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弁護士コラム

遺産分割の4つの方法と3つの手続きとは?メリット・デメリット・注意点を解説!

遺産分割のトラブル
投稿日:2024年06月14日 | 
最終更新日:2024年07月24日
Q
いざ実際に遺産を分けるとなると、公平性の観点からなかなか難しい問題があると思います。遺産の分け方には具体的にどのような方法があるのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットについて教えてください。

また、相続人間で遺産相続について話しあうことが難しい場合にはどうしたらよいのでしょうか?遺産分割の手続について教えてください。
Answer
遺産の分割方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4種類があります。

・現物分割:遺産一つ一つを各相続人に振り分けたり、遺産自体を分けてそれぞれを相続人に振り分ける分割方法。
・代償分割:一部の相続人が遺産を取得し、他の相続人に代償金を支払う方法。
・換価分割:遺産を売却等することで換金し、その代金を相続人間で分割する方法。
・共有分割:遺産を複数の相続人で共有名義として分割する方法。

また、遺産分割の手続には、遺産分割協議、遺産分割調停、遺産分割審判の3種類があります。

・遺産分割協議:相続人全員での話合い
・遺産分割調停:家庭裁判所の調停委員の関与のもとで相続人全員での話合い
・遺産分割審判:家庭裁判所の決定により解決

この記事では、遺産の分割方法の詳細やメリットやデメリットについて、また、遺産分割の手続や流れについて詳しく解説していきます。

遺産分割の基礎知識

遺産分割とは

遺産分割とは、亡くなった人の死亡時にあった財産(遺産)について、それぞれ誰に帰属させるのか確定させる手続です。

亡くなった人の遺産は、原則として、いったん相続人全員の共有となっています。ただ、共有状態のままだと、財産の有効活用が難しく、トラブルが生じがちです。そこで、個々の遺産について、各相続人の単独所有にするなど、最終的な帰属を確定するのが遺産分割なのです。

遺言書の存否

遺言書の有無によって遺産分割の要否が異なります。そのため、最初の手順としては、遺言書の有無を確認する必要があります。

遺言書がある場合、遺産の分割方法は遺言の指示を優先するのが原則です。ただし、遺言が遺留分を侵害する場合には、遺留分侵害額の請求の対象となります。

また、相続人全員の合意があれば、遺言と異なる分割方法を定めることも可能です。ただし、相続人以外の人に遺産を渡す等の遺言がある場合、相続人だけで遺言と異なる分割方法を定めることはできない点、注意が必要です。

遺言書を確認する方法

では、どのように遺言書を見つけるのでしょうか。

遺言書は、遺品を整理している段階で見つかることもあります。また、故人が生前に付き合いのあった弁護士や信託銀行があれば問い合わせて見つかる場合もあります。

このような、故人自身や弁護士等が保管している遺言書は、自筆証書遺言秘密証書遺言といい、家庭裁判所で検認の手続が必要となります。

また、公証役場で公正証書遺言を利用している可能性もあるので、公証役場に問い合わせをして見つかる場合もあります。公正証書遺言の場合、家庭裁判所での検認は不要です。なお、遺言者が死亡したからといって自動的に相続人に公正証書遺言がある旨の通知は来ません。そのため、相続人自ら問い合わせをする必要があるのです。

さらに、故人が法務省の自筆証書遺言保管制度を利用していることも考えられます。自筆証書遺言保管制度を利用している場合も、家庭裁判所での検認は不要です。ただ、この場合も、原則として、遺言者が死亡したからといって相続人に遺言書が保管されている旨の連絡は来ません。そのため、法務局(遺言保管所)に問い合わせをする必要があります。

しかし、遺言者が希望して手続をとっていれば、遺言書保管官が遺言者死亡の事実を確認した場合、遺言者が指定する者に遺言書が保管されている旨の通知がされます(指定者通知)。なお、遺言者死亡後に関係相続人等が遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けた場合にはすべての関係相続人に対して、遺言者が遺言書保管所に保管されている旨の通知がされます(関係遺言書保管通知)。

