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投資契約の表明保証とは? 機能と違反時の責任を解説

Q
会社設立から5年目のスタートアップを経営しています。外部投資家から株式発行(エクイティ)による資金調達をする予定です。

先方から提示された最終の投資契約書のドラフトには「表明保証」という条項があり、会社だけではなく、経営株主である私も、会社の財務状況や法令遵守などについて広範な保証をすることを求められています。契約締結後に予期せぬ問題が見つかった場合、自分や会社がどのような責任を負うことになるのでしょうか。

また、どこまで詳細に情報を開示すべきか、契約交渉でどのような点に注意すれば良いのでしょうか。


A
投資契約における表明保証とは、会社や経営者株主が、会社の財務状況や事業内容などの一定の事項について「真実かつ正確である」ことを表明し、保証する条項です。投資契約のほか、株式譲渡契約などM&Aに関する契約でも用いられます。

しかし、表明保証条項は、ただ一定の事実関係について当該事項が真実かつ正確であることを約束しているにすぎません。そこで大事なのは、表明保証をした事実関係が真実ではなく、または不正確であった場合に、契約上どのような効果が生じるか、です。

通常、違反が判明した場合、損害賠償請求や株式買取請求(プット・オプション)、投資の実行前や株式譲渡の実行前であれば取引中止などが可能となる規定を設けるのが一般的です。

また、投資を受ける会社や創業者、経営株主は、「〇〇は重要な点において違反がない。」「売主の知る限りにおいて保証する。」など表明保証する対象範囲を限定する文言を入れるよう交渉し、さらに、事前に十分な情報開示を行うことがリスク軽減のポイントになります。


この記事では、投資契約における表明保証の法的な意味と機能・違反時のリスク・交渉のポイントについて、経済産業省のガイドラインや実務の観点から詳しく解説します。


澤田直彦

監修弁護士 : 澤田直彦
弁護士法人 直法律事務所 
代表弁護士

IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を設立・運営しています。

本記事では、「投資契約の表明保証とは?機能と違反時の責任」について、詳しくご説明します。

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投資契約における表明保証の意味と機能

投資契約における表明保証とは、投資判断の前提となる会社の情報や事実関係について、真実かつ正確であることを約束する条項を指します。

投資家は、会社から説明を受けた事業計画や財務状況などの情報に基づいて投資するか否かを判断するため、その前提となる情報に嘘や誤りがあれば投資判断自体が成り立ちません。そこで、投資家はこの条項を通じて、重要な情報が正しいことの保証を求めるのが一般的です。

この条項には、「違反があった場合に投資家を救済する機能」と「会社側に事前の正確な情報開示を促す機能」という2つの側面があります。外部投資家との投資契約では、表明保証条項を置くのが一般的です。

ただし、経済産業省の「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項(増補版)」において、日本における表明保証のあり方、特に主体や違反した場合の効果について、問題点が指摘されています。

会社情報の真実性を約束する表明保証の定義

表明保証とは、投資家が投資判断を行う前提となる情報や事実関係について、特定の時点において真実かつ正確であることを約束するものです。一般的には、「契約締結時点」「投資実行時点(払込期日)」の2つの時点が基準となります。

なお、会社側だけでなく投資家側も一定の事項について表明保証を行う場合がありますが、その対象範囲は会社側に比べて限定的であることがほとんどです。投資契約の性質上、投資判断の前提となる情報を提供するのは会社側であるため、会社側の表明保証事項が圧倒的に多くなるのは当然といえます。

違反時に投資家がとれる3つの救済策

表明保証違反(約束した情報が事実と異なること)が判明した場合、投資契約上どのような効果が生じるのでしょうか。

日本における一般的な投資契約では、多くの場合、以下の3つの効果が規定されます。

  • 投資実行の中止 (前提条件の未充足)
    投資実行までに表明保証に違反する事実が発生・判明した場合、投資実行を中止できるようにする規定
  • 損害賠償請求
    投資実行の前後を問わず、表明保証違反に伴って損害を被った場合に賠償を請求できる規定
  • 株式買取請求 (プット・オプション)
    投資実行後に違反が判明した場合、投資家が会社または創業者に対して株式を買い取るよう請求できる規定

