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著作権フリーの素材を利用するときの注意点とは?

Q
 著作権フリーの素材画像や音楽、イラスト、動画を利用しようと思いますが、注意点があれば教えてください。

A
 利用にあたり、義務や条件が課されていないかどうかを十分にチェックすることが重要です。


澤田直彦

監修弁護士:澤田直彦
弁護士法人 直法律事務所 代表弁護士

IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を設立・運営しています。
本記事では、
「著作権フリーの素材を利用するときの注意点とは?」
について、詳しくご解説します。

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著作権フリーとは

著作権フリー、つまり、著作権がないものについては、利用した場合でも、著作権侵害とはなりません。

著作物が著作権フリーになるのは、著作者の死後50年間(TPP11発効後については死後70年間)が経過したなど、著作権の保護期間(存続期間)が満了した場合や、著作権者が著作権を放棄した場合などが考えられます。
著作権の放棄は、本人の意思でいつでも行うことができます。著作権を放棄する理由として多いものは、「自分の著作物を広く一般の人に利用してもらい、自分の考えや思いが広がってほしい」、「気軽に楽しんでほしい」というものです。
例えば、ネット上の百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」などが、著作権フリーの代表例です。

なお、著作権フリーとは異なり、一部については著作物とはならず著作権が生じないという場合もあります。例えば、百科事典や国語辞典の言葉の定義や用法をありふれた言葉で解説している部分は、著作物性の要件である【創作性】がなく、著作物として認められないことがあります。

著作権フリーを利用する際の注意点

著作権フリーという記載があるサイトの素材画像、音楽、イラスト、動画などの内容は、利用者が自由に複製して、自分のブログやSNSに掲載することができます。この際、著作権者の許諾は一切いりません。

ただし、著作権フリーといえども、全ての著作権を放棄していない場合もあります。そのため、利用規約を確認することが肝要です。よくある条件として、利用する際には「出典を記載すること」というものがあります。

また、著作者が、「著作者人格権を行使しません」等の意思を表示している場合もあります。しかし、著作者人格権は放棄することができないため、行使しないと表示があっても著作者は著作者人格権を有しています。そのため、著作者の氏名表示権や同一性保持権等の著作者人格権を尊重して、無用な改変などは行わないよう、注意が必要です。

著作権フリーと言った場合の利用制限には、以下のようなものがあります。

  • すべて放棄
  • 営利目的は不可
  • 改変可能、ただし報告必須
  • 改変不可
  • 出典明記義務
  • 利用可能、ただし報告必須
  • 二次配布禁止

などです。著作権フリーのサイト等を利用する場合には、どのような制限があるのか、しっかりと確認する必要があります。


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著作権フリーとして公開したい場合

Q.自身の作成したブログやSNS、画像などの内容を著作権フリーとして閲覧者に公開した場合、なにをすればいいのでしょうか。

➡A.
完全に著作権フリーとする場合は、「本ブログ(SNS)の著作権をすべて放棄します」という一文をブログに記載しておけばいいです。
一方で、営利目的に利用してほしくない、無断で改変はちょっと嫌だ、というように考えているようであれば、利用規約を作成し、制限や条件を設け、ブログに公開することが重要です。
ただ、長すぎる利用規約は、利用者に意図が性格に伝わらないというリスクも生じます。そこで、文化庁が提供している「自由利用マーク」というものを使うのも一つの手です。


自由利用マーク

自由利用マークとは

自由利用マークとは、著作物を創った人(著作者)が、自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に、その意思を表示するためのマークです。
どんな利用ができるかは、マークによって異なります。種類は3つで、以下の通りです。

①「プリントアウト・コピー・無料配布」OKマーク
②「障害者のための非営利目的利用」OKマーク
③「学校教育のための非営利目的利用」OKマーク

これらのマークを利用すると一目で制限の内容を伝え、一定程度事由に著作物の使用を認める、という目的を果たせます。

①コピーOK
➡「プリントアウト」「コピー」「無料配布」のみを認めるマークです。
変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案などは含まれません。そのまま「プリントアウト」「コピー」「無料配布」をする場合に限られます。
会社のパンフレットにコピーして配布することなどは,営利目的の利用ですが,無料配布であればできます。

②障害者OK
➡障害者が使うことを目的とする場合に限り、コピー、送信、配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマークです。
変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案なども含まれます。

③学校教育OK
➡学校の様々な活動で使うことを目的とする場合に限り、コピー、送信、配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマークです。
変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案なども含まれます。

マークを付ける時のポイント

マークを付けることができるのは、著作者です。未成年者の場合は親権者の同意が必要です。
また、マークの意味をよく理解することが大切です。マークによる意思表示をした場合、期限を付けることはできますが、原則として、後で取り消すことはできないので、注意しましょう。
他人の著作物にマークを付けることはできません。ホームページのような「編集物」の場合は、「全体」の著作者と個々の「部品」の著作者が異なる場合が多いので、マークは各「部品」ごとに付けることが必要です。

