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弁護士コラム

相続における使途不明金の税務調査とは?相続税の申告漏れと追徴課税のリスクを解説

遺産分割のトラブル
投稿日:2025年12月23日 | 
最終更新日:2025年12月23日

Q
父の相続税申告を済ませましたが、申告準備の過程で父の預金口座から多額の使途不明金が見つかりました。弟は「父の生活費や医療費に使った」と説明していますが、領収書などがなく詳細がわからないまま申告してしまいました。

この使途不明金が原因で税務調査が入るのではないか、また申告漏れを指摘されて重加算税などの追徴課税を課されるのではないかと不安に感じています。使途不明金は、税務調査においてどのように扱われるのでしょうか。
Answer
使途不明金は、相続に関する税務調査で特に注目される項目の一つです。使途が証明できない預金の引き出しは、その内容によって「みなし贈与」として贈与税の対象となる場合や、「不当利得返還請求権」として相続税の対象となる場合などがあります。

税務署は使途不明金を遺産隠しや相続税回避の可能性があるものとして重視するため、適切な証明ができない場合は申告漏れと判断され、追徴課税のリスクが生じることになります。重要なのは、使途を証明できる資料を可能な限り収集し、必要に応じて修正申告を行うことです。

この記事では、使途不明金がどのような場合に課税対象となるのか、税務調査で指摘されやすいポイント、そして申告漏れと判断された場合のペナルティについて解説します。

監修:弁護士法人直法律事務所 代表弁護士 澤田 直彦

使途不明金に関する正しい知識を身につけることで、税務調査や追徴課税のリスクに適切に備えることができます。
 
本記事では、相続における使途不明金の税務上の取り扱いと、税務調査で問題視されやすいポイントを詳しく解説します。相続税申告を控えている方や、使途不明金に不安を感じている方は、ぜひご参照ください。

目次

使途不明金が税務調査で問題視される理由

相続における使途不明金とは、被相続人の預貯金から引き出された金銭のうち、使途や行方が不明なものを指します。

税務署が使途不明金を重視する背景には、遺産隠しや相続税回避の可能性があるためです。使途不明金は相続税と贈与税の両面から課税リスクがあり、適切な説明ができない場合は申告漏れとして追徴課税の対象となる可能性があります。

税務署が使途不明金を重視する背景

税務署は相続税の適正な徴収を目的として、被相続人の預貯金の動きを詳細に調査しています。特に被相続人が亡くなる前後の大きな出金は、遺産隠しや相続税回避の手段として用いられる可能性があるため、重点的にチェックされるポイントです。

使途不明金の存在は、適正な相続税申告がなされていない可能性を示唆する兆候として、税務署に捉えられます。

相続税の税務調査では、被相続人の過去の取引も調査対象となります。金融機関に保管が義務付けられている10年分の預貯金の取引記録も、通常精査されます。その中で使途が不明な出金が発見されると、税務署は相続人に対してその使途の説明を求めるでしょう。

説明できない場合や証拠資料がない場合、その金額は課税対象として扱われる可能性が高まります。

相続税・贈与税の両面からの課税リスク

使途不明金は、その性質によって相続税または贈与税の対象となります。

被相続人が生前に預貯金を引き出して相続人に渡していた場合で、扶養義務の履行として交付していた場合や被相続人のための支出をしたなどの相当の理由がある場合を除き、「みなし贈与」として贈与税が課される可能性があります。

一方、親族や第三者が、被相続人の生前に了解なく預貯金を引き出して私的に使用していた場合は、被相続人が「不当利得返還請求権」を取得し、この請求権が相続財産に含まれ、相続税の対象となります。

このように、使途不明金は単に「使途が分からない」というだけでなく、税法上どのように扱われるかによって課税関係が大きく変わります。そのため、使途不明金の実態を正確に把握し、適切に申告することが重要です。

調査対象になりやすい典型事例

税務調査で特に問題視されやすい使途不明金の典型的なパターンは、以下のとおりです。

  • 被相続人の死亡直前や直後に多額の現金が引き出されているケース
  • 被相続人の預貯金残高が想定よりも少なく、その減少理由が不明なケース
  • 生前に多額の生活費や医療費を支払ったと主張するものの、領収書などの証拠がないケース