遺産分割協議が禁止する契約の有無

遺産分割協議は、相続開始後、いつでもすることが可能ですが、相続人間で遺産分割協議を禁止する契約をした場合にはそれに従う必要があります。詳しくは別記事「遺産分割協議の期限は10年?改正民法や相続登記の義務化についても」で解説していますのでご参照ください。

遺産分割の手続(3種類)

では、遺言書がない場合や、遺言があるものの相続人全員の合意により遺言と異なる分割方法を定める場合、遺産分割はどのような方法で行うのでしょうか。

遺産分割の手続には次の3種類があります。

  • 遺産分割協議:相続人全員での話合い
  • 遺産分割調停:家庭裁判所の調停委員の関与のもとで相続人全員での話合い
  • 遺産分割審判:家庭裁判所の決定により解決

この手続は、原則として、まず(1)遺産分割協議をし、合意できない場合には(2)遺産分割調停をします。この遺産分割調停でも合意できない場合に(3)遺産分割審判をするという順で行われます。

では、遺産分割協議や遺産分割調停、遺産分割審判がどのような流れで行われるのか、どのようなタイミングで手続を移行していくのかみていきましょう。

遺産分割協議の流れ

遺産分割は、相続人全員で遺産分割協議をして行います。

遺産分割協議をするためにまず必要となるのは、①相続人の範囲②遺産の範囲を確定することです。

その後、③各遺産が金銭に換算するといくらの価値があるのか評価をし、④特別受益や寄与分を確定して各相続人が取得すべき額を確定し、⑤遺産をどのように分割するのか確定し、遺産分割協議書を作成するのが一般的流れです。

なお、家庭裁判所で行う遺産分割調停でも、基本的にこのような流れで運営されています。

①相続人の範囲

遺産分割協議をするためには、まず誰が相続人なのかを確認しなければなりません。

相続人を確定するために、被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本等(除籍謄本、原戸籍謄本など)及び相続人全員の戸籍謄本が必要です。また、被相続人の兄弟姉妹や甥姪が相続人となる場合には、被相続人の父母それぞれの出生から死亡までの連続した戸籍謄本等と直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等が必要です。

②遺産の範囲

また、相続人の調査と同時並行しながら、故人の遺産にどのようなものがあるのか調査をします。何が遺産であるのか不明なままでは、完全な遺産分割協議をすることができないからです。

不動産の有無については、市区町村役場で取得できる名寄帳や固定資産税課税明細書などを参考にしながら不動産登記を確認して調査することが多いです。

預貯金などは通帳のほか、故人の自宅に届くはがき等の案内を参考に、付き合いのあったであろう金融機関に問い合わせをして調査するなどの方法もあります。

③遺産の評価

不動産や非公開株式など、金銭に換算するといくらの価値になるのか、相続人間で見解を一致させるようにします。ただし、相続人が納得して遺産を分割できるのであれば、それぞれの遺産を評価する必要はありません。

④特別受益や寄与分の考慮

遺言がない場合、各相続人は法定相続分に従って遺産を相続するのが原則です。しかし、各相続人が、故人から受けた利益の内容や程度(特別受益)、故人に対して寄与した内容や程度(寄与分)に応じて相続分が修正されることがあります。遺産分割協議は合意によって各相続人の相続分を修正することが可能ですが、特別受益や寄与分を考慮することで、相続人相互の納得が得られやすい場合があります。

特別受益とは?

共同相続人の中に、被相続人から遺贈又は生前贈与を受けた者がいる場合に、その分を相続財産に反映させて相続分を修正するものです(民法903条)。

相続財産の価額に、被相続人から受けた遺贈や生前贈与(特別受益)の価額を加えたものを相続財産とみなし(持戻し)、各共同相続人の相続分を算定し、特別受益を受けた者については算定した相続分から特別受益の価額を控除した額を相続分とします。
寄与分とは?

