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採用代行(RPO・BPO)は職業紹介に該当する?知らないと危険な職業安定法の境界線を解説

Q
採用代行(RPO)サービスを提供していますが、人材紹介の許可を取得していなくても問題ないのでしょうか?


A
採用代行(RPO)であっても、業務内容によっては、職業安定法上の「職業紹介」や「委託募集」に該当し、人材紹介事業の許可や届出が必要になる場合があります。許可なく該当業務を行った場合には法令違反となるリスクがあります。

もっとも、候補者の推薦や求職者と企業のマッチングに積極的に関与する場合には、実質的に「雇用関係の成立を媒介する行為」と評価される可能性があります。また、求職者に応募を働きかける業務を行う場合には、委託募集の許可や届出が必要になることもあります。

実務上は、「採用代行だから大丈夫」と考えていたビジネスモデルが、実際には職業紹介事業に該当していたというケースも少なくありません。行政指導や刑事罰の対象となる可能性もあるため、サービス設計の段階から職業安定法との関係を整理しておくことが重要です。


澤田直彦

監修弁護士 : 澤田直彦
弁護士法人 直法律事務所 
代表弁護士

IPO弁護士として、ベンチャースタートアップ企業のIPO実績や社外役員経験等をもとに、永田町にて弁護士法人を設立・運営しています。

本記事では、「採用代行(RPO・BPO)は職業紹介に該当する?知らないと危険な職業安定法の境界線」について、詳しくご説明します。

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採用代行ビジネスの拡大と法規制の問題

急増する「採用代行(RPO)」サービス

近年、急速に拡大している「採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)」とは、企業の採用活動の一部または全部を外部事業者が受託するサービスを指します。

具体的には、求人票の作成・応募者対応・面接日程の調整・候補者のスクリーニング・採用管理システムの運用などの多岐にわたる業務が含まれ、採用業務の効率化や人事部門の負担軽減を図ることを目的として利用されています。

一方で、採用代行ビジネスは、職業紹介事業や労働者派遣事業と隣接する領域にあり、その業務内容によっては職業安定法の規制対象となる可能性があります。

実務上は「採用代行だから問題ない」と考えて事業を開始しているケースも少なくありません。しかし、サービス内容によっては無許可の職業紹介事業と評価されるリスクがあるため、法的整理を行わないまま事業を拡大すると、大きなコンプライアンスリスクとなる可能性があります。

企業が誤解しやすい「人材紹介との違い」

採用代行ビジネスにおいて多い誤解が、「採用代行は人材紹介とは異なるサービスだから、職業紹介の許可は不要である」という理解です。

確かに、人材紹介会社は、求職者を企業に紹介し、採用が決定した場合に成功報酬を得るビジネスモデルであるのに対し、採用代行は、企業の採用業務を支援するBPOサービスとして位置づけられることが一般的です。このため、多くの事業者は両者を別のビジネスと認識しています。

しかし、職業安定法では、サービスの名称ではなく、実際に行っている行為の内容によって規制対象かどうかが判断されます。

例えば、採用代行事業者が求職者を企業に推薦したり、特定の候補者を採用するよう企業に働きかけたりする場合には、実質的に「求人者と求職者の雇用関係の成立を媒介している」と評価される可能性があります。この場合、厚生労働大臣の許可を受けていなければ、職業紹介事業に該当し、違法となるおそれがあります。

したがって、「採用代行」「採用支援」「RPO」といった名称であっても、実際の業務内容によっては職業紹介事業と評価される可能性がある点に注意が必要です。

実務で問題になる典型的スキーム

採用代行ビジネスでは、業務内容によっては職業紹介事業と評価される可能性があります。特に、求職者と求人企業のマッチングに関与しているとみられる場合には注意が必要です。