実務上、投資契約の締結から払込み(投資実行)までの期間はそれほど長くないことが多いため、投資実行後の救済策(損害賠償やプット・オプション)の重要性が相対的に高くなる傾向があります。

リスク開示を促進する情報提供としての役割

表明保証には、違反時のペナルティという側面だけでなく、契約締結前に会社側の情報を正確に開示させる(情報提供を促進する)機能もあります。

なぜなら、会社は表明保証違反を避けるために、自社の状況を事前に精査し、できる限り正確な情報を提供する必要が生じるからです。実態と異なる点があれば、契約書の修正を申し入れたり、投資家に対して事前に申告(ディスクローズ)したりする必要性が生じます。

その結果、投資家は会社の問題点や正確な情報を把握でき、投資判断に反映させることが可能となります。特に米国では、この情報開示ツールとしての側面が強調されています。表明保証事項を幅広く設定し、事実と異なる場合にはすべて別紙に記載して詳細に開示するというアプローチが採られているのが特徴です。

表明保証の対象範囲と交渉のポイント

表明保証の対象となる項目は多岐にわたります。投資家は網羅的な保証を求める一方、会社側はリスク管理の観点から範囲を限定したいと考えるため、交渉上の重要なポイントとなることが少なくありません。

以下の表は、表明保証の対象となる主な事実関係のカテゴリと具体的な事例をまとめたものです。

カテゴリ 具体的な項目の例
会社の基礎的な事実関係 適法な設立 ・ 株式の状況 ・ 倒産手続の不存在
投資契約の締結 ・ 履行 契約締結の権限 ・ 法令や定款違反の不存在
事業 ・ 資産等の状況 計算書類の正確性 ・ 簿外債務の不存在 ・ 知的財産権の状況
コンプライアンス 法令遵守 ・ 紛争の不存在 ・ 反社会的勢力との関係不存在

スタートアップが表明保証する項目の具体例

表明保証の対象事項は会社の状況によって異なりますが、一般的に含まれる項目として「会社が適法に設立され有効に存続していること」「株式の発行状況」「財務諸表の正確性」などが挙げられます。これらは投資家が投資判断を行ううえで、基本的な前提となる情報だからです。

また、法令を遵守していることや反社会的勢力との関係がないこと、係争中の裁判がないことなど、事業継続に関わるリスク事項も対象となるのが一般的です。

これらの項目について事実と異なる場合は契約違反となるリスクがあるため、会社側は慎重に内容を確認した上で契約に臨む必要があります。

「重要な」 「知る限り」 等の文言による限定

会社側があらゆる法令違反などを完全に把握・保証することは現実的に難しい場合があります。

そこで、交渉によって表明保証の対象範囲を限定することが行われています。具体的には、「重要な法令等を遵守している」「重大な違反のおそれはない」といった重要性・重大性による限定が一つの方法です。

もう一つの方法として、「知る限り」「知り得る限り」といった主観による限定も用いられます。これは、会社として認識している範囲では違反がないことを保証するものです。

ただし、投資家側からすれば、会社の主観によってリスクが左右されることを許容できない場合も多いため、どの項目をどこまで限定するかは個別の交渉事項となります。

包括的に事項をカバーするキャッチオール規定

個別の項目を列挙するだけでなく、漏れを防ぐために包括的な保証を求める「キャッチオール規定」が設けられることもあります。

典型的には、「財務諸表に記載されていない重要な簿外債務は存在しない」「開示した情報に誤りがなく、誤解を与え得る事実の省略もなく、追加で開示が必要な情報で未開示のものは一切存在しない(完全開示)」といった規定が含まれます。

この規定により、個別のリストに含まれていない事項であっても、投資判断に影響を与える重要な事実については保証の対象となることになります。会社側としては、こうした包括的な規定のリスクを認識した上で、開示すべき事項を漏れなく確認することが求められます。

投資家の認識が違反に与える影響 (サンドバッギング)

