務) |
| 9 | ゲーム用ソフトウェアの創作の業務 |
| 10 | 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務) |
| 11 | 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務 |
| 12 | 大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る) |
| 13 | 銀行又は証券会社における顧客の合併及び買収に関する調査又は分析及びこれに基づく合併及び買収に関する考案及び助言の業務(いわゆるM&Aアドバイザーの業務) |
| 14 | 公認会計士の業務 |
| 15 | 弁護士の業務 |
| 16 | 建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務 |
| 17 | 不動産鑑定士の業務 |
| 18 | 弁理士の業務 |
| 19 | 税理士の業務 |
| 20 | 中小企業診断士の業務 |
掲げられた業務には、弁護士や一級建築士など高度な資格を要するものが多く含まれます。一方で、システムコンサルタントやゲームソフト創作など、資格は不要でも高度な知識や経験が求められる業務も対象となります。
もっとも、対象業務に該当するかどうかは、職種名ではなく実際の業務内容に基づいて判断されます。
例えば、「情報処理システムの分析または設計」の業務についても、プログラミング業務は、その性質上裁量性が高いとはいえず、納期が1~2週間(場合によっては2~3日)と短く、業務遂行の裁量性に乏しいことなどを理由に対象外と判断した裁判例もあります。
裁量労働制における実務上の課題と運用
裁量労働制では、指揮命令の範囲や適用対象者の選定・解除など、制度の運用が重要なポイントとなります。
裁量労働制は労働者に大幅な裁量を認める制度ですが、使用者が一切指揮命令できないわけではありません。一方で、裁量を過度に制限すると制度自体が無効となるおそれがあります。
また、新卒社員など経験の浅い労働者への適用や、適用後に制度が適さないと判断された場合の対応についても、あらかじめルールを整備しておくことが重要です。
指揮命令と裁量の範囲
裁量労働制でも、使用者は一定の範囲で業務指示や進捗管理を行うことができます。
例えば、会議への出席指示・途中経過の報告・業務内容の指示・進捗管理や期限の設定などは可能と考えられます。
一方で、始業・終業時刻を指定したり、業務の遂行方法を細かく指示したりすると、労働者の裁量が事実上否定され、裁量労働制が無効と判断されるリスクがあります。特に「時間配分の決定」には、始業・終業時刻の決定も含まれるため、使用者がこれらを指定する運用には注意が必要です。
適用対象者の経験年数と処遇
裁量労働制は、十分な知識や経験を有する労働者への適用が前提となります。高度な資格や知識を有していても、新卒社員に入社直後から専門業務型裁量労働制を適用させるのは現実的ではありません。
厚生労働省の「企画業務型裁量労働制の解説」では、大学卒業直後で職務経験のない労働者は対象にならず、少なくとも3~5年程度の職務経験を経て、対象業務を適切に遂行するための知識・経験を有するかどうかが判断基準となるとしています。
企画業務型では、このほか一定以上の等級にあることなども判断要素となります。専門業務型についても、同程度の経験年数を目安とすることが適当と考えられます。
また、裁量労働制を適用する場合は、みなし労働時間に応じた基本給や裁量労働手当などにより、相応の処遇を確保することが重要です。
厚生労働省が2021年に公表した裁量労働制実態調査によると、専門業務型では半数以上の事業場で裁量労働手当などの特別手当が支給されており、その平均額は約7万円程度とされています。
労働実態がみなし時間を大幅に超過する場合
実際の労働時間が恒常的にみなし労働時間を大幅に上回る場合は、裁量労働制の適法性が問題となります。
制度上は、実労働時間がみなし労働時間より短くても差し支えありません。一方で、みなし労働時間を不当に短く設定し、長時間・過重労働を常態化させているようなケースも考えられます。
みなし労働時間の設定方法について具体的な法令上の基準はないものの、業務実態に見合った適切な時間を設定する必要があります。裁量労働制の趣旨に反する運用が行われている場合には、制度の適用自体が否定されるリスクがあります。
制度適用外となった場合の対応
裁量労働制は、本人の同意撤回や適用要件を満たさなくなった場合に解除されることがあります。
本人が同意を撤回した場合は、裁量労働制の適用は終了します。
また、適用対象外への配置転換や能力不足などを理由に適用を解除できるかは、就業規則などで使用者に解除権限が定められているか、その行使が権利濫用に当たらないかという観点から判断されます。特に、裁量労働手当などが支給されている場合は、適用解除によって大幅な減収となることがあります。
そのような場合は、適用解除が権限濫用と判断される可能性もあるため、不利益変更禁止の原則に抵触しないよう、解除後の等級や基本給などの賃金制度をあらかじめ定めておく必要があります。
裁量労働制の適用解除後は、時間外労働が発生すれば残業代を支払う必要があります。また、制度の適用自体が無効と判断された場合には、過去に遡って実労働時間に基づく割増賃金の支払い義務が生じる点にも注意が必要です。