共同相続人の中に、被相続人の財産の維持や増加に通常期待される程度を越える貢献をした者があるときに、相続分を修正するものです(民法904条の2)。

相続財産からその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなして相続分を算定し、その算定された相続分に寄与分を加えた額をその者の相続分とします。

⑤遺産をどのように分割するのか確定し遺産分割協議書を作成

最後に、どの遺産を誰に分割するのかを確定します。その上で、遺産分割協議書を作成します。

相続人全員が合意していても、後になって意見を変えてしまう相続人によってトラブルになる可能性もあるため、合意ができたらすぐに遺産分割協議書を作成するようにしましょう。遺産分割協議書には、相続人全員が署名をし、実印を押印する必要があります。この場合、預貯金や不動産などのプラスの財産だけではなく、借金などの負の財産についても記載しておくほうがよいでしょう。

また、不動産の登記名義を変更する際や、金融機関で預貯金を解約等する場合にも遺産分割協議書が必要となることがあり、各相続人の印鑑証明書も添付する必要があります。遺産分割協議書の記載が不足していたために、再度、相続人全員の印をもらう必要が生じてしまうという事態にならないよう、手続上必要となる記載が漏れなくされているのか、十分に確認しましょう。

遺産分割調停の流れ

遺産分割協議を進めようとしても、相続人の一部が音信不通で協議できない場合や、相続人の合意が得られない場合、遺産分割協議は滞ってしまいます。このような場合、遺産分割調停を申立てることで、早期解決に繋がることがあります。調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。

相続人間で話し合うと感情的になって進まない場合もありますが、遺産分割調停の場合、調停委員や裁判官が間に入り、当事者同士が会うことなく進めることも可能なため、冷静に対応できるというメリットがあります。

また、調停員や裁判官は、遺産分割協議で述べたような各論点について法的観点から公平な解決策を提案するなどして、段階的に合意を得ながら進めていくので、合意に至りやすいと言えます。

ただ、調停は、1カ月に1回程度の頻度で開催され、最終的に遺産分割が決定するまで1年弱かかることが多く、2年以上かかる場合もあります。また、調停は平日に行われるため、日程調整が難しい場合もあるでしょう。

なお、最終的にすべての相続人の合意が必要なので、長い時間を掛けても調停で解決できない場合もあります。調停が不成立として終了した場合、引き続き審判手続で必要な審理が行われます。

遺産分割審判の流れ

遺産分割調停が不成立で終了した場合、自動的に遺産分割審判に移行します。申立は不要です。

なお、初めから遺産分割審判の手続を申立てることも可能です。この場合、相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する裁判所に申立てます。ただ、審判を申立てても、家庭裁判所の判断で調停に付されることが多いです。

遺産分割審判の期日を経て、最終的には裁判官により審判がなされます。二週間以内に即時抗告がなされなければ、審判が確定します。この確定した審判には強制力があるので、当事者は審判の内容に従って遺産分割をする必要があります。

遺産分割の方法

遺産といっても、現金や預貯金、株式、有価証券、不動産や動産など様々なものがあります。このように多岐にわたる遺産それぞれを、どのような方法で相続人に分割するのでしょうか。

遺産分割の4つの方法

遺産分割には次の4つの方法があり、それぞれ特徴があります。

現物分割

個々の遺産をそのまま分割する、原則的な分割方法。

不動産は次男、預金は長男、現金は配偶者というような分割方法や、土地を3つに分割してひとつずつ分割する等の方法があります。

代償分割

一部の相続人が遺産を取得し、他の相続人に代償金を支払う方法。
遺産を取得する相続人に代償金を支払う資力があることが前提です。

換価分割

遺産を売却等することで換金し、その代金を相続人間で分割する方法。

共有分割

遺産を複数の相続人で共有名義として分割する方法。

各遺産分割方法のメリット・デメリット

現物分割のメリットとデメリット

現物分割は、遺産一つ一つを各相続人に振り分けたり、遺産自体を分けてそれぞれを相続人に振り分ける分割方法です。

(メリット)
現物分割の場合、遺産をそのものの性質のまま利活用できます。
また、現金や預貯金のように、分けることが簡単なものについて、容易に分割が可能です。そのため、現物分割が原則的方法になります。

(デメリット)
例えば遺産が1000万円の宝石と10万円の宝石の場合、それぞれを相続人に現物分割すると価格差が大きく、自己の取り分が多い、少ないなどを理由に、紛争の原因となりかねません。
また、不動産や登録のある動産など、そのものを分割するために手続が必要な場合もあります。不動産の場合には、土地であれば分筆、建物であれば区分する手続が必要となります。

