「一人の相続人に全ての財産を相続させる」との公正証書遺言が発見された事案で、当該遺言書作成時の被相続人の状況に照らして、遺言の効力は争えないと思われる事案でした（このような遺言書が発見された場合、裁判所において、遺言書の効力を争って勝てる可能性があるか判断する際にも弁護士の力量が試されます）。
そこで、ご相談者は、自身の遺留分が侵害されたことから、直ちに遺留分減殺請求を行い、併行して当職らは相続財産の調査も行いました。
遺留分減殺請求事案においては、相続財産の全てが判明しない事案も多いため、相続財産調査を迅速かつ適切に行うことが肝要です。本件では、被相続人宛の郵便物や預貯金通帳の出入金履歴をもとに相続財産調査を行い、適切な遺留分減殺請求に係る協議を実施のうえ、合意が成立しました。