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弁護士コラム

不動産の相続登記における数次相続や中間省略登記の申請ポイントを解説

遺産分割のトラブル
投稿日:2026年07月02日 | 
最終更新日:2026年07月02日

Q
10年前に父が亡くなった際、実家の不動産の名義変更をしないまま、先月母も亡くなり数次相続となりました。

現在、弟と遺産分割協議中ですが、協議がまとまる前に法定相続分で登記した方がよいのでしょうか。また、父と母の相続について、それぞれ登記をする必要があるのでしょうか。
Answer
遺産分割協議前でも、法定相続分による共同相続登記は、単独で申請できます。

しかし、遺産分割成立後は取得者名義へ直接相続登記ができるため、共同相続登記は必須ではありません。

また、相続による法定相続分の共有は登記がなくても第三者に対抗できるため、権利保全のために共同相続登記をする必要もありません。相続登記義務への対応であれば、相続人申告登記でも足ります。

数次相続では、原則として順に登記しますが、一定の要件を満たす場合には「中間省略登記」が認められることもあります。

監修:弁護士法人直法律事務所 代表弁護士 澤田 直彦

2009年 弁護士登録
2018年 弁護士法人直法律事務所 開業

相続・不動産・企業法務を中心に取り扱い、相続に関する相談を年間100件以上対応。
遺産分割・遺留分・相続登記・生前対策など、幅広い相続問題の解決に取り組んでいます。

法定相続分による相続登記の申請実務

遺産分割協議がまとまる前であっても、各相続人の法定相続分に応じた共有とする「所有権移転登記(共同相続登記)」を申請できます。

もっとも、共同相続登記は必ずしも必要ではありません。遺産分割が成立した後であれば、取得者名義への相続登記を直接申請できるため、共同相続登記を経由する必要がないケースが多いためです。

また、相続では法定相続分による遺産共有状態は登記がなくても第三者に対抗することができるため、権利保全の観点からも共同相続登記を行うメリットは基本的にありません。

令和6年4月1日から相続登記が義務化されましたが、過料を回避する目的だけであれば、共同相続登記ではなく、より簡便な手続きである相続人申告登記で足ります。

一方で、相続人の債権者による差押えの前提となる場合や、清算型遺言に基づく売却の前提として登記が必要となる場合など、共同相続登記が必要となるケースもあります。

この章では、共同相続登記の申請人や、必要書類・費用・申請書の書き方などについて解説します。

共同相続登記の申請人と保存行為の特例

共同相続登記は、相続人のうちの1人が共同相続人全員分を単独で申請できます。

不動産の権利に関する登記は、登記権利者と登記義務者が共同で申請するのが原則です。しかし、相続による所有権移転登記では、登記義務者である被相続人が死亡しており、公的情報により相続の開始や相続関係を正確に審査できるため、登記権利者である相続人のみで申請することが認められています。

また、共同相続登記の登記権利者は共同相続人全員ですが、共同相続登記は共有財産の現状を維持する「保存行為」とされているため、相続人のうちの1人が共同相続人全員分の登記を単独で申請することが可能です。

単独申請の場合も、自身の持分だけでなく、共同相続人全員分について名義変更を行います。そのため、遠方に住む相続人や協力が得られない相続人がいる場合でも、手続きを進めることが可能です。

共同相続登記は、法務局の窓口のほか、郵送やオンラインでも申請できます。

ただし、相続人の1人が単独で申請した場合、申請人とならなかった相続人には「登記識別情報(登記済証に代えて発行される12桁の数字・符号)」が通知されません。そのため、将来その相続人が不動産を売却したり、担保に入れたりする際には、所定の手続きが別途必要となる可能性があります。

なお、自分の持分のみを登記したり、一部の相続人を除外して共同相続登記を申請したりすることは認められません。

登記申請に必要な添付情報

共同相続登記では、相続関係を証明する書類や住所を証明する書類などを提出し、登録免許税を納付します。

まず、登記原因証明情報として「被相続人の出生(または生殖可能時期)から死亡までの戸籍謄本」や「相続人全員の戸籍謄本」を準備します。これは、相続が開始した事実や相続人を確定するためです。

また、登記名義人となる相続人全員について、住所証明情報として「住民票の写し(または戸籍の附票の写し)」を準備します。

さらに、法律上の添付義務はありませんが、実務では「固定資産評価証明書」を添付するのが一般的です。登録免許税は、証明書に記載される不動産の固定資産税評価額を基に計算されるためです。