例えば、以下のような事業内容は、職業紹介事業と評価されるリスクがあります。

  • 採用代行事業者が候補者を企業に推薦する
    ⇒ 求職者と求人企業のマッチングに関与していると評価される可能性
  • 採用代行事業者が応募者を「採用」「不採用」と振り分ける
    ⇒ 実質的に雇用成立の媒介行為と評価される可能性
  • 成功報酬型の採用支援サービス
    ⇒ 人材紹介ビジネスと非常に近い構造を持つため、サービス内容によっては職業紹介事業と判断される可能性

このように、採用代行ビジネスは、その業務内容が採用事務の代行にとどまるのか、それとも人材のマッチングに踏み込んでいるのかによって、法的評価が大きく変わる可能性があります。

なぜ職業安定法の問題が生じるのか

採用代行ビジネスにおいて職業安定法の問題が生じるのは、同法が労働市場における仲介ビジネスを厳格に規制しているためです。

職業安定法では、求職者と求人企業の間に立つ人材ビジネスについて、求職者の保護や労働市場の公正性を確保する観点から、一定の事業に許可制や届出制を採用しています。

その背景には、労働市場において仲介事業者が過度に介入することで、求職者に対する不当な手数料徴収や、虚偽の求人情報の提供などが生じるおそれがあるという問題意識があります。

また、歴史的には「労働者供給」と呼ばれる事業形態が、労働者の自由意思を無視した労働や中間搾取を生むおそれがあるとして問題視されてきました。このため、職業安定法では、原則として労働者供給事業を禁止するなど、労働市場における仲介行為を強く規制しています。

採用代行ビジネスは、こうした人材ビジネスと業務領域が重なりやすいため、サービス内容によっては職業安定法の規制対象となる可能性があるのです。

職業安定法の基本構造

人材ビジネスの主要類型

職業安定法および関連法令では、労働市場に関わる人材ビジネスをいくつかの類型に分類しており、類型ごとに法的な位置づけや必要となる許可・届出制度が異なります。

代表的なものとしては、以下のような類型があります。

  • 職業紹介事業
    求人企業と求職者の雇用関係の成立を媒介する事業であり、厚生労働大臣の許可が必要です。
  • 労働者派遣事業
    派遣元企業が雇用する労働者を派遣先企業の指揮命令下で働かせる事業であり、労働者派遣法に基づく許可が必要です。
  • 募集情報等提供事業
    求人サイトのように、求人情報を掲載・提供する事業であり、原則として届出制度によって管理されています。

このほかにも、委託募集や労働者供給などの類型が存在しますが、それぞれ法的な整理や適用される規制が異なります。

許可 ・ 届出制度の全体像

人材ビジネスに関する主要な制度は、次のように整理することができます。

類型 主な内容 必要な手続き
職業紹介 求職者と求人企業の雇用成立を媒介 厚生労働大臣の許可
労働者派遣 雇用した労働者を他社に派遣 派遣事業許可
募集情報提供 求人情報の掲載 届出
委託募集 他社のために労働者募集を行う 許可または届出
労働者供給 他人の指揮命令下で働く労働者を供給 原則禁止

このように、人材ビジネスはその内容によって「許可が必要なもの」「届出で足りるもの」「原則として禁止されているもの」に分かれています。もしサービス設計を誤れば、知らないうちに無許可の職業紹介事業を行っていたり、違法な労働者供給に該当してしまう可能性もあります。

