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弁護士コラム
遺言書作成の弁護士費用相場はいくら?内訳や他士業との比較も解説
- 家族信託・遺言書作成
- 投稿日:2026年09月25日 |
最終更新日:2026年10月01日

この記事でわかること
・ 弁護士に依頼する遺言書作成の費用相場と料金の仕組み
・ 司法書士や行政書士との比較でわかる、弁護士に依頼すべきケース
・ 相続トラブルを未然に防ぐための、信頼できる弁護士の選び方
監修:弁護士法人直法律事務所 代表弁護士 澤田 直彦
2009年 弁護士登録
2018年 弁護士法人直法律事務所 開業
相続・不動産・企業法務を中心に取り扱い、相続に関する相談を年間100件以上対応。
遺産分割・遺留分・相続登記・生前対策など、幅広い相続問題の解決に取り組んでいます。
目次
遺言書作成を弁護士に依頼した場合の弁護士費用相場は10万~20万円が目安
遺言書の作成を弁護士に依頼した場合の弁護士費用の相場は、一般的に10万円から20万円程度が目安です。
ただし、この金額はあくまで基本的なケースの相場であり、遺産の総額、財産の種類、相続人の数、遺言内容の複雑さなどによって弁護士費用は変動します。
特に、相続トラブルを未然に防ぐための詳細な条項を盛り込む場合は、相場よりも高くなる傾向があります。
まずは自身の状況を弁護士に相談し、見積もりを取ることが重要です。
定型的な内容の遺言書を作成する場合の費用感
相続人が配偶者と子どものみで、財産も預貯金や自宅不動産といったシンプルな構成の場合、定型的な内容の遺言書を作成する際の弁護士費用相場は10万円から15万円程度です。
この場合、弁護士の作業は遺言者の意思を法的に有効な形で文書に落とし込むことが中心となります。
比較的争いになる可能性が低い事案向けの基本的なプランで、多くの法律事務所がこの価格帯での弁護士費用を設定しています。
複雑な財産分与や相続トラブル防止を重視する場合の費用感
相続人が多い、相続人同士が不仲、事業承継が絡む、特定の相続人に財産を多く残したいなど、将来の紛争リスクが高い複雑なケースでは、弁護士費用も高額になります。
この場合の相場は概ね20万円から40万円以上です。
弁護士は単に遺言書を作成するだけでなく、遺留分対策や遺言の有効性を担保するための証拠保全(動画撮影など)といった、高度な法的サービスを提供します。
そのため、トラブル防止を重視するほど弁護士費用は上がる傾向にあります。
作成する遺言書の種類(公正証書・自筆証書)による費用の違い
弁護士に依頼する場合、作成する遺言書の種類が「公正証書遺言」か「自筆証書遺言」かによって、作成に必要となる費用総額が異なります。
弁護士報酬自体の相場に大きな差はありませんが、公正証書遺言を作成する際は、弁護士費用とは別に公証役場へ支払う「公証人手数料」が必須だからです。
この公証人手数料は遺産の価額に応じて数万円から数十万円かかるため、結果的に公正証書遺言の方が費用の総額は高くなります。
ただし、その分、遺言が無効になるリスクが極めて低く、家庭裁判所での検認も不要という大きなメリットがあります。
なお、「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の違いについては、別記事「自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言 それぞれ詳しく解説」にて詳しく解説しておりますので、ぜひご参照ください。
弁護士に支払う遺言書作成費用の主な内訳
弁護士に遺言書の作成を依頼した際にかかる費用は、単一の料金ではなく、いくつかの項目で構成されています。
一般に、遺言書作成に関する費用としては、弁護士に相談するための「法律相談料」、遺言書作成作業そのものへの対価である「遺言書作成手数料」、そして手続きに際して発生する「実費」があります。通常、法律相談料は遺言書作成を依頼した後には不要となります。また、実費は遺言書作成手数料には含まれません。
さらに、死後に遺言内容を実現する行為の一切を依頼する場合は、後に「遺言執行者の報酬」も発生します。
これらの内訳を理解することで、見積書の内容を正しく把握し、納得して依頼できます。
法律相談料:初回は無料で対応する事務所も
法律相談料は、遺言書作成を正式に依頼する前に、弁護士に法的なアドバイスを求める場合にかかる費用です。
相場は30分あたり5,000円から1万円程度ですが、近年では依頼者獲得のために初回相談を無料で対応する法律事務所が増えています。
この機会を活用すれば、作成費用に関する疑問や自身の状況を整理し、複数の弁護士を比較検討することが可能です。