相続登記に必要な書類チェックリスト

共同相続登記を申請する際に法務局へ提出する主な書類は、以下のとおりです。

  • 登記原因証明情報
    • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
    • 相続人全員の戸籍謄本(死亡日以降のもの)
    • 被相続人の住民票の写し(または戸籍の附票)
  • 住所証明情報
    • 相続人全員の住民票の写し(または戸籍の附票)
  • その他
    • 固定資産評価証明書(登録免許税計算用)
    • (代理申請の場合)委任状

登録免許税の計算方法と費用

共同相続登記では、「登録免許税」という国税を納めます。

登録免許税の税額は、「不動産の課税価格×0.4%(1,000分の4)」で計算します。課税価格は、固定資産評価証明書に記載された「本年度の価格(または評価額)」の1,000円未満を切り捨てた金額です。

例えば、固定資産評価額が4,000万円の土地を相続する場合、登録免許税は「4,000万円×0.4%=16万円」となります。

また、司法書士へ登記手続きを依頼する場合には、別途5万〜15万円程度の報酬がかかります。

登記申請書の書き方

共同相続登記をする場合、所定の登記申請書を作成する必要があります。

登記申請書には、以下の事項を記載します。

  • 被相続人の氏名
  • 申請人の氏名・住所
  • 登録免許税の税額
  • 電話番号(補正事項がある場合の連絡先として)

登記申請書の様式や記載例は、法務局の「不動産登記の申請書様式について」で公開されています。申請書を先生する際は、同ページに掲載されている記載例や注意事項を参照しながら作成するようにしましょう。

保存行為として代表者が共同相続登記を申請する場合は、申請人の欄に「当該相続人の住所・氏名」を記載し、末尾に押印します。認印でも問題ありません。

また、登記申請時には、検索用情報として「氏名・氏名のふりがな・住所・生年月日・メールアドレス」を申し出ます。

これらの検索用情報は、不動産の所有者に氏名・住所の変更日から2年以内の変更登記が義務付けられたことに伴い導入された「スマート変更登記」に利用されます。メールアドレスがない場合は、その旨を申請情報の内容とします。

遺産分割後の相続登記における登記原因と申請

遺産分割協議が成立した後に不動産の名義変更を行う場合は、対象不動産について「法定相続分による共同相続登記」がされているかどうかを確認することが重要です。

共同相続登記の有無によって、登記原因・申請方法・申請人が異なります。また、代償分割によって相続人固有の財産を譲渡する場合は、売買や贈与など法的性質に応じた登記原因を記載しなければなりません。

この章では、それぞれの状況に応じた登記原因や申請方法について解説します。

共同相続登記の有無で異なる登記原因と申請人

共同相続登記がされているかどうかによって、登記原因や申請人は異なります。

共同相続登記がまだされていない場合は、不動産を取得した相続人が単独で申請します。この場合、遺産分割の効力は相続開始時にさかのぼるため、登記原因は「相続」とし、原因日付は「被相続人の死亡日」となります。

一方、すでに共同相続登記がされている場合は、不動産を取得する相続人を登記権利者、持分を失う他の相続人を義務者として共同申請しなければなりません。この場合、登記原因は「遺産分割」とし、日付は「遺産分割協議が成立した日」となります。

共同申請を行う際には、以下の書類が必要です。

  • 登記義務者(持分を失う相続人)の登記識別情報または登記済証
  • 登記義務者となる者の作成後3か月以内の印鑑登録証明書

なお、共同相続登記を代表者が単独で申請していた場合は、他の相続人には登記識別情報が通知されていません。その場合は、事前通知制度や本人確認情報を利用して手続きを行います。

代償分割で不動産を贈与する場合の登記手続

「代償分割」とは、一部の相続人が遺産を取得する代わりに、その相続人が所有する財産を他の相続人へ譲渡するなどの債務を負担する遺産分割方法です。代償として負担する債務は、通常は金銭ですが、相続人固有の不動産を贈与・売買・交換することも可能です。

代償分割で相続人固有の不動産を譲渡する場合は、通常の相続登記に加えて、代償として譲渡する不動産についても登記が必要です。

この場合、以下の2つの登記が必要となります。

  • 遺産分割により遺産である不動産を取得する者への所有権移転又は持分全部移転登記
  • 代償として譲渡される相続人固有の不動産についての所有権移転登記

①については、前述した通常の遺産分割による通常の相続登記として手続きを行います。一方、②では、代償の内容に応じて登記原因を以下のように記載します。

登記原因記載内容
無償で譲渡する場合「遺産分割による贈与」
金銭等の対価を伴う場合「遺産分割による売買」
他の不動産と交換する場合「遺産分割による交換」

なお、「遺産分割による代償譲渡」という記載は、登記実務では認められていません。「譲渡」という言葉だけでは、売買・贈与・交換のいずれなのかという法的性質が明確でないためです。そのため、実態に合わせて具体的に記載する必要があります。