そのため、自社のサービスがどの類型に該当するのかを正確に理解し、事前に法的整理を行ったうえで、適法なスキームを構築することが極めて重要です。

「採用代行」はどこまで合法か

合法な採用代行の典型例

採用代行ビジネスが、直ちに職業安定法の規制対象となるわけではありません。

企業の採用活動に関する事務作業を代行するにとどまる場合には、通常、職業紹介事業には該当せず、適法に行うことができます。

例えば、以下のような業務については、いずれも採用活動の事務的支援・補助にとどまるため、通常は職業紹介事業には該当しません。

・ 求人票の作成支援
・ 求人媒体への掲載代行
・ 応募者からの問い合わせ対応
・ 企業と応募者の面接日程の調整
・ 応募者管理システム(ATS)の運用 等

このように、採用代行サービスが適法に行えるかどうかは、求人企業の採用活動を支援する業務にとどまっているかどうかが重要な判断ポイントとなります。

違法になりやすい業務内容

採用代行ビジネスが職業紹介事業に該当するかどうかは、サービスの名称ではなく、実際の業務内容に基づいて判断されます。

特に、採用代行事業者が求職者と求人企業のマッチングに直接関与し、雇用関係の成立に実質的に関与している場合には、職業紹介事業と評価されるリスクがあります。

例えば、以下のような業務は、単なる採用事務の代行を超え、職業紹介事業に該当する可能性があります。

・ 独自の候補者データベースから企業に候補者を推薦する
・ 求職者を探索し、企業に紹介する
・ 企業に対して、特定の候補者の採用を働きかける
・ 応募者を選考し、採用候補者として選別して提示する
・ 求職者と企業の間に立って条件交渉を行う
・ 採用成功時にのみ報酬を受け取る成功報酬型の仕組みを採用する

職業紹介事業と判断されないための注意点

職業紹介事業に該当するかどうかは、報酬の有無によって決まるわけではありません。職業安定法上は、報酬の有無にかかわらず、求人企業と求職者の間に立って雇用関係の成立を媒介していれば、職業紹介事業に該当する可能性があります。

そのため、月額固定型の採用支援サービスであっても、候補者の推薦や選考への関与など、実際の業務内容によっては職業紹介事業と評価される可能性があります。

また、無許可で職業紹介事業を行った場合には、刑事罰の対象となる可能性もあります。さらに、労働者供給のように労働者を他人の指揮命令下で働かせる仕組みについては、労働者保護の観点から原則として禁止されています。

そのため、採用代行ビジネスを展開する事業者は、自社サービスが単なる採用業務の代行にとどまるのか、職業紹介事業に該当する可能性があるのかを、事前に検討する必要があります。

特に、候補者の推薦・選考への関与・成功報酬型の報酬体系などが組み合わさる場合には、無許可の職業紹介事業と評価されるリスクが高まるため、ビジネスモデルの設計段階から慎重な法的検討が求められます。

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「委託募集」

採用代行ビジネスの法的整理を行う際には、職業紹介事業だけでなく「委託募集」に該当するかどうかにも注意が必要です。

委託募集とは

「委託募集」とは、企業が労働者を雇用するために行う募集活動を外部の第三者に委託して行わせる形態のことをいいます。

企業が自社で求人情報を掲載したり、求人広告を出したりする場合には、特別な許可は必要ありません。一方で、企業が自社の従業員ではない第三者に募集活動を委託する場合には、委託募集の対象となる可能性があります。

そのため、採用代行サービスが職業紹介事業には該当しない場合であっても、企業の採用活動そのものを代行している場合には、委託募集として許可または届出が必要となる可能性があります。

委託募集に該当しやすいケース

例えば、以下のような場合は、委託募集に該当する可能性があります。

・ 外部の採用支援会社が求職者に対して応募を勧誘する
・ 就職説明会を開催し、応募を募る
・ 求職者に直接アプローチし、応募を促す
・ 求人情報を説明し、応募を勧める

これらは、企業の募集活動を第三者が代行していると評価される可能性があります。

一方で、以下のような企業の採用活動を補助するだけの業務は、通常は委託募集には該当しないと考えられます。

・ 求人広告の作成
・ 応募者管理システムの運用
・ 面接日程の調整 等

このように、採用代行サービスが委託募集に該当するかどうかは、求職者に対して応募を勧誘する行為を行っているかどうかが重要な判断ポイントとなります。

職業紹介事業との違い

職業紹介事業が、求職者と求人企業の雇用関係の成立を媒介する行為であるのに対し、委託募集は企業の採用活動の一部を第三者が代行して行う形態です。

そのため、求職者を企業に紹介するような行為は職業紹介事業に該当する可能性がありますが、企業の採用活動を代行して応募を募る行為は委託募集として整理されることがあります。

