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保険契約の失効とは?復活できるの?弁護士が解説!

給付金の種類、補償内容 生命保険
投稿日:2023年07月05日 | 
最終更新日:2023年07月05日

「弁護士コラム」では、生命保険・火災/地震保険に関連するさまざまな情報をUPしておりますが、直法律事務所では、「保険金の不払い」(火災保険に関しては、「火災」を原因とする事故)に限りお問い合わせをお受けしています。何卒ご了承ください。

生命保険契約における払込猶予期間と無催告失効条項

払込猶予期間と無催告失効条項とは

近年、生命保険契約の約款における、払込猶予期間や無催告失効条項に関する議論が活発化しています。

払込猶予期間とは、「保険料の支払い期限が過ぎた場合にも、特定の期間内に支払いがなされれば保険契約が有効に存続する期間」のことを指します。払込猶予期間中に保険事故が発生した場合、保険会社は保険金を支払う義務を負いますが、未払の保険料を差し引いて支払われることが一般的です。

一方、無催告失効条項とは、払込猶予期間内に保険料が支払われず、自動振替貸付も行われない場合、保険契約が失効することを規定したものです。保険契約が失効した場合、失効後の保険事故については保険金が支払われません。

この払込猶予期間無催告失効条項は、通常一体として規定されています。

※自動振替貸付:払込猶予期間内に保険料の入金がない場合、保険者が自動的に保険料を立替する制度で、制度がない保険もあります。一般には、十分な解約返戻金額がある場合に適用される制度です。

無催告失効条項の有効性

過去に、無催告失効条項が消費者契約法により無効とされることを示す裁判例があり、保険業界に大きな影響を与えました。
しかし、最高裁判所の判断では、保険会社が保険契約者の利益を保護する実務(支払猶予期間、自動振替貸付や失効前の保険契約者への督促等)を適切に行っていることを前提に、無催告失効条項は条件付きで有効とされました。

このように、払込猶予期間や無催告失効条項に関しては、保険契約者や被保険者の利益を保護するために、保険会社が適切な実務を運用することが重要です。実際、払込期月内に保険料が支払われない場合や、払込猶予期間内に保険料が払い込まれない場合には、保険契約が失効することを記載した払込督促通知が送付されることが一般的です。
払込猶予期間や無催告失効条項は、保険契約者が保険料の支払いを怠った場合に、どのように保険契約が扱われるかを明確にするものですが、同時に保険契約者の利益を守るための制度でもあります。これらの制度が適切に運用されることで、保険契約者は安心して保険に加入し、リスクを分散させることができます。

一方で、これらの制度が不適切に運用されたり、保険契約者が十分に理解していない場合には、問題が生じることもあります。保険会社は、保険契約者に対して十分な情報提供や説明責任を果たすことが求められます。また、保険契約者自身も、契約内容を理解し、必要に応じて適切な対応を行うことが重要です。

小括 ~今後の保険業界への期待~

今後、払込猶予期間や無催告失効条項に関する議論は続くでしょうが、その中で保険業界がより透明性のある取引を目指し、消費者の利益を守る方向で進化していくことが期待されます。保険契約者や被保険者が安心して保険サービスを利用できる環境づくりが、保険業界にとっても大切な課題となっています。

保険契約の復活

保険契約の復活とは

生命保険の約款では、保険契約が失効した場合でも、失効後一定の期間(通常3年)以内に保険契約の復活を請求できるとされていることが一般的です。
保険契約者または被保険者は、復活の請求をする場合、改めて告知義務を負い、保険者(保険会社)が承諾した場合、保険契約者は未払込保険料を全て払い込む必要があります。保険契約が復活した場合、保険会社は、未払込保険料が払い込まれた後に発生した保険事故について、再び保険契約上の責任を負うことになります。

保険契約の復活の定義、要件と効果、制度の問題点などは後述の「保険契約の復活に関するQ&A」で説明します。

保険契約の復活と自殺免責条項の適用

保険契約の復活後、復活時に自殺免責条項を適用することについて、有効性が争われた裁判例があります。
保険契約の責任開始から2年以上が経過しているものの、復活後2年以内に被保険者が自殺した場合、自殺免責条項による保険料支払義務の免責が認められるかが争われました。裁判所は、復活時にも当初の契約締結時と同様、生命保険契約が不当な目的に利用されることを防止する必要があるとし、保険会社の主張が権利濫用や信義則違反に当たらないと判断し、免責を認めました。
つまり、保険契約の復活時に、自殺免責条項を適用することが認められました。