これらのようなケースでは、税務署は使途の詳細な説明と証拠資料の提出を求めてくる可能性があります。適切な説明ができない場合、使途不明金は課税対象として扱われ、追徴課税のリスクが高まります。

相続における使途不明金と税務上の問題点

相続手続きにおいて、被相続人の預貯金から引き出された使途不明金は、税務上重要な問題となります。

使途不明金の内容や引き出しの経緯によっては、贈与税の対象となる場合と相続税の対象となる場合があり、それぞれ適切な税務処理が求められます。

具体的には、使途不明金が「みなし贈与」に該当すると判断される場合は贈与税が課される一方、第三者が被相続人の預貯金を無断で引き出して私的に使用した場合には、「不当利得返還請求権」として相続財産に含まれ、相続税の課税対象となります。

このような使途不明金の税務上の取扱いを正しく理解することは、適切な相続税申告につながり、税務調査や追徴課税のリスクを軽減する上でも重要です。

使途不明金に対する税務上の基本的な考え方

使途不明金に対する税務上の判断は、「誰が引き出したのか」「その資金がどのような目的で使用されたのか」といった具体的な事情に基づいて行われます。税務署は、使途不明金の実態を詳細に調査した上で、「みなし贈与」として贈与税を課すべきか、それとも「相続財産」として相続税を課すべきかを判断します。

もっとも、使途不明金が存在するという事実のみで直ちに課税されるわけではなく、使途不明金がみなし贈与または相続財産に該当すると認められる場合に限り、課税の対象となります。

「みなし贈与」として贈与税が課税される場合

みなし贈与とは、民法上の贈与契約には当たらないものの、税負担の公平性の観点から「贈与があった」とみなされ、贈与税の課税対象となる行為を指します。

贈与の意図が明確でない場合であっても、相続税法3条乃至9条に基づき、以下のような場合などにみなし贈与が成立する可能性があります。

  • 財産を無償で譲り受けたり、対価を支払わないで利益を受けたりした場合
  • 著しく低い価格で財産の譲渡を受けた場合
  • 借金を負担してもらったり、借金を免除してもらったりした場合

使途不明金との関連では、主に財産を無償で譲り受けたり、対価を支払わないで利益を受けたりした場合が問題となります。具体的には、被相続人が預貯金を引き出して相続人や第三者に渡し、受け取った者がそれを自分のために使用した場合、みなし贈与に該当する可能性があります。

ただし、被相続人が預貯金を引き出して相続人に渡した場合でも、扶養義務の履行として渡した場合など、相応の理由が認められるときには、相続人が不当に利益を受けたものとは言えません。

また、相続人が預貯金を引き出して受け取った場合でも、被相続人のためにそれを支出・使用したときには、相続人が利益を受けたとは言えず、みなし贈与には当たらないと考えられます。

「不当利得返還請求権」として相続税が課税される場合

親族や第三者が被相続人の了解を得ずに預貯金を引き出し、私的な用途に費消した場合、その引出額は相続税の課税関係において重要な問題となります。

この場合、預貯金が引き出された時期に応じて、相続税上の取り扱いは以下のように整理されます。

  • 被相続人の生前に預貯金が引き出された場合

被相続人は預貯金を引き出した者に対して不当利得返還請求などを有しており、この権利は相続により相続人に承継されます。そのため、この不当利得返還請求権は相続税の課税対象となり、相続税申告書に計上する必要があります。
相続人は引出者に対して、別途、民法上の不当利得返還請求権または不法行為に基づく損害賠償請求権を行使し、その回収を図ることになります。

  • 被相続人の死亡後に預貯金が引き出された場合

被相続人の死亡時点において、預貯金は相続人全員の準共有状態にあります。この預貯金が不当に使用されたことになるため、各相続人は当該引き出しを行った者に対して不当利得返還請求権などを取得します。そのため、被相続が死亡した時点の預貯金残高が相続財産として相続税の課税対象となります。

また、被相続人の生前に、被相続人や相続人が被相続人の預貯金を引き出し、遺産隠しや相続税回避の目的でこれを隠匿したような場合には、通常の使途不明金とは異なり、より悪質な「使途秘匿金」として取り扱われます。