採用代行ビジネスは、業務内容によってはこの両者の境界に位置することも多く、サービス設計を誤ると職業紹介事業や委託募集の規制に抵触する可能性があります。

委託募集の許可 ・ 届出制度

委託募集については、職業安定法において一定の規制が設けられており、原則として許可または届出が必要となります。これは、企業の採用活動を第三者が行う場合、求職者に対して不適切な勧誘が行われるおそれがあるためです。

また、委託募集を行う場合には、求職者に対する適切な情報提供や労働条件の明示など、一定の義務が課されています。このような制度は、求職者が適切な情報に基づいて就職先を選択できるようにすることを目的としています。

例えば、労働者の募集を行う者や募集受託者は、求職者に対して、従事すべき業務内容・賃金・労働時間などの労働条件を明示する義務を負うとされています。

なお、委託募集に該当するにもかかわらず必要な手続きを行っていない場合には、職業安定法違反となる可能性があります。

「募集情報等提供事業」

採用代行ビジネスの法的整理を行う際には、「募集情報等提供事業」との違いを理解しておくことも重要です。

募集情報等提供事業とは

「募集情報等提供事業」とは、求人企業の募集情報や求職者情報を整理し、インターネットを通じて提供する事業のことをいいます。

近年は、求人サイト・求人プラットフォーム・スカウトサービスなど、インターネットを通じて求人情報や求職者情報を提供するビジネスが急速に拡大しており、これらは、職業安定法上、募集情報等提供事業として位置づけられる場合があります。

これらの事業は、求職者と企業の雇用関係の成立を直接媒介するものではなく、あくまで情報提供機能を担うものと整理されています。そのため、職業紹介事業のような許可制度ではなく、届出制度によって管理されています。

募集情報等提供事業に該当しやすいケース

例えば、以下のようなサービスは、募集情報等提供事業に該当する可能性があります。

・ 求人情報を掲載する求人サイト
・ 求職者のプロフィールを掲載する人材データベース
・ 求人と求職を検索できるマッチングプラットフォーム 等

これらのサービスは、求職者と企業の雇用関係の成立に直接関与するものではなく、あくまで情報提供の機能を担うものと整理されています。

もっとも、募集情報等提供事業についても、求職者保護の観点から一定の規制が設けられており、不適切な情報提供や虚偽情報の掲載は禁止されています。また、一定の情報開示義務や適正運営義務も課されています。

職業紹介事業との違い

募集情報等提供事業と職業紹介事業を区別する上で、最も重要なポイントとなるのが「マッチング行為の有無」です。

募集情報等提供事業では、事業者は求人情報や求職者情報を提供するにとどまり、特定の求職者を企業に推薦したり、企業に対して特定の求職者の採用を勧めたりすることは、通常行いません。求職者が応募するかどうか、企業がスカウトするかどうかは、基本的に当事者の判断に委ねられます。

これに対し、職業紹介事業では、事業者が求職者と企業の間に立ってマッチングを行い、雇用関係の成立を媒介します。

そのため、単に求人情報を掲載するだけでなく、特定の求職者を企業に推薦したり、企業に対して採用を促したりする場合には、情報提供の範囲を超えて、職業紹介行為と評価される可能性があります。

「労働者供給」

採用代行ビジネスを検討する際には、職業紹介事業だけでなく「労働者供給」に該当しないかという点にも注意が必要です。

労働者供給とは

「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令の下で労働させることをいい、職業安定法において原則として禁止されているため、違反した場合には刑事罰の対象となる可能性があります。

典型的には、ある事業者が自ら管理する労働者を別の企業に送り込み、その企業の指揮命令の下で働かせるような形態を指します。

もっとも、同様の三者関係であっても、労働者派遣法に基づく許可を受けた事業者による労働者派遣は、適法に行うことが可能です。一方、派遣許可を受けていない事業者が労働者を他社の指揮命令下で働かせるような場合には、違法な労働者供給に該当する可能性があります。