数次相続が発生した場合の相続登記の手法

「数次相続」とは、最初の相続が開始した後、相続登記が完了しないうちに相続人が亡くなり、さらに相続が発生した状態をいいます。

不動産登記では、権利変動の過程をそのまま登記記録に反映することが原則であるため、途中の登記を省略する「中間省略登記」は基本的に認められません。

もっとも、数次相続では、一定の条件を満たす場合に限り、中間省略登記が認められます。一方、要件を満たさない場合は、途中の相続も含めて順番に登記する必要があります。

ケース中間省略登記申請方法理由・条件
中間の相続で単独相続する場合
(最初の相続の相続人が1人)
可能1件の申請で、被相続人から最終相続人へ直接移転
(原因:年月日〇〇相続、年月日相続)
第一の相続が単独相続単独相続例
・法定相続人が1人
・遺産分割協議で1人が取得
・相続放棄により相続人1人
など
中間の相続で複数人が相続人となる場合不可連件申請が必要
①被相続人→中間の相続人(全員または複数人)
②中間の相続人→最終相続人
中間の権利変動を正確に公示するため、省略は認められない

この章では、中間省略登記が認められる場合と認められない場合について解説します。

中間省略登記が認められるケース(単独相続)

中間省略登記が認められるのは、中間の相続が単独相続となる場合です。

この場合、最初の相続における被相続人から最終的な相続人へ、1件の登記申請で直接所有権を移転できます。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 法定相続人が1人のみである
  • 遺産分割協議によって相続人のうち1人が不動産を取得する
  • 相続放棄によって結果的に相続人が1人のみとなる など

このようなケースでは、登記申請が1回で済むため、登録免許税などの費用負担を抑えることができます。

申請書には、登記の原因として「令和○年○月○日●●相続、令和○年○月○日相続」のように、2回の相続が発生した事実を記載します。

中間省略登記が認められないケース(複数相続)

中間の相続人が複数いる場合は、中間省略登記は認められず、連件申請が必要です。

例えば、父親が亡くなり兄弟2人が相続した後、登記をしないまま兄弟のうち1人が亡くなり、その子供が相続するケースがこれに該当します。

このような場合は、権利変動を正確に公示するため、以下の順番で登記を申請します。

  • 被相続人から途中の相続人全員への相続登記
  • 途中の相続人から最終相続人への持分移転登記または相続登記

もっとも、1件目の登記が完了してから2件目を申請する必要はありません。複数の登記を一連の手続きとしてまとめて申請する「連件申請」を利用することが可能です。

ただし、連件申請であっても登記申請は2件となるため、登録免許税などの費用も2件分必要となります。

連件申請の書式・添付書類の具体例

中間省略登記が認められない場合は、登記申請ごとに申請書を作成し、連件申請を行います。

例えば、被相続人Aの不動産を相続人B・Cが相続し、その後「Bの持分をD」「Cの持分をE」が相続する場合は、以下のように申請書へ記載します。

●1件目:所有権移転
 ・登記の目的:所有権移転
 ・原因:平成〇年〇月〇日 相続
 ・相続人:(被相続人A)
      (亡Bの最後の住所)
         持分2分の1 亡B
      (亡Cの最後の住所)
         持分2分の1 亡C
 
●2件目:亡くなった相続人Bの持分について、相続人Dへの移転
 ・登記の目的:B持分全部移転
 ・原因:令和〇年〇月〇日 相続
 ・相続人:(被相続人B)
      (Dの住所)
        持分2分の1 D
 
●3件目:亡くなった相続人Cの持分について、相続人Eへの移転
 ・登記の目的:C持分全部移転
 ・原因:令和〇年〇月〇日 相続
 ・相続人:(被相続人C)
      (Eの住所)
        持分2分の1 E

これらは、それぞれ別件の登記であるため、連件申請であっても添付書面は原則としてそれぞれ必要となります。ただし、2件目以降は「前件添付」と記載することで、前件で提出した添付情報を援用できます。