使途秘匿金は、本来的な遺産であるとして相続税の課税対象財産に含まれ、当初の相続税申告が意図的な過少申告であったと判断された場合には、重加算税などの追徴課税を負担させられる場合があります。

相続税申告と税務調査の実務

使途不明金がある場合、相続税申告をどのように進めるべきか、また税務調査に発展した場合にどのように対処すべきかは、多くの相続人が直面する重要な課題です。適切な対応を行うことで、税務調査や追徴課税のリスクを最小限に抑えることができます。

相続税申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。この期間内に使途不明金の実態をできる限り解明し、適切に申告書へ反映させることが重要です。

また、申告後に使途不明金が課税対象であることが判明した場合は、修正申告が必要となります。

使途不明金がある場合の相続税申告書の書き方

使途不明金がある場合の相続税申告では、その実態に応じて適切に申告書に計上する必要があります。

その場合、使途不明金の内容に応じて、以下の3つのパターンに分けて考えます。

① 遺産隠し(使途秘匿金)の場合

被相続人の生前に、被相続人が預貯金を引き出して遺産隠しなどの目的でタンス預金にして隠匿していた場合や、相続人が被相続人の預貯金を引き出して相続税回避の目的で相続人が保管していた場合などは、使途不明金というよりも使途秘匿金といわれるもので、悪質性を問われかねません。

これらは本来の遺産に含まれるものとして相続税申告するべきです。相続税申告書上、「現金」「預託金」などに当たる遺産として計上することになります。

② 生活費などで領収書がない場合

被相続人の預貯金を、被相続人あるいは親族が引き出して、被相続人の生活費・医療費などに充当したが、そのことを証明する領収書がない場合には、被相続人の生活費・医療費などに充当したことを示す間接的な帳票や推計資料などをできる限り集める必要があります。

引き出した預貯金を被相続人の生活費・医療費などに充当していたとすれば、本来、その部分は遺産から外れるものとして取り扱われます。どの部分が遺産から外れるのか、どの部分は遺産に加えるべきかなどの判断が難しい場合には、専門家である税理士などのアドバイスを受けることが望ましいでしょう。

③ 第三者による無断引き出しの場合

親族や第三者が被相続人の了解を得ずに預貯金を引き出して、親族や第三者の私的な用途に費消してしまったことが明確なケースは、被相続人の財産が不当に使われた状態です。

この場合、被相続人が民法上の不当利得返還請求権ないしは不法行為損害賠償請求権を取得しており、この請求権(債権)が相続財産となります。そのため、この債権を相続課税財産として計上します。

申告漏れが発覚した場合の修正申告とペナルティ

相続財産として現存する財産について相続税申告を行い、申告期限も経過した後に使途不明金の存在が発覚し、相続課税財産として追加する必要が生じた場合、どのような手続が必要となるのでしょうか。

このようなケースは、いわゆる「申告漏れ」といわれ、修正申告をする必要があります。修正申告とは、納税者が本来払うべき税額よりも少なく納税していた場合に、申告期限後に相続税額の増額修正として「相続税申告書」を修正する手続きです。

修正申告の実務上のポイント

  • 「修正申告書」に加え、必要に応じて追加書類も税務署に提出する
  • 修正申告書には訂正前の金額と訂正後の金額を記載する
  • 提出期限や修正回数に特段の制限はない

修正申告をすると、追加で納める税金について延滞税が生じます。延滞税は、本来の納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課され、納期限から2か月以内とそれ以降では税率が異なり、2か月を超えると高い税率が適用されるため、早期に修正申告と納付を行うことが重要です。

修正申告に伴う主なペナルティ

修正申告には、以下のようなペナルティが課される可能性があるため注意が必要です。

  • 過少申告加算税
  • 不申告加算税(無申告の場合)
  • より税率の高い重加算税(意図的な申告漏れなど悪質と認定される場合)

税務調査で指摘されやすいポイントと対処法

相続税申告については、申告数のおよそ20%程度につき税務調査が行われ、そのうち多くは、何らかの申告漏れの指摘を受けて追徴課税が課されているのが実情です。

一般的に、以下のようなケースは税務調査が入りやすいと言われています。

  • 遺産の規模が大きい
  • 現預金の出入りが激しい
  • 家族名義の資産が多い
  • 名義預金や生前贈与が多い
  • 申告書に不備がある
  • 税理士に依頼せず自己申告している