なお、企業全体として裁量労働制を廃止したい場合には、労使協定の有効期間が満了すれば、その効力は自動的に失われます。そのため、有効期間の満了を待って終了させることも考えられます。
フレックスタイム制とは
フレックスタイム制とは、一定期間内の総労働時間を定めた上で、労働者が始業・終業時刻や労働時間を自ら決めて働ける制度です。裁量労働制と同様に、ワークライフバランスの向上や業務効率化を目的としています。
裁量労働制との違いは、実際の労働時間を基準に労働時間を管理する点にあります。あらかじめ3か月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間を定め、その範囲内で労働者が業務量などに応じて各労働日の始業・終業時刻や労働時間を設定します。
この章では、適用要件や制度の仕組み、実務上の課題などについて解説します。
フレックスタイム制の適用要件
フレックスタイム制は、業種や職種を問わず、すべての労働者を対象に導入することができます。
導入するためには、次の要件を満たす必要があります。
- 就業規則にて、始業・終業時刻の決定を労働者の裁量に委ねる旨を定める。
- 労使協定で以下の事項を定める。
・ 対象となる労働者の範囲
・ 3か月以内の清算期間およびその起算日
・ 清算期間中の総労働時間
・ 標準となる1日の労働時間
・ コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合は、その開始・終了時刻
なお、清算期間が1か月を超える場合には、労使協定の届出が必要です。
フレックスタイム制の仕組み
フレックスタイム制では、労働者が始業・終業時刻を自由に設定できます。ただし、精算期間における法定労働時間の総枠を超えて働いた場合には、時間外労働となります。
清算期間が1か月を超える場合は、以下の時間を時間外労働としてカウントします。
② 清算期間全体で法定労働時間の総枠を越えた労働時間(①を除く)
①の時間外労働については、清算期間の途中であっても割増賃金を支払う必要があります。
また、①については「36協定の締結や届出」、②については「36協定の締結」が必要です。
なお、始業・終業時刻は労働者が自由に設定することができますが、コアタイムを設けている場合には、その時間帯に勤務する必要があります。
フレックスタイム制の課題
フレックスタイム制を適切に運用するには、業務指示や適用除外などのルールを明確にしておくことが重要です。
コアタイム外での会議への出席指示などの業務指示の可否
コアタイム外の会議への出席を一方的に命じることは、原則としてできません。
フレックスタイム制では、始業・終業時刻は労働者が自ら設定します。そのため、コアタイムを設けている場合は、その時間帯の会議への出席を指示できますが、コアタイム外の会議への出席を強制したり、従わなかったことを理由に不利益を与えたりすることはできません。また、コアタイムの前後に及ぶ業務についても同様です。
もっとも、労働者本人の同意があれば、コアタイム外の会議への出席を求めることは可能と考えられています。
スーパーフレックスタイム制において、所定労働日に勤務しない場合
スーパーフレックスタイム制では、総労働時間を満たしていれば、所定労働日に勤務しない日があっても取扱いに注意が必要です。
スーパーフレックスタイム制とは、コアタイムを設けないフレックスタイム制です。そのため、遅刻や早退という概念はありません。通常はフレキシブルタイムを設けますが、会社によってはコアタイムもフレキシブルタイムも設けていない場合もあります。
この場合、総労働時間を満たしていれば、所定労働日に勤務しない日があっても、その日を理由に賃金を控除することはできないと考えられます。
一方で、勤怠記録上は欠勤として扱うことや、勤務評価への反映やフレックスタイム制の適用解除を検討することは可能と考えられます。
使用者の判断でフレックスタイム制を外せるか
フレックスタイム制の適用解除は、就業規則や労使協定の内容に従って行う必要があります。
例えば、一部の労働者がフレックスタイム制を逆手に取り、会議に出席しなかったり、勤怠管理が不適切であるといった場合、使用者の判断でフレックスタイム制の適用を解除できるかが問題となります。
基本的には、労使協定や就業規則に適用除外の要件が定められており、その要件を満たす場合は、当該労働者についてフレックスタイム制の適用を解除できると考えられます。ただし、その判断が職権濫用とならないよう注意が必要です。
一方、労使協定や就業規則に適用除外に関する定めがない場合には、これらを変更したうえで適用除外規定を設けるなどの対応が必要となります。
また、フレックスタイム制を定めた労使協定の有効期間が満了するタイミングで、新たな労使協定に適用除外の要件や対象者を定めなどの方法が考えられます。
弁護士に相談すべきタイミング
裁量労働制は、導入時だけでなく、運用中にも法的な問題が生じることがあります。
特に、以下のようなケースでは、弁護士に相談したうえで制度設計や運用方法を見直すことをおすすめします。
同意を撤回する労働者が多いとき
裁量労働制の適用に対する同意の撤回は、労働者に認められた正当な権利です。