直法律事務所でも、相続に関わるお悩みの初回法律相談は60分無料となっておりますので、まずは一度お気軽にご相談ください。
遺言書作成手数料:弁護士報酬の中心となる基本料金
遺言書作成手数料は、遺言内容のヒアリング、法的な有効性の検討、文案の作成、必要書類の収集支援、公証人との打ち合わせといった一連の作業に対する基本料金です。実費は別途必要になります。
多くの事務所では、事案の難易度に応じて10万円から30万円程度の定額制を採用しています。
この手数料が、遺言書作成費用の大部分を占めることになります。
遺言執行者の報酬:死後の手続きを任せる場合の追加報酬
遺言執行者とは、遺言者が亡くなった後にその遺言内容を実現するために必要な一切の行為をする人のことです。
弁護士を遺言執行者に指定した場合、遺言書作成費用とは別に、遺言を執行する際の報酬が発生します。
この報酬は遺言作成時に支払うものではなく、相続発生後に遺産の中から支払われるのが一般的ですが、作成の契約段階で報酬額や算定方法を定めておくことが多いです。
遺言執行者の報酬については「遺言執行者の報酬はいくら?決め方は?誰が払う?専門家に依頼した時の相場を弁護士が解説!」で詳しく紹介しています。
実費:公証役場の手数料や戸籍謄本などの取得費用
実費とは、弁護士の報酬とは別に、手続きを進める上で必要となる費用のことです。
具体的には、公正証書遺言を作成する際の公証人手数料、相続人を確定するための戸籍謄本や除籍謄本の取得費用、不動産の登記事項証明書の取得費用、証人を依頼した場合の日当、交通費などが含まれます。
これらの費用は依頼者が負担するため、総額の作成費用を考える上で見落とせません。
【内容別】直法律事務所が提供する遺言書作成プランと費用シミュレーション
多くの法律事務所では、依頼者のニーズや予算に応じて、複数の遺言書作成プランを用意しています。
シンプルな内容から、将来の紛争防止策や相続税対策まで含んだ包括的なものまで様々です。
ここでは、直法律事務所が提供するサービス内容に応じた費用シミュレーションを紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせることで、必要な作成費用のおおよその相場が把握できます。
ケース1:定型的な遺言書を作成するシンプルなプラン(手数料15万円)
財産内容が預貯金や不動産など比較的シンプルで、相続人間の関係も良好な場合に適したプランです。
弁護士は、依頼者の希望をヒアリングし、定型的な遺言書を法的に有効となるよう作成します。
この場合の作成費用は10万円から20万円が目安です。
基本的な内容であっても、専門家の手で間違いない確実なものを作成したい場合に利用されるサービスです。
ケース2:将来の紛争防止策まで講じる安心プラン(手数料40万円~)
相続人間で意見の対立が予想される場合や、遺留分への配慮が必要な場合に適したプランです。
後日、遺言の有効性が争われることを防ぐため、遺言作成時の動画撮影や、遺留分を侵害しないような財産分配の計算などがサービスに含まれます。
専門家による紛争予防策を講じるため、作成費用は40万円からが目安となります。
ケース3:相続税対策まで見据えたフルサポートプラン(手数料100万円~)
遺産総額が大きく相続税の発生が見込まれる場合や、遺言者の判断能力について将来争われるリスクがある場合に最適なプランです。
遺言の有効性を最大限確保するための医師による鑑定書取得や、相続税対策として税理士など外部の専門家と連携したサポートが含まれます。
法務・税務両面からのフルバックアップとなり、作成費用は100万円(税込110万円)からが目安です。
ただし、医師による鑑定書作成などの外部専門家の費用は別途必要となりますので、ご注意ください。
注意点:遺産の総額に応じて手数料が加算される料金体系もある
これまで紹介した定額プランとは別に、遺産の総額に応じて手数料が変動する料金体系を採用している事務所もあります。
これには、旧日本弁護士連合会報酬等基準を参考に、「経済的利益の額」に応じて報酬を算出する方法などがあります。
この場合、遺産総額が大きくなるほど作成費用も高くなります。
契約前には、定額制なのか、あるいは遺産額に応じた変動制なのか、料金体系を必ず確認することが重要です。
見落としがちな「遺言執行費用」とは?作成料とは別に発生する報酬
遺言執行費用は、遺言書の「作成費用」とは異なり、遺言者が亡くなった後に発生する報酬です。
これは、遺言の内容を実現するために遺言執行者が行った業務に対する対価であり、相続財産の中から支払われます。
遺言書を作成する段階で弁護士を遺言執行者に指定した場合、将来この費用が発生することを念頭に置く必要があります。