代償分割のメリットとデメリット

代償分割は、一部の相続人が遺産を取得し、他の相続人に代償金を支払う方法です。

(メリット)
不動産や動産などの遺産をそのまま相続することができる点がメリットです。例えば、遺産の不動産に居住している相続人が不動産を取得すればそのまま住み続けることができるなどのメリットがあります。
また、遺産それぞれの価格が異なっていても、代償金によって公平を図ることができるため、公平な分割がしやすくなります。

(デメリット)
遺産を取得する相続人に、代償金を支払う資力があることが前提となるため、遺産の価値が高い場合、相続人の負担が重くなる可能性があります。また、代償金の金額を決めるために、遺産の価値をどれくらいに評価するかと言う点で争いが生じる場合もあります。

換価分割のメリットとデメリット

換価分割は、遺産を売却等することで換金し、その代金を相続人間で分割する方法です。現物での分割が困難な場合や、代償金を支払うことができる者がいない、遺産現物の取得を望む者がいない等の理由で代償分割もできない場合に利用されます。

(メリット)
不動産など分割せずに売却できるため、高額での売却が期待できます。また、換価さえできれば後は現金を分割するだけなので、公平で早期の分割が可能となります。

(デメリット)
遺産を利用したい相続人がいても、遺産を売却してしまえば利用できなくなってしまうデメリットがあります。
また、遺産によっては換価が難しい物や時間のかかる物、費用がかかる物があります。
さらに、不動産を売却して生じた利益につき、原則として相続人全員に譲渡所得税が課されます。

共有分割のメリットとデメリット

共有分割は、遺産を複数の相続人で共有名義として分割する方法です。

(メリット)
遺産をそのまま残すことができます。
すべての遺産について持分で分けるので、公平な分割が可能です。

(デメリット)
遺産分割後の権利関係が複雑です。共有物の管理は困難なことが多く、十分な利活用ができない場合があります。不動産を賃貸に出したい場合や売却したい場合でも共有者の同意が得られない等、タイミングを見て処分することが難しくなります。

遺産分割でよくあるトラブルと注意点

遺産分割の場面では、相続人間の利害が絡み合って協議がまとまらないことや、相続人の中に認知症の者や音信不通の者がいて協議が難しいなど、トラブルが生じることが多くあります。そこで、遺産分割でよくあるトラブルと注意点や対処法を解説していきます。

協議がまとまらない場合の対応

相続人それぞれが自己の主張ばかりして、遺産分割協議がまとまらないということもよくあります。いったん争いが生じると、話し合い自体が困難になってしまうことも多く、遺産分割協議の成立が見込めない状態となってしまいます。

このような事態に陥ってしまった場合には、早期に弁護士に相談するのがよいでしょう。弁護士が入った場合、法律に従って判断した場合にどのような分割方法が妥当であるかを前提に、相手との交渉を行うことができるため、相続人だけで協議をするより納得しながら解決できることが多いです。また、交渉だけでは難しい場合には遺産分割調停を申立てるなど、状況に応じて手続を判断することが可能です。そのため、早期の解決につながります。

不動産の分割に際しての対立

遺産の中に不動産がある場合、どうやって相続をするかについて、トラブルが生じることが多いです。例えば、遺産全体の価値のうちで不動産の価値が占める割合が高い場合、相続人の一人が不動産を取得すると、他の相続人に不公平な結果になりトラブルの要因となります。遺産の不動産を自宅として居住している者がいるような場合、さらに問題は複雑になります。では、不動産の分割についてどのように考えればよいのでしょうか。

まず避けるべきなのは、使い道が決まらないからといって共有分割にすることです。共有の場合、売却等の処分をする際に共有者全員の同意が必要になるため、思うように有効活用できないという事態になりかねないからです。

基本的に、故人の遺産の不動産に故人と同居していた配偶者や子どもなどがいる場合、同居していた配偶者や子どもが当該不動産を相続する方向性で考えます。相続税が課税される場合でも、面積制限の問題等がなければ「小規模宅地等の特例」により土地の評価額を80%減額できるため、税負担の軽減ができます。