もっとも、同意を撤回をする労働者が多い場合は、制度設計や実際の運用に問題がある可能性があります。そのような場合には、弁護士と相談して制度の見直しを検討しましょう。
現在の運用が適法か不安を感じているとき
裁量労働制は、対象業務に該当するかどうかを実際の業務内容に基づいて判断するため、運用が適法か判断に迷うことがあります。
例えば、公認会計士試験に合格していたものの、資格取得に必要な実務補習を終了していない労働者について、「税理士の業務」として専門業務型裁量労働制を適用していた事案では、労働者が割増賃金および遅延損害金の支払いを求めて提訴しました。
これに対し、裁判所は「税理士の業務」は税理士会の名簿に登録した有資格者や税理士法人が主体となって従事する業務であり、退職時までに税理士資格を有していなかった以上、裁量労働制の適用対象にはならないと判断しました。
このように、裁量労働制の適法性は実際の労働実態によって判断されます。対象業務への該当性や運用方法に不安がある場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
未払い残業代請求や労基署対応を見据える必要があるとき
裁量労働制の運用に問題がある場合は、未払い残業代請求や労働基準監督署への対応が必要になることがあります。
裁量労働制の適用自体が無効と判断されれば、法定労働時間を超える部分について未払い残業代を請求されるリスクがあります。
また、裁量労働制を採用していても、深夜労働や法定休日労働に対する割増賃金の支払いは必要です。健康・福祉確保措置などを含め、制度運用に不安がある場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。
さらに、労使協定の作成・届出など労働基準監督署への対応では、労働者代表を適正に選出し、法令に従って手続を進める必要があります。
\初回30分無料/
【初回30分無料】お問い合わせはこちらよくある質問(Q&A)
裁量労働制について、よく寄せられる質問をQ&A形式で解説します。
Q1.裁量労働制でも残業代は出ますか?
みなし労働時間を法定労働時間である1日8時間以上に設定している場合は、8時間を超える部分について残業代が発生します。また、裁量労働制であっても、深夜労働や法定休日労働については、法律どおりの割増賃金が支払われます。
一方、みなし労働時間を8時間以内に設定している場合には、実労働時間が10時間であっても、その超過した2時間分の残業代は発生しません。
この点が、「裁量労働制では残業代が支払われず、際限なく働かせられる」と誤解される理由の1つです。そのため、制度の内容について労働者へ十分に説明することが必要となります。
Q2.会議への出席を強制することはできますか?
裁量労働制を適用していても、労働契約関係にある以上、使用者には基本的な指揮命令権があります。
もっとも、毎週・毎月など定期的な会議への出席を義務付けると、裁量がないと評価される可能性がありますが、労働者がその指示に同意している場合や自主的に参加している場合には、裁量労働制は否定されるとは限りません。
また、「業務に必要な会議には参加すること」といった抽象的・包括的な指示に留まるのであれば、裁量が直ちに否定されることはないと考えられます。
Q3.遅刻や早退の控除はできますか?
結論として、遅刻や早退を理由に賃金を控除することはできません。
裁量労働制では、始業・終業時刻を含む時間配分を労働者が自ら決定する裁量があるため、遅刻や早退という考え方が存在しません。
もっとも、事実上の遅刻や早退によって十分な成果を上げられない場合には、人事考課においてマイナス評価となる可能性があります。
裁量労働制に関するご相談は、東京都千代田区直法律事務所の弁護士まで
専門業務型裁量労働制の導入・運用には、法令に沿った制度設計と適切な労務管理が欠かせません。導入時には就業規則や労使協定の整備、本人同意の取得など厳格な手続が必要となるほか、運用開始後も裁量労働制の実態を備えた業務運営が求められます。
対象業務や指揮命令の方法、残業代の取扱いなどを誤ると制度が無効と判断され、未払い残業代などの問題につながるおそれもあります。裁量労働制の導入や運用に不安がある場合は、早い段階で弁護士へご相談いただくことをおすすめします。
直法律事務所においても、ご相談は随時受け付けておりますので、お困りの際はぜひお気軽にお問い合わせください。
\初回30分無料/
【初回30分無料】お問い合わせはこちら労働法務サービスの詳細はこちら【関連記事】
変形労働時間制とは?導入から運用まで弁護士がわかりやすく解説
限定正社員とは?ジョブ型雇用との違いや導入時の注意点を解説
顧問弁護士とは?法律顧問契約を結ぶメリットや費用・相場について解説!【企業向け】
直法律事務所では、IPO(上場準備)、上場後のサポートを行っております。
その他、プラットフォーム、クラウド、SaaSビジネスについて、ビジネスモデルが適法なのか(法規制に抵触しないか)迅速に審査の上、アドバイスいたします。お気軽にご相談ください。
ご面談でのアドバイスは当事務所のクライアントからのご紹介の場合には無料となっておりますが、別途レポート(有料)をご希望の場合は面談時にお見積り致します。
アカウントをお持ちの方は、当事務所のFacebookページもぜひご覧ください。記事掲載等のお知らせをアップしております。