なお、第1次相続と第2次相続の相続人が一度に遺産分割協議を行うことは可能であり、1通の遺産分割協議書で済ませることも可能です。

複雑な権利変動における相続登記の注意点

数次相続や相続分の譲渡がある場合は、通常の相続登記とは異なり、遺産分割協議の進め方や登記の申請方法に注意が必要です。

例えば、遺産分割が終わらないうちに相続人の1人が亡くなった場合、その相続人の地位は第二次相続人へ承継されます。そのため、第一次相続人と第二次相続人が共同で第一次相続の遺産分割協議を行うことができます。

この章では、複雑な権利変動が生じた場合の登記手続きについて解説します。

遺産分割未了のまま第二次相続が発生した場合

遺産分割が未了のまま第二次相続が発生した場合でも、第二次相続人は第一次相続人と共同で遺産分割協議を行うことができます。

その結果、第二次相続人が不動産を単独で取得する場合は、第一次相続では亡くなった相続人が単独で取得し、その後、第二次相続人が承継することになるため、中間の相続が単独相続となります。

この場合は、中間省略登記が認められ、登記名義人から最終取得者へ直接名義を変更することが可能です。

一方、第一次相続で法定相続分どおりに共有する場合や、遺産分割協議の結果により複数人で取得する場合は、中間省略登記は認められません。

この場合は、第一次相続による共有名義への登記を行った後、第二次相続によ登記を申請する必要があります。

相続分譲渡と遺産分割を組み合わせた登記申請

相続分の譲渡があった場合は、原則として被相続人から譲受人へ直接名義を変更することはできません。

この場合は、通常、以下の手順で登記手続を進める必要があります。

  • 譲渡人を含む第一次相続人全員への所有権移転登記
  • 譲渡人から譲受人への「相続分の譲渡」(または「相続分の売買」「相続分の贈与」)を原因とする持分全部移転登記

もっとも、数次相続が発生している場合や遺産分割の内容によっては、中間省略登記が認められ、登記名義人から最終取得者へ直接名義を変更できる場合があります。

ただし、このような中間省略登記が認められるかどうかは、相続関係や遺産分割の内容など個別の事情によって判断されます。相続分譲渡が関係する登記は、権利関係が複雑になりやすいため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続人の一部が行方不明の場合の登記対応

相続人の一部が行方不明の場合は、不在者財産管理人を選任することで遺産分割協議を進められる場合があります。

遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の合意が必要です。そのため、相続人の中に行方不明者がいる場合には遺産分割協議を成立させることができず、相続登記も進められません。

このような場合は、家庭裁判所へ申し立てを行い、不在者財産管理人を選任してもらう方法があります。

選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得たうえで、不在者の代理人として遺産分割協議に参加し、その後に法務局へ相続登記を申請することができます。

遺言書が存在する場合の相続登記

有効な遺言書がある場合は、原則として遺産分割協議を行う必要はありません。

遺言書で「誰に」「どの不動産を相続させるか」が指定されていれば、その相続人は他の相続人の関与なく単独で相続登記を申請することができます。登記申請には、遺言書の原本が必要です。

なお、自筆証書遺言が発見された場合は、原則として家庭裁判所で検認を受けなければなりません。

ただし、公正証書遺言や法務局で保管されていた自筆証書遺言について交付される遺言書情報証明書には、検認は不要です。

登記識別情報がない場合の対応(事前通知・本人確認情報)

登記義務者に登記識別情報がない場合でも、事前通知制度などを利用して登記を申請することができます。

共同相続登記後に遺産分割による名義変更を行う場合は、登記義務者(持分を失う相続人)の登記識別情報が必要です。

もっとも、共同相続登記を一部の相続人だけで申請した場合などは、他の相続人に登記識別情報が通知されていないことがあります。また、登記識別情報を紛失している場合もあります。

このような場合は、以下のような方法で本人確認を行います。

  • 事前通知制度
    登記官から送付される事前通知書により、登記義務者が申請内容に間違いないことを申し出て本人確認を行う方法
  • 本人確認情報
    司法書士や弁護士などの資格者が、登記義務者の本人確認と登記申請の意思を確認し、その内容を証明する情報を作成・提供する方法
  • 公証人による本人確認
    公証人が、申請人が登記義務者本人であることを確認し、その内容を認証をする方法