契約締結時点で投資家がすでに表明保証違反の事実を知っていた場合、その違反を理由に会社を責めることができるのでしょうか。この問題は「サンドバッギング」と呼ばれ、M&Aや投資実務において議論されるテーマの一つです。

サンドバッギング(sandbagging)とは、本来は砂袋で不意打ちするという意味ですが、契約実務においては、知っていた違反を後から問題にすることを指しています。契約書でこの点が明確にされていない場合の法的解釈や実務上の傾向についても理解しておくことが重要です。

違反を知っていた場合に責任を問えるかという問題

投資家が表明保証違反の事実を知りながら契約を締結した場合(悪意)、または知らなかったことについて重大な過失があった場合(重過失)、表明保証違反を主張できないとする法的議論があります。

裁判例においても、悪意または重過失がある場合には原則として違反が認められない旨を示唆するものが存在しています。しかし、一般的にどのような扱いを受けるかについて明確な判断を示した裁判例は確認されていません。

そのため、実務上は契約書においてこの点を明示的に規定するケースが増えています。近時はスタートアップの投資契約においても交渉上しばしば見られる論点となっています。

「プロ ・ サンド」 と 「アンチ ・ サンド」 の規定の違い

投資家の認識に関わらず違反責任を問えるとする規定を「プロ・サンドバッギング(プロ・サンド)」と呼びます。反対に、投資家が違反の事実を知っていた場合には責任を問えないとする規定を「アンチ・サンドバッギング(アンチ・サンド)」と呼んでいます。

スタートアップへの投資においては、資金提供をする投資家側の立場が強いこともあり、投資家に有利なプロ・サンドが選択されることが多いようです。

一方、会社側としては、事前に情報を真摯に開示した以上、そのリスクを許容した上で投資してほしいと考えることも自然であり、アンチ・サンドを求めるケースもあり得ます。

表明保証とセットで定める誓約事項

事実関係を保証する「表明保証」とは別に、会社に対して特定の行動や禁止事項を義務付ける「誓約事項(コベナンツ)」も投資契約の重要な構成要素となっています。表明保証が「約束した時点の事実」に関するものであるのに対し、誓約事項は「将来の行動」に関する約束といえます。

コベナンツは、投資実行の前後で「プレ・クロージング・コベナンツ(投資前)」「ポスト・クロージング・コベナンツ(投資後)」に分類されるのが一般的です。

違反した場合には、表明保証と同様に投資中止・損害賠償・株式買取請求の対象となることがあります。

投資実行までの行動を縛る 「プレ ・ クロージング ・ コベナンツ」

プレ・クロージング・コベナンツとは、契約締結から投資実行(払込み=クロージング)までの間に会社が守るべき義務のことです。「クロージング前の義務」などと規定されることもあります。

具体的には、株式発行のために必要な株主総会決議等の手続を適法かつ有効に実施すること、善良な管理者の注意をもって事業運営・資産管理を行うこと、通常の業務範囲外の行為を行わないこと(オーディナリー・コース)などが挙げられます。

また、デューデリジェンスで判明した指摘事項の治癒や、株主総会・取締役会の議事録写しの提供など、投資家の投資判断に必要な情報・資料の提供が義務付けられることもあるでしょう。不測の事態が発生・判明した場合には投資家に通知し、場合によっては投資が中止されることもあり得ます。

資金使途などを縛る 「ポスト ・ クロージング ・ コベナンツ」

投資実行(クロージング)後の誓約事項として、調達した資金の使い道(資金使途)を限定する規定が設けられることがあります。これが、ポスト・クロージング・コベナンツ(クロージング後の義務)です。

投資家は単に会社の成長を期待して投資するのではなく、事前に説明を受けた事業計画等に基づいて投資判断を行っているため、その資金がどのように使われるかについて関心を持つのは自然なことといえます。

特にCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)のように、会社との事業上のシナジーを期待して投資する場合には、特定の事業への資金活用を求めたり、競合他社との取引や提携を制限したりすることがあります。会社側としては機動的な経営を阻害されないよう、過度な制限を避けるための交渉が必要です。

