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弁護士コラム
未成年者の相続放棄の手続きができるのは親権者?特別代理人?弁護士が解説!
- 相続放棄
- 投稿日:2024年09月13日 |
最終更新日:2024年09月30日
- Q
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私の離婚した夫が亡くなり、私と元夫の間に生まれた未成年の子どもAおよびBが、夫の遺産を相続することになりました。しかし、元夫には多額の借金がありましたので、相続を放棄しようと考えています。
この場合、どのような点に注意すればよいでしょうか?
- Answer
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未成年の子どもが相続を放棄するには、法定代理人が代わりに手続きを行う必要があります。ただし、この手続きが不当な動機や目的で行われると、代理権の濫用に該当する可能性があるため、注意が必要です。
本記事では、法定代理人が未成年者や成年被後見人の代理として相続放棄を行う場合の注意点について、解説していきます。
目次
相続放棄の法的性質と手続き
相続放棄とは、相続人が遺産を受け取らない意思を示す行為です。
この意思表示を有効に行うためには、相続放棄を申し出る人がその意思を適切に示す能力、すなわち「行為能力」を持っていることが必要です。
①未成年者や成年被後見人が相続人である場合 法定代理人(親権者や成年後見人)が代わりに相続放棄を行うことになります。 ②被保佐人(保佐が必要な者)や被補助人(補助が必要な者)の場合 相続放棄をする際に保佐人や補助人の同意が必要です。 ③胎児が相続人となる場合 出生前に相続放棄が可能かどうかについては、議論がありますが、実務では基本的に否定的な 見解がとられています。 |
法定代理人による相続放棄と代理権の濫用
法定代理人が未成年者や成年被後見人の代理として相続放棄を行う場合、その行為が不当な動機や目的に基づいていると、代理権の濫用に該当し、無効となる可能性があります。
例えば、特定の子どもだけに財産を相続させる目的で、もう一方の子どもについてのみ相続放棄を行うと、代理権の濫用として無効とされることがあります。
<未成年者や成年被後見人による相続放棄と利益相反の問題>
- Q
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夫が亡くなり、私と未成年の子どもAが夫の遺産を相続することになりました。夫には多額の借金があり、相続を放棄しようと考えています。
この場合、どのような点に注意すればよいでしょうか?
- Answer
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あなたが相続を放棄せず、子どもだけが相続を放棄する場合、あなたと子どもの利益が対立することになります。したがって、家庭裁判所に特別代理人を選任する申し立てを行うか、自らの相続を放棄した後、または同時に、子どもの相続放棄を行う必要があります。
利益相反行為とは
法定代理人(親権者や成年後見人)と未成年者や成年被後見人が共同で相続関係にある場合、法定代理人が未成年者や成年被後見人に代わって相続放棄を行うことは、利益相反行為に該当する可能性があります。
利益相反行為とは、代理人の行為が自らの利益と相手方の利益が対立する状況において行われる行為を指します。
利益相反行為の判断基準
判例では、利益相反行為かどうかの判断は「行為自体を外形的、客観的に考察して判定すべき」とされています。
未成年者や成年被後見人が相続放棄をすると、他の相続人(例えば法定代理人である親)の相続分が増加するため、通常、法定代理人が相続放棄を行うことは利益相反行為に該当するとされています。
ただし、成年後見人が自ら相続を放棄した後、または同時に、成年被後見人の相続放棄を行った場合には、利益相反行為には該当しないとされています。
利益相反行為に該当する場合の相続放棄の方法
未成年者や成年被後見人と法定代理人が共同相続関係にあり、法定代理人による相続放棄が利益相反行為に該当する場合、相続放棄を行うには、以下の方法が必要です。
成年後見監督人や保佐監督人などが選任されている場合
これらの者が成年被後見人等を代表し、相続放棄を行います。
また、保佐人や補助人は、保佐監督人や補助監督人の同意を得て相続放棄を行います。
監督人が選任されていない場合
未成年者や成年被後見人については、家庭裁判所に特別代理人を選任する申し立てを行い、特別代理人が相続放棄を行います。
被保佐人や被補助人についても、臨時の代理人を選任して相続放棄を行う必要があります。
東京都千代田区の遺産相続に強い弁護士へのご相談は直法律事務所
相続放棄の手続きは、被相続人の死亡を知ってから3ヶ月以内に行わなければなりません。
この期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができなくなってしまうため、早めの対応が重要です。
また、手続きには複雑な書類の準備も必要となります。
未成年者の相続放棄についてお悩みの方は、ぜひ遺産相続に強い弁護士にご相談ください。
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