事前通知制度は費用がかからない反面、郵送による手続きのため2週間程度を要するのが一般的です。

一方、本人確認情報は司法書士や弁護士などへの報酬が必要になりますが、比較的短期間で手続きを進められるというメリットがあります。

相続登記ができない場合の解決策

相続登記は、相続人全員による遺産分割協議や戸籍謄本などの必要書類が揃わなければ申請できません。

しかし、相続人の協力が得られない場合や、必要書類を取得できない場合など、手続きが思うように進められないことがあります。

この章では、相続登記ができない主なケースと、その対処法について解説します。

共同申請できない・協力が得られない

遺産分割協議は成立していても、他の相続人の協力が得られない場合、訴訟によって解決できることがあります。

例えば、遺産分割協議書への署名・押印や印鑑証明書の提出に応じない場合は、以下のような訴訟が考えられます。

  • 所有権確認訴訟
    共同相続登記がなく、遺産分割協議書への署名・押印を拒否された場合
  • 遺産分割協議書真否確認の訴え
    印鑑証明書の提出を拒否された場合
  • 持分全部移転登記手続請求訴訟
    共同相続登記があり、持分移転に応じない場合

これらはあくまで代表的な例であり、適切な対応は事案によって異なります。状況に応じて、弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

戸籍謄本等が取れない・不明

必要な戸籍や住民票が取得できない場合でも、代替資料を提出することで相続登記が認められることがあります。

相続登記では、登記簿上の住所と死亡時の住所が異なる場合、そのつながりを証明するために「住民票の除票や戸籍の附票」の提出が必要です。

しかし、保存期間の経過により書類が廃棄されている場合は、状況に応じて、以下のような方法により住所のつながりを証明します。

  • 登記済権利証を提出する
  • 登記簿謄本 → 固定資産税の納税証明書または評価証明書 → 住民票の除票または戸籍の附票 → 戸籍(除籍・改製原戸籍)の順に、氏名・住所・本籍などの記載が一致することを示す
  • 必要書類を取得できない場合は、不在籍・不在住証明書に加え、「不動産の登記簿上の所有者と被相続人は同一人物に間違いありません」という旨を記載し、相続人全員が署名・押印(実印)した上申書を提出する

また、被相続人の生殖可能時期まで戸籍をたどる過程で途中の戸籍が廃棄されている場合は、「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書を提出することで、相続登記が可能となります。

相続人が多い場合や、役所が遠方にあるなどの理由で戸籍収集が困難な場合には、弁護士や司法書士に依頼する方法も検討しましょう。職務上請求権により、必要書類を取得してもらうことが可能です。

相続登記義務化(3年以内)と罰則

相続登記は、「相続を知った日から3年以内」に申請する必要があります。期限に間に合わない場合は、相続人申告登記を利用することで過料を回避できる可能性があります。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、正当な理由なく相続登記を申請しない場合には、10万円以下の過料を科される可能性があります。

期限までに相続登記ができない場合は、法務局で相続人申告登記を行うことで、相続登記の申請義務を果たしたとみなされ、過料を回避できます。

もっとも、相続人申告登記は権利関係を確定させる手続きではありません。そのため、遺産分割協議が成立した後は、改めて正式な相続登記を行う必要があります。

よくある質問(Q&A)

相続登記に関するよくある質問にお答えします。

相続登記に期限はありますか?

相続登記の期限は、不動産を相続したことを知った日から3年以内です。

2024年4月1日より前に開始した相続で不動産を取得した場合も、相続登記をしていなければ義務化の対象となります。その場合、2027年3月31日までに相続登記を申請する必要があります。

遺産分割協議書には実印が必要ですか?

遺産分割協議書には、実印で押印する必要があります。

相続登記を申請する際には、遺産分割協議書とあわせて、押印した印鑑が実印であることを証明する印鑑登録証明書を提出しなければなりません。

数次相続の場合、登記申請書は1通で済みますか?

登記申請書が1通で済むのは、中間の不動産が単独相続となる場合のみです。

例えば、法定相続人が1人しかいないケースや、遺産分割協議により1人が不動産を取得するといったケースです。

一方、中間の相続人が複数いる場合には、権利変動の経過を正確に登記するため、各相続について順番に登記を申請しなければなりません。ただし、連件申請を利用することは可能です。

東京都千代田区の相続に強い弁護士なら直法律事務所

不動産の相続登記は、すでに共同相続登記がされているかによって、登記原因や申請できる人物などが異なります。相続が連続して発生した数次相続では、中間の不動産の相続人が1人であれば「中間省略登記」を利用でき、申請手続の手間や登録免許税などの費用を抑えることが可能です。

「必要書類がそろっていない」「申請書の書き方に不備がある」などの場合は、登記ができません。2024年から登記は義務化され、放置すると罰則を受ける可能性もあります。少しでも手続きに不安を感じる場合は、早めに弁護士などの専門家に相談しましょう。

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