税務調査が入る場合は、その時期としてはおおむね申告の翌年または2年後で、その時期が過ぎれば、通常、税務調査が入ることは少なくなるようです。

仮に税務調査が入るときは、相続税申告書の内容や証拠資料などを再度しっかりと確認・点検した上で、税務当局からの質問にできる限り誠実に答えるよう努めましょう。

税務調査の流れと対応のポイント

税務調査は事前の通知から始まり、実地調査、そして調査結果の通知という流れで進みます。各段階で適切に対応することで、不必要な追徴課税のリスクを軽減できる可能性もあります。

ここでは、税務調査の流れと各段階での対応のポイントを解説します。

調査通知から実地調査までの手順

税務調査は通常、以下の手順で進められます。

  1. 事前通知
    税務署から電話または書面で調査実施の通知があります。調査日時・場所・調査対象となる税目・期間などが伝えられます。
  2. 準備期間
    通知から実地調査まで通常1~2週間程度の準備期間があります。この間に申告書・証拠資料・関連書類を整理しましょう。
  3. 実地調査
    税務調査官が相続人の自宅または税理士事務所を訪問し、書類の確認や質問を行います。調査期間は、通常1日~数日程度です。
  4. 追加資料の提出
    調査中に追加の資料提出を求められることがあります。速やかに対応しましょう。
  5. 調査結果の通知
    調査終了後、申告漏れがある場合は修正申告の勧奨が行われ、問題がない場合はその旨が通知されます。

立会い時に注意すべき点

税務調査の立会い時には、以下の点に注意が必要です。

  • 質問には正直に答える
    虚偽の説明は重加算税の対象となる可能性があります。分からないことは分からないと正直に答えることも大切です。
  • 余計なことは言わない
    質問されたことにのみ答え、不要な情報まで提供する必要はありません。
  • 記録を取る
    調査官の質問内容と自分の回答を記録しておくことで、後日の確認に役立ちます。
  • 専門家を同席させる
    税理士などの専門家に立ち会ってもらうことで、適切な対応が可能になります。
  • 即答を避ける
    不確かなことは即答せず、確認してから回答すると伝えることも重要です。

「誠実回答」のコツと調査官への説明の仕方

税務調査官は、納税者が誠実に対応しているかどうかを注意深く観察しています。誠実な対応は、調査官との信頼関係を築き、調査をスムーズに進める上で重要です。誠実回答のコツは、まず質問の意図を正確に理解することです。

不明な点があれば、質問の趣旨を確認してから回答しましょう。また、回答する際は、事実に基づいて簡潔かつ明確に説明することが重要です。推測や憶測で答えることは避け、確実な情報のみを提供するようにしましょう。

証拠資料がある場合は、それを提示しながら説明することで説明の信憑性が高まります。領収書・通帳のコピー・医療費の明細など、使途を証明する資料は積極的に提示してください。ただし、資料の提示を求められていない段階で過剰に資料を提供する必要はありません。

税務調査において専門家に相談すべきタイミング

使途不明金に関する税務調査は複雑で専門的な知識が必要となるため、適切なタイミングで専門家に相談することが重要となります。弁護士や税理士といった専門家の助言を得ることで、税務調査や追徴課税のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

修正申告前に相談すべき理由

使途不明金が発覚し、修正申告が必要と判断した場合、申告書を提出する前に専門家に相談することが望ましいでしょう。修正申告は一度提出すると撤回が困難であり、不適切な申告をしてしまうと、かえって税務署の疑念を招く可能性があります。

専門家に相談することで、使途不明金が本当に課税対象なのか、どの税目(贈与税か相続税か)で申告すべきか、適用できる控除や特例はないかなど、適切な判断ができます。また、修正申告書の作成方法や添付すべき資料についても助言を得ることが可能です。

特に、使途不明金の金額が大きい場合や、税務署から指摘を受ける前に自主的に修正申告を行う場合は、専門家のサポートを受けることで、ペナルティを最小限に抑えることができるでしょう。