また、違法な労働者供給に該当する場合には、労働者を送り出した側だけでなく、受け入れた企業側も違反となる可能性があり、重大なコンプライアンスリスクとなります。

業務委託との境界

採用BPOや人事BPOなどの業務委託サービスでは、労働者供給との境界が問題になることがあります。

例えば、ある企業が外部事業者に採用業務や人事業務を委託し、その事業者の従業員が委託先企業のオフィスで業務を行うケースがあります。この場合、形式上は業務委託契約であっても、実態として委託先企業がその従業員に対して直接指揮命令を行っている場合には、労働者供給や偽装請負と評価される可能性があります。

業務委託契約が適法に成立するためには、受託事業者が自らの責任と指揮命令の下で業務を遂行していることが必要です。

そのため、委託先企業が直接作業指示を出したり、勤務時間や業務内容を細かく管理したりしている場合には、業務委託ではなく労働者供給と評価されるリスクが高まります。

無許可労働者供給のリスク

無許可の労働者供給が行われた場合、事業者には重大な法的リスクが生じます。

主なリスクとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 労働者供給事業を無許可で行うこと自体が職業安定法違反となること
  • 違法な労働者供給事業から供給された労働者を、自らの指揮命令の下で働かせた企業側についても、職業安定法違反となる可能性があること
  • 違反が認定された場合、刑事罰の対象となる可能性があるほか、行政指導や業務停止などの行政対応が行われる可能性もあること
  • 違法な労働者供給が問題となった場合、企業のコンプライアンス体制に対する社会的評価にも大きな影響を与える可能性があること

そのため、RPOビジネスを展開する企業にとっては、自社のビジネスモデルが労働者供給に該当しないかどうかを慎重に検討することが重要となります。

採用BPO企業が陥りやすい違法スキーム

採用代行ビジネスは、業務内容によっては職業紹介事業・委託募集・労働者供給などに該当する可能性があります。

実務では、採用BPO企業が意図せずにこれらの規制に抵触してしまうケースも少なくありません。

応募者推薦型の採用支援

採用代行サービスの中には、応募者管理や面接日程調整だけでなく、候補者の推薦を行うものがあります。

例えば、採用代行事業者が候補者のスクリーニングを行い、企業に対して「この候補者が適している」と推薦するような場合、求職者と企業のマッチングに関与していると評価されれば、職業紹介事業に該当する可能性があります。

候補者データベース販売

近年、求職者データベースを構築し、企業に対して候補者情報を提供するビジネスも増加しています。

企業がデータベースを閲覧して求職者に直接連絡を取る場合には、募集情報等提供事業として整理される可能性があります。

一方で、事業者が特定の候補者を推薦したり、採用を促したりする場合には、情報提供の範囲を超えて職業紹介事業と評価される可能性があります。

成果報酬型採用支援

採用成功時にのみ報酬を受け取る成果報酬型の採用支援サービスも、注意が必要です。

成果報酬型のビジネスモデルは、人材紹介会社の報酬体系と非常に近いため、業務内容によっては実質的に職業紹介事業と評価される可能性があります。

フリーランス人材マッチング

近年、フリーランス人材を企業に紹介するマッチングサービスも増えています。

フリーランス人材の場合、雇用契約ではなく業務委託契約が締結されるため、直ちに職業紹介事業に該当するとは限りませんが、実態として企業の指揮命令の下で労働している場合には、労働者派遣や労働者供給の問題が生じる可能性があります。

違反した場合のリスク

無許可の職業紹介事業や違法な労働者供給が認定された場合には、刑事罰や行政処分の対象となる可能性があります。

また、コンプライアンス違反が公表された場合には、企業の社会的信用や採用活動、取引関係にも大きな影響が生じる可能性があります。

そのため、採用代行ビジネスを展開する企業や、採用代行サービスを利用する企業にとっては、事前にビジネスモデルの法的整理を行うことが重要です。

企業が取るべきコンプライアンス対策

採用代行(RPO)や採用BPOのビジネスは、職業紹介事業・委託募集・募集情報等提供事業・労働者供給など複数の制度の境界に位置することが多く、サービス内容によっては職業安定法の規制対象となる可能性があります。