なお、株式譲渡によるM&Aの場合、クロージング後の誓約事項として、売主側は一定期間、同一または類似の業務を行わないことや、従業員などを勧誘しないことや退職を促さないこと、買主側は一定期間、売主側の会社の従業員の雇用と雇用条件を維持することなどの規定を置くことがあります。

契約違反時のペナルティと株式買取請求権

投資契約における義務違反(表明保証違反やコベナンツ違反)が発生した場合、主として投資家を救済するための具体的なペナルティが定められます。

一般的な損害賠償請求に加えて、日本のスタートアップ投資実務では「株式買取請求権(プット・オプション)」が比較的よく見られる規定となっています。

損害賠償だけでは救済されない実務上の課題

契約違反があった場合に損害賠償請求が可能であっても、投資家の手元には株式という財産的価値のあるものが残るため、通常は投資額全額の賠償には至りません。なぜなら、株式の発行や払込み自体をなかったことにすることができないからです。

また、損害賠償を会社に求めた場合、結果的に会社から資金が流出し、会社の企業価値が減少します。その結果、投資家が保有する株式の価値も下がってしまうため、賠償の実効性を確保しきれないという問題も生じます。

株式を買い取らせる 「プット ・ オプション」の機能

プット・オプションとは、重大な契約違反や表明保証違反があった場合に、投資家が会社または創業者等に対して、保有する株式を所定の価額で買い取るよう請求できる権利を指します。これは、一度投資を実行した後に事実上「投資を元に戻す」という強力な効果を持つ権利であり、日本では比較的一般的に採用されています。

プット・オプションが行使された場合の買取価格は、予め定めておくことが多いです。買取価格の算定方法は、双方にとって公平な金額となるよう、出資時の払込金額・直近の資金調達時の払込金額・直近の譲渡事例の価格・直近の1株あたり純資産額などをベースに決定されることが多いです。

なお、米国ではこのプット・オプションが規定されること自体が稀とされています。エクイティ投資はリスクマネーの供給であるというコンセプトが確立されており、投資実行後に「投資をなかったことにする」という考え方自体があまり想定されていないためです。

また、経済産業省がとりまとめている「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項(増補版)」では、向かうべき方向性として、株式買取請求権を設定しないことを挙げています。日本においても、株式買取請求条項を置かないという方向に向かう可能性があります。

投資契約の表明保証で経営者が特に注意すべきリスクとは

投資契約において資金調達を行う経営者は、表明保証に関して特有のリスクを認識しておく必要があります。

この章では、「投資実行後も続く責任リスク」「個人責任を負うケース」「デューデリジェンス不足によるリスク」について解説します。

投資実行後も続く損害賠償 ・ 買取請求リスク

投資が実行され新株発行をした後でも、契約上の表明保証違反が判明すれば損害賠償請求やプット・オプションの対象となる可能性があります。投資契約では通常、表明保証の存続期間(サバイバル期間)が定められており、その期間中は責任を負い続けることになるでしょう。

このリスクを軽減するためには、契約締結前に自社の状況を徹底的に精査し、違反となり得る事項については事前に投資家側に開示することが重要です。また、表明保証の対象範囲や責任の上限額、存続期間について適切に交渉することも有効な対策となります。

会社ではなく個人が責任を負うケース

実務上、プット・オプションの買取義務者には会社だけでなく、創業者等の経営株主が含められることが多いです。これは、日本の会社法上、自己株式の取得には株主総会の特別決議や財源規制があり、会社が買取請求に応じることが難しいケースがあるためです。

そこで、経営者個人が責任を負うリスクを十分に認識した上で、交渉において責任主体を会社のみに限定することを検討したり、責任の範囲を適切に限定したりすることが重要です。この点、経済産業省の「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項(増補版)」では、投資契約は経営株主個人の資金調達のための契約ではない等を理由に、表明保証の主体から経営株主個人を除く方向に向かうべきであるとしています。