遺言書作成についての弁護士費用と混同しないよう注意が必要です。
遺言執行者が担う具体的な役割と手続き
遺言執行者は、相続開始後に遺言内容をスムーズに実現するため、中立的な立場で多岐にわたる職務を遂行します。
具体的には、相続人の調査・確定、全相続人への就任通知、相続財産の目録作成と管理、預貯金の解約や名義変更、不動産の相続登記手続きの代行、そして最終的な各相続人への財産分配などを行います。
これらの複雑な手続きを、相続人に代わって責任を持って進める重要な役割を担います。
遺言執行費用の相場と計算方法の例
遺言執行費用の相場は、対象となる遺産総額の1%から3%程度に設定されることが一般的です。
多くの事務所では、最低報酬額として30万円程度からと定めている場合もあります。
例えば、遺産総額が5,000万円の場合、報酬額の相場は50万円から150万円程度となります。
この費用は遺言書の作成費用とは別に発生するため、弁護士に遺言執行まで依頼する場合は、総額のコストとして把握しておくことが不可欠です。
弁護士・司法書士・行政書士で比較する遺言書作成の費用と業務範囲
遺言書の作成(支援)は、弁護士だけでなく司法書士や行政書士にも依頼できます。
しかし、それぞれの専門家で対応できる業務範囲と作成費用が異なります。
単に費用の安さだけで選ぶのではなく、それぞれの士業が持つ法的な権限や専門性を理解し、自分の状況に最も適した専門家を選ぶことが、後々のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。例えば、遺言無効確認請求訴訟など特殊な状況への対応は、弁護士でなければ対応できないため、弁護士に依頼する必要があります。
遺言無効確認請求訴訟については「遺言無効確認請求訴訟について弁護士が解説!費用や期間についても」で詳しく紹介しています。
司法書士に依頼する場合の費用と可能な業務
司法書士に遺言書作成を依頼する場合の費用は、5万円から15万円程度が相場です。
司法書士は登記の専門家であるため、不動産の名義変更を見据えた遺言書の作成を得意とします。
遺言書の文案作成や公正証書遺言の作成支援も可能です。
ただし、相続人間で既に紛争が発生している場合や、将来の紛争解決を目的とした代理交渉を行うことは法律で禁じられています。
行政書士に依頼する場合の費用と可能な業務
行政書士に依頼する場合の費用は、3万円から10万円程度が相場で、3つの士業の中では最も安価な傾向にあります。
行政書士は官公署に提出する書類作成の専門家であり、遺言書の文案作成支援や、作成に必要な戸籍謄本の収集、公証役場との連絡調整といった事実証明に関する書類作成業務が中心となります。
司法書士と同様に、紛争性のある案件への介入はできません。また、司法得書士と異なり、登記申請の代理はできません。
費用が高くても弁護士に依頼すべき3つのケース
作成費用だけを比較すると司法書士や行政書士に分があります。形式的に有効な遺言書を作成したいというだけであれば、司法書士や行政書士に依頼するのがよいでしょう。しかし、将来の相続トラブルを予防し、万が一紛争が起きた際にも対応できる包括的なリーガルサービスを求める場合には、弁護士への依頼をおすすめします。
以下に挙げる3つのケースでは、弁護士に依頼することを強く推奨します。
相続人間でトラブルになる可能性がある
相続人同士の仲が悪い、特定の相続人に他の相続人より多く財産を相続させたい、前妻の子や内縁の配偶者がいるなど、相続関係が複雑で将来トラブルに発展する可能性が高いケースでは、弁護士に遺言書作成を依頼することをおすすめします。
弁護士であれば、過去の裁判例などを踏まえて紛争の火種となりうる点を予測し、できる限り争いになることを避ける形で遺言書を作成するなどの工夫ができます。
そして、万が一トラブルが発生した場合でも、弁護士であれば、代理人として交渉や調停、訴訟に対応することが可能です。
不動産や非上場株式など複雑な遺産が含まれる
遺産に複数の不動産や非上場株式、事業用資産などが含まれる場合、その評価や分割方法が複雑になりがちです。
弁護士は、税理士や不動産鑑定士といった他の専門家と連携しながら、法的な観点から最も適切で公平な財産の分け方を提案できます。
特に事業承継を伴う遺言書作成は、会社法などの専門知識も必要となるため、弁護士の知見が不可欠です。
遺言者の意思能力について将来争われるリスクがある
遺言者が高齢である、あるいは認知症などの病気を患っている場合、死後に一部の相続人から「遺言作成時に正常な判断能力(意思能力)がなかったため無効だ」と主張されるリスクがあります。