税務署との交渉を弁護士が行うケース

税務調査において、使途不明金が「不当利得」として扱われる場合など、民事上の法律問題が絡むケースでは、弁護士が税務署との交渉を行うことがあります。特に、相続人間で使途不明金の責任について争いがある場合や、第三者による不正な引き出しが疑われる場合は、弁護士の関与が不可欠です。

弁護士は、法的な観点から使途不明金の性質を分析し、税務署に対して適切な主張を行います。また、重加算税の賦課決定に不服がある場合、異議申立てや審査請求といった不服申立手続きを代理することも可能です。

さらに、使途不明金に関連して相続人間で民事訴訟が必要となる場合(不当利得返還請求訴訟など)も、弁護士が代理人として対応します。税務問題と民事問題が複雑に絡み合うケースでは、弁護士の専門的な支援が重要となるでしょう。

専門家の連携(弁護士×税理士)の重要性

使途不明金の問題は、税務と法務の両面から対応する必要があるため、弁護士と税理士の双方のサポートを受けることが理想的です。税理士は税務申告や税務調査対応の専門家であり、弁護士は法律問題や紛争解決の専門家です。両者が協力することで、包括的かつ効果的な解決策を提供できるでしょう。

例えば、税理士が使途不明金の税務上の取り扱いを判断し、修正申告書を作成する一方で、弁護士が不当利得返還請求権の行使や相続人間の調整を行うという役割分担が可能です。また、税務調査において法的な争点が生じた場合、税理士と弁護士が共同で対応することで、より説得力のある主張ができます。

よくある質問(Q&A)

使途不明金の税務上の取り扱いについて、よくある質問とその回答をまとめました。

Q
使途不明金は、必ず贈与税か相続税の対象になりますか?
Answer
使途不明金があるからといって、それだけで当然に贈与税や相続税が課税されるわけではありません。あくまでも使途不明金がみなし贈与や相続財産に該当する場合において、課税の対象となります。

例えば、被相続人が自分で預貯金を引き出して自分で使用したのであれば、そもそも使途不明金ではありません。また、被相続人が引き出して相続人や第三者に渡したとしても、扶養義務の履行として渡した場合など、相応の根拠のある場合には、不当に利益を与えたものとは言えず、課税対象外です。

重要なのは、使途不明金の実態を正確に把握し、それが税法上どのように扱われるかを判断することです。判断が難しい場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
Q
被相続人の生活費に使ったことを証明できれば、課税されませんか?
Answer
被相続人の預貯金を被相続人の生活費・医療費などに使用したことが証明できれば、その部分は遺産から除外され、課税対象とはなりません。

いざというときのために、領収書・レシート・診療明細書などの証拠資料を保管しておきましょう。しかし、これらの資料が一切ない場合でも、間接的な資料(例えば、介護施設の入居時期と費用の推定・医療機関への通院記録など)や、被相続人の生活状況から推計した支出額を示すことで、ある程度の証明は可能です。

税務署は、提出された資料と説明の合理性を総合的に判断します。証拠資料が不十分な場合、完全に課税を免れることは難しいかもしれませんが、一部について使途を説明できれば、その範囲で遺産から除外される可能性があります。
Q
税務調査はどのような場合に来やすいですか?
Answer
税務調査は、「遺産規模が大きい場合」「預貯金の出入金が頻繁で内容が不明瞭な場合」「名義預金や生前贈与が多い場合」「申告書に不備がある場合」などに実施されやすい傾向があります。

相続税申告全体の約20%程度に税務調査が実施されていますが、適切に申告していれば心配する必要はありません。

東京都千代田区の相続に強い弁護士なら直法律事務所

使途不明金に関する問題は、税務と法務の両面から専門的な対応が求められます。領収書などの証拠資料が不十分な場合でも、対応の仕方によっては課税リスクを軽減できる可能性があります。

また、税務調査への対応や修正申告の判断には、専門家の助言が不可欠です。使途不明金でお困りの方や、相続税申告・税務調査に不安がある方は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。適切な対応により、不必要な追徴課税を回避し、相続手続きを円滑に進められる可能性が高まります。

直法律事務所では、相続分野に精通した弁護士が、案件の内容に応じて税理士と連携し、税務上の問題と法律上の問題の両面から適切な解決策を提案いたします。使途不明金に関するお悩みをお持ちの方は、まずは一度ご相談ください。

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