マークのある著作物を利用する時のポイント

マークの意味をよく理解していることが必要です。
利用の目的・方法が、マークが示す範囲内であるかをチェックしてください。
期限がある場合は、期限を過ぎると利用ができません。
著作者の名前が表示されている場合は、利用に際してもそれを記載することが求められます。
マークの位置が曖昧で、どの著作物に対してマークが付されているか分からない場合、著作者(著作権者が別であれば著作権者)に確認しましょう。

Q&A

Q.「フリーソフト(Free Software)」と「パブリックドメイン(Public Domain)」の違いはなんですか?

➡A.
まず、前提として、ソフトウェアは著作物です。そのため、ソフトウェアをインストールする等利用するためには、著作権者の許諾が必要です。
しかし、「フリーソフト」は、著作権者が、ソフトウェアの著作権を維持しつつ、利用者が無料で利用することを認めているソフトウェアです。無料で利用はできますが、著作権の保護期間は切れていませんし、著作権が著作権者により放棄されているわけでもありません。そのため、著作権者により、改変、頒布、商用利用などが制限されている場合もあります。使用許諾契約がついている場合には、そのコンテンツを利用すると当該契約に拘束されます。そのため、契約内容を事前にチェックすることが必要です。
一方で、パブリックドメインは、著作者が、著作権を放棄するなどして知的財産権が消滅している状態にあるソフトウェアのことをいいます。コピーや改変しても著作権侵害を理由として利用差し止めや損害賠償を請求されることはないため、誰もが自由に利用することができます。ただし、著作者人格権は残っていることも多く、同一性保持権の侵害など著作者人格権を侵害するような利用をしないよう、注意が必要です。
したがって、「フリーソフト」は、著作権者がいるという点で、いわゆる「パブリック・ドメイン」になっているソフトウェアとは違います。


Q.ネット上で「フリーソフト」を入手した際の注意すべき点はありますか。

➡A.
「フリーソフト」とは、一般に、著作権者が、利用者に無料で利用することを認めているソフトのことをいいます。
ただし、フリーソフトであっても、ライセンス契約で使用条件が付されている場合が多いため、使用前に条件をよく吟味することが必要です。どのような義務が利用者(ライセンシー)に課されているのか正確に把握するよう努めてください。
改変後のソースコードの公開義務や、商業目的での使用・再配布を禁止していることが散見されます。


Q.ウェブで公開されている「オープンソース・ソフトウェア(プログラム)(OSS)」を利用するときのポイントはありますか。

➡A.
オープンソースソフトウェア(Open Source Software)は、頭文字を取ってOSSと略されます。作成者がソースコードを無償で公開していて、利用や改変、再配布が自由に許可されているソフトウェアです。OSSは無償で自由に利用できるため、「フリーソフト」の1つですが、著作権者が著作権を有しています。そのため、著作権者がライセンス契約等で使用条件を設けている場合が多く 、使用前によく契約内容を把握してから使用する必要があります。義務や条件について必ずチェックしましょう。


Q.「GPL」とはなんでしょう。

➡A.
「GPL」は、GNU General Public Licenseの略称です。アメリカのフリーソフトウェアファウンデーション(FSF)という団体が作成したソフトウェアのためのライセンス条項のひな形であり、コピーレフト条項が設けられています。コピーレフトとは、著作物の自由な利用、改変及び再配布を認めるとともに、そこから派生した著作物についても、これらの行為を制限することを禁止するものです。コピーレフトの制限がついたOSSを改変したソフトウェアを開発し頒布・販売する場合、当該ソフトウェアの改変部分のソースコードを開示する義務を負います。(なお、自社の社内利用のためだけに使用する場合は開示は要求されません。)
ソフトウェアの著作権者は、ライセンス条項にGPLを使用する場合、「GPLに基づきライセンスを付与します」などの記載をすればいいとされます。


Q.フリーコンテンツとはなんでしょう。

➡A.
フリーコンテンツ (Free contents)は、オープンコンテントと類似した概念です。フリーコンテント (Free content) とも呼ばれます。ソフトウェア以外の自由にライセンスされた作品に対して使われます。これを受け取った人は、どのような目的でも使う許可が与えられて、複製や変更、変更された版の再配布が認められます。
ただし、このように表示されているからといって、実際に自由に無料で利用できるとは限りません。フリーコンテンツ=著作権フリーではない可能性があります。権利者に許諾を得ずに無断掲載しているコンテンツかもしれませんし、利用にあたって条件や義務がある場合もありますので、注意してください。

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