弁護士に依頼すれば、作成時に医師の診断書を取得したり、公証人や弁護士とのやり取りをビデオで撮影したりするなど、遺言の有効性を法的に担保するための予防策を講じるなどの対応が可能です。
遺言書作成の依頼で失敗しない弁護士の選び方
遺言書の作成を依頼する弁護士を選ぶ際は、弁護士費用だけでなく、その弁護士が持つ専門性や実績、そして自分との相性も重要な判断基準となります。
大切な財産と想いを託す相手だからこそ、複数の視点から慎重に検討することが、後悔のない遺言書作成につながります。
ここでは、依頼で失敗しないための3つのポイントを解説します。
相続問題に関する解決実績が豊富かを確認する
弁護士にはそれぞれ得意な専門分野があります。
そのため、遺言書作成を依頼する際は、必ず相続問題、特に遺言・相続対策に関する取り扱い実績が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。
法律事務所のウェブサイトで、具体的な解決事例や年間の相談件数が公開されているかを確認しましょう。
料金体系が明確で、事前に見積もりを提示してくれるか
費用に関するトラブルを避けるためにも、料金体系がウェブサイトなどで明確に公開されている事務所を選びましょう。
また、正式に依頼する前には、自分のケースでは総額でどの程度の費用がかかるのか、詳細な見積もりを提示してもらうことが大切です。
見積もりの内訳が分かりやすく、追加費用が発生する条件などについても丁寧に説明してくれる弁護士は信頼できます。
要望を丁寧にヒアリングし、親身に対応してくれるか
遺言書は、法的に有効であることはもちろん、遺言者自身の「想い」を正確に反映したものでなければなりません。
そのため、こちらの話をじっくりと聞き、専門的な内容も分かりやすい言葉で説明してくれる、コミュニケーションの取りやすい弁護士を選ぶことが大切です。
初回相談などを利用して、親身になって相談に乗ってくれるかどうか、その人柄や相性も確かめましょう。
よくある質問(Q&A)
ここでは、遺言書作成の弁護士費用に関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で回答します。
弁護士に公正証書遺言の作成を依頼すると、費用は総額でいくらになりますか?
法律事務所によって異なりますが、一般的に弁護士費用は最低でも10万~20万円ほどかかります。それに加え、公証人手数料や戸籍謄本取得などの実費がかかります。
例えば遺産5,000万円を1人に相続させる場合、弁護士費用15万円、公証人手数料6万2千円、その他実費を合わせて総額20万円以上が目安となります。
ただし、弁護士費用は遺産総額だけではなく、事案の複雑さによっても変動します。
遺言書作成の弁護士費用を安く抑える方法はありますか?
初回の無料相談を積極的に活用し、複数の事務所から見積もりを取って比較検討することが有効です。
また、事前にご自身の財産目録や相続関係図を作成するなどして、遺産や相続人を整理しておくことで、弁護士の作業負担が減り、結果的に費用を抑えられる可能性があります。
司法書士と弁護士では、遺言書作成の費用やサービスはどう違いますか?
費用は司法書士の方が安価となる傾向がありますが、対応できる業務範囲が異なります。
司法書士は登記手続きの専門家であり、相続トラブルの代理交渉はできません。
一方、弁護士は将来の紛争予防から、万が一トラブルが発生した際の代理交渉や訴訟まで一貫して対応できる点が最大の違いです。
まとめ
遺言書作成を弁護士に依頼する際の弁護士費用の相場は、10万円から20万円が目安ですが、遺言内容の複雑さや財産額によって変動します。
費用には相談料や作成手数料が含まれているものの、実費は別となっていることが多いようです。また、死後の手続きを担う遺言執行を依頼する場合は後に別途報酬が必要となります。
司法書士や行政書士と比較すると高額ですが、相続トラブルの予防や複雑な財産分配を希望する場合など、将来の紛争リスクが高い場合には、弁護士に依頼するメリットが大きくなります。
弁護士を選ぶ際は、費用だけでなく相続分野での実績や料金体系の明確さ、担当者との相性を総合的に判断することが重要です。
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将来の紛争を防ぐため、ご希望に応じて作成時の動画撮影や医師の鑑定書取得にも対応します。また、必要に応じて税理士などと連携し、相続税対策まで見据えた提案も可能です。
遺言書作成サービスについては「直法律事務所の遺言書作成」で詳しく紹介しています。
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