次に、不動産を取得する代わりに代償金を支払うことで、他の相続人に納得してもらうことも考えられます。特に相続人同士が兄弟の場合、公平でない分割をしようとすれば不満が生じがちです。そのため、公平な遺産分割となるよう、相応の代償金を支払うことを検討しましょう。この場合の相応な代償金の額を巡ってトラブルとなることもありますが、全員が信頼できる専門家に不動産の価値を評価してもらい、代償金の額を決めるなどの方法があります。具体的にどのように進めたらよいのかわからない場合には、弁護士に相談するのがよいでしょう。

さらに、相続人全員が当該不動産に住む予定がない場合や、代償金を支払うことができる者がおらずトラブルが避けられない場合には、遺産の不動産を売却し、その売却代金を相続人で分ける換価分割を検討しましょう。

もし当該不動産が土地であれば、土地自体を分けて現物分割することも考えられますが、立地や土地の状況によって分けることで土地の価値が下がる場合もあります。また、測量や境界線確定、分筆登記などの手続費用がかかる点も注意が必要です。そのため、よりよい土地の分割について、専門家に相談するのがよいでしょう。

相続人の中に認知症の人や行方不明の人がいる場合

相続人の中に認知症の人がいる場合や連絡がとれない行方不明の人がいる場合でも、遺産分割協議を成立させるためには相続人全員の合意が必要です。認知症の相続人や行方不明の相続人を遺産分割協議から除外することはできないのです。

では、どのような対応をしたらよいのでしょうか。

認知症の相続人がいる場合

遺産分割について理解が難しい状態の認知症を患う相続人は、自ら遺産分割協議に合意することはできません。

そこで、家庭裁判所で成年後見人を選任してもらう必要があります。

選任された成年後見人は、認知症の相続人を代理して遺産分割協議に参加し、遺産分割協議に合意すれば、遺産分割協議を成立させることができます。なお、成年後見人は遺産分割協議だけのために選任されるわけではなく、本人の保護や支援が必要な間(原則として死亡まで)、本人の利益のために活動します。

行方不明の相続人がいる場合

行方不明の人がいる場合、遺産分割協議に参加させることは不可能です。
そこで、まずは相続人の所在が本当に不明なのかを確認するために、住民票を調べるなどの調査をします。

相続人の所在が判明したものの、連絡を無視されるような場合、遺産分割調停を申立てます。調停にも参加しない場合には審判に移行するので、遺産分割を進めることができます。

また、所在を調査したものの住民票の住所に居住していないなど、所在がわからない場合、共同相続人のうちの1名が申立人となり家庭裁判所で不在者財産管理人を選任してもらう必要があります(なお、行方不明となってから7年経過している場合には失踪宣告という選択もあり、どちらを選択するべきかについては、ケースによって判断する必要があります。詳しくは別記事「相続人の中に行方不明者がいたら?【不在者財産管理人について解説】」を参照ください。)。

選任された不在者財産管理人は、行方不明の相続人を代理して遺産分割協議に参加し、家庭裁判所から権限外行為許可を得た上で遺産分割協議に合意することができます。なお、不在者財産管理人は、原則として不在者の法定相続分を確保する必要がありますが、状況によっては行方不明の相続人に不利な遺産分割を成立させることができる場合もあります。

いずれにせよ、行方不明の相続人の調査や対応については状況に応じた判断が必要となるので、専門家である弁護士に相談しながら進めるのがよいでしょう。

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遺産分割協議の期限はありませんが、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内という相続税納付期限や、相続開始を知った日から3年以内という相続登記の期限などの時間的制約があるため、早期の遺産分割が望まれます。しかし、なかなか遺産分割協議が進まないことも多いと思います。

遺産分割協議の手続は3種類、方法は4種類あり、相続人や遺産の状況により、適した手続や方法を選択することで、早期の遺産分割協議成立を実現できる可能性が高まります。相続人間の紛争を防止し、早期の遺産分割協議の成立を目指すため、弁護士等の専門家に相談しながら手続を進めることをおすすめします。

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