保険契約の復活に関するQ&A

Q
保険契約の復活とは何ですか?
Answer
生命保険契約は、猶予期間経過により失効することがありますが、失効から一定期間(通常3年)以内であれば、保険契約者は契約の復活を求めることができます。保険契約の失効は、一時的な資金不足や不注意によるものであることがあり、再び有効なものとするために復活が認められる制度が存在します。保険会社にとっても、契約件数が減らない利点があります。

また、他国でも生命保険契約に復活が一般的ですが、復活可能な期間や復活時の取扱いが異なる場合があるため注意が必要です。
Q
保険契約の復活の要件と効果を教えて下さい。
Answer
保険契約者は、失効から3年以内であれば契約の復活を請求できます。復活が承諾された場合、保険契約者は指定された日までに未払いの保険料を支払う必要があります。また、復活の請求時には告知が求められます。

保険会社は、復活時に危険選択の機会を保持しており、被保険者が保険適格でない場合には復活を承諾しないことができます。ただし、保険適格でない理由以外で復活を拒否することはできません。
復活制度は、一度消滅した保険契約を再び有効にするものですが、復活時に告知義務があるため、保険会社の承諾が必要となります。ただし、復活が承諾される限り、元の契約が継続していたものと同様の状態で保険契約が継続されます。
Q
保険契約の復活制度には問題点があると聞きました。
どういう問題点があるのでしょうか?
Answer
近年、無催告失効条項が有効とされることに伴い、復活制度について問題が指摘されることが増えています。

無催告失効条項により保険契約者は督促通知を受けるものの、保険料の支払いを失念することがあります。その場合、新契約の締結と同じ告知義務や自殺免責規則が適用されると、復活制度の意味が失われ、不合理とも言えるからです。

このような批判には一定の根拠があり、保険契約の失効後間もない時期に復活される場合や、保険契約の執行前に既に被保険者の疾病などが発生していた場合に、保険者に新契約と同様の危険選択を認めることの不合理性が主張されています。実際に、このような主張を認めた裁判例もあり、賛成する学説も多いです。

これまで、復活制度における危険選択や自殺免責期間の制度が必要とされてきた理由として、日本の復活制度が失効から3年という比較的長い期間にわたって認められることが挙げられます。つまり、保険契約者側に復活請求するか否かの選択権が比較的長期間あるため、保険事故の発生のリスクが高い者ほど復活請求を選択する傾向があり、その結果、保険制度の礎となる合理的な(保険料)計算を歪めるおそれがあると懸念されてきたのです。

しかし、最近では制度の改善が求める声が大きくなっており、保険契約後間もない時期の復活については、前述のような懸念が小さいため、危険選択を行わず、自殺免責期間も再起算しない制度とするべきである等の主張がされています。

現行制度の解釈論を考慮すると、復活は保険法上の制度ではなく、保険者が保険契約上の制度として実施しているものです。そのため、復活が失効後の比較的長い期間認められる制度とされる限り、失効から短期間での復活請求であっても、保険者による危険選択を経ずに復活すべきと考えることは難しいです。とはいえ、無催告失効条項の有効性が認められるとしても、保険契約者に失効の効果を課すのが酷である場合もあります。そのような場合に限り、失効後早期の復活申込を保険者は拒否できないと解すべきでしょう。
実際に、現在の実務では、猶予期間満了日の翌日から1か月以内に保険料の支払いがあれば、告知なしで失効の取り消しを認める例が出てきています。このような改善が進むことで、復活制度がより合理的かつ公平に運用されることが期待されます。

また、この問題の解決策として、保険契約後間もない時期の復活に関しては、危険選択を行わず、自殺免責期間も再計算しない制度が導入されるべきだという意見が広がっています。これにより、復活制度が適切に機能し、保険契約者と保険会社双方にとって利益になることが期待されています。

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