また、次のような指摘もしており、今後は日本でも、経営株主の個人責任を追及する規定を置かない方向に進む可能性があると考えられます。

  • 経営株主個人による重大な背信行為をけん制する趣旨で経営株主に対する株式買取請求権を設定されている場合でも、投資家は株式買取請求権を濫用してはならない。
  • 発行会社が契約上の義務に違反した場合に、経営株主個人に連帯責任を課すのは株主有限責任の原則という株式会社制度の基本原則に反するものであって許容すべきではない。

ただし、「契約上連帯責任を課さない場合であっても、当該違反行為を経営株主個人の契約違反として整理することができる場合や、法令の根拠に基づき、経営株主個人に責任を追及することは可能である。」とあるとおり、一定の違反について経営株主個人の責任を追及することは可能と解されます。

情報開示不足による想定外の違反

表明保証に違反する事実が存在することを認識しないまま契約を締結し、事後的に違反が判明するケースがあります。これは、会社側が自社の状況を十分に把握できていなかったり、専門家のアドバイスを十分に受けられていなかったりすることが原因となることが少なくありません。

特にスタートアップのアーリーステージのようにリソースが不足している場合、表明保証の対象事項を精査する余裕がない場合もあります。しかし、違反が判明した場合の責任は決して軽くありません。

契約締結前に弁護士等の専門家の助言を得ながら、情報開示が十分になされているのか、表明保証の対象事項が適切か等について十分な確認を行うことが重要です。

なお、この点、投資家側が表明保証対象の事項が真実でないことに容易に気づけたはずなのに注意不足で見逃したような場合、重過失があったとして責任追及が制限される可能性もあります。

よくある質問 (Q&A)

FAQ in Würfeln

表明保証に関して、よく寄せられる質問とその回答を紹介します。

Q1. 投資家が表明保証違反を知っていた場合でも責任を追及できますか?

投資家が表明保証違反の事実を知りながら契約した場合、その違反を理由に責任を問うことができるかは、サンドバッギング条項の有無によって異なります。

契約書でプロ・サンドバッギングが規定されていれば、投資家の認識に関わらず責任を問うことができる可能性が高いです。最近の裁判例でもプロ・サンドバッギング規定の効力が肯定されたものがあります(東京地判令和3年6月18日)。

他方、アンチ・サンドバッギングが規定されていれば責任を問うことができないと考えられます。

また、契約書にサンドバッギング条項がない場合、裁判例によれば、悪意または重過失がある場合に違反が認められない可能性が高いようです。

Q2. 表明保証の「発行会社の知る限り」とは誰の知識ですか?

「発行会社の知る限り」という場合、通常は会社の代表権限を有する代表取締役社長が知っていれば会社が知っていたと評価されます。

他の役員や従業員が知っていたに過ぎない場合については、会社の規模や情報共有体制の実態によって評価が変わる可能性があります。この点を明確にするために、契約書で「誰」の認識を基準にするか定義を置くケースも見られますが、現状スタートアップへの投資段階でそこまで定めることはほとんどありません。

Q3. 違反が見つかったら投資は中止になりますか?

契約締結から投資実行(払込み)までの間に表明保証違反が発生・判明した場合、投資家は投資実行を中止できる可能性があります。これは、多くの投資契約では、表明保証違反の不存在を投資実行の前提条件(クロージング条件)として規定しているためです。

ただし、実務上は契約締結から払込みまでの期間がそれほど長くないことも多く、投資が中止されるケースは多くありません。そのため、投資実行後に表明保証違反が判明した場合の救済策(損害賠償やプット・オプション)が重要視されます。

投資契約 ・ 資金調達に関するご相談は、東京都千代田区直法律事務所の弁護士まで

表明保証は、投資判断の前提となる情報の正確性を担保する重要な条項であり、違反があった場合には損害賠償やプット・オプションなどの責任を負う可能性があります。

もっとも、表明保証の対象範囲が広すぎる場合や違反時のリスクが不明瞭な場合など、交渉上の課題が生じることも少なくありません。リスクを最小限に抑えるためには、契約締結前に内容を十分に精査し、弁護士などの専門家の助言を受けることが重要です。

直法律事務所においても、ご相談は随時受け付けておりますので、お困りの際はぜひお気軽にお問い合わせください。

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