そのため、採用代行ビジネスを展開する企業や採用代行サービスを利用する企業にとっては、サービス設計の段階からコンプライアンスを意識した仕組みを構築することが重要となります。

サービス設計段階でのリーガルチェック

採用代行ビジネスの法的リスクは、ビジネスモデルの設計段階で既に決まっている場合も少なくありません。

例えば、注意が必要なケースとしては、以下のようなものがあります。

  • 採用代行事業者が候補者の推薦を行う
    ⇒ 職業紹介事業に該当する可能性
  • 求職者への応募を勧誘する
    ⇒ 委託募集に該当する可能性
  • 外部企業の指揮命令の下で労働者を働かせる
    ⇒ 労働者供給の問題が生じる可能性

このような問題は、事業開始後に修正することが難しい場合も多いため、サービス設計の段階で、自社のサービス内容がどの制度に該当する可能性があるのかを整理しておくことが重要です。

契約書 ・ 業務範囲の整理

採用代行ビジネスにおいては、契約書の内容や業務範囲を明確に整理しておくことも重要です。

例えば、形式上は業務委託契約であっても、実態として求人企業が受託事業者の従業員に対して直接指揮命令を行っている場合には、労働者供給や偽装請負と評価される可能性があります。

また、契約書において、以下のような点を明確にしておくことで、職業紹介事業との境界を整理しやすくなります。

  • 求職者の紹介や推薦を行わないこと
  • 雇用関係の成立を媒介する行為を行わないこと

さらに、提供する業務の範囲についても、適法に行いやすい業務と注意が必要な業務を整理しておくことが重要です。

■ 適法に行いやすい業務
・ 求人票の作成
・ 求人媒体の運用
・ 応募者管理
・ 面接日程の調整

■ 注意が必要な業務
・ 候補者の推薦
・ 採用判断への関与
・ 求職者への応募勧誘

また、求人情報の掲載やデータベースの提供にとどまるサービスであれば、募集情報等提供事業として整理される可能性があります。一方で、事業者が求職者と企業のマッチングに関与する場合には、職業紹介事業と評価される可能性があります。

このように、どこまでの業務を行い、どこから先は行わないのかを、契約書などで明確にしておくことが重要です。

許可取得の検討

採用代行ビジネスの中には、ビジネスモデルの性質上、職業紹介事業に該当する可能性が高いものも存在します。

例えば、候補者の探索・推薦・採用マッチングなどをサービスの中核としている場合には、職業紹介事業の許可を取得することにより、合法的に業務を行うことが可能となります。また、企業に対しても、コンプライアンスを確保したサービスであることを示すことができるというメリットがあります。

そのため、採用代行ビジネスを設計する際には、無理に職業紹介事業に該当しない形にサービスを設計するのではなく、必要に応じて許可取得を検討することも重要な選択肢となります。

採用代行ビジネスに関するご相談は、東京都千代田区直法律事務所の弁護士まで

採用代行(RPO)や採用BPOのビジネスは、業務内容によって、職業紹介事業・委託募集・募集情報等提供事業・労働者供給などに該当する可能性があります。

特に重要なのは、「採用代行」という名称ではなく、実際にどのような業務を行っているかによって法的評価が決まるという点です。

弁護士法人直法律事務所では、採用代行ビジネスにおいて、「職業安定法」「労働者派遣法」「労働者供給規制」「個人情報保護法」の観点から、ビジネスモデルの適法性レビューを行っています。

「自社サービスが職業紹介事業に該当するか分からない」「現在のビジネスモデルに行政指導のリスクがないか確認したい」といった場合には、弁護士へ相談することをお勧めします。

直法律事務所においても、ご相談は随時受け付けておりますので、お困りの際はぜひお気軽にお問い合わせください。

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