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弁護士コラム
全財産を特定の一人に相続させる遺言書の書き方は?文例を交えて解説
- 家族信託・遺言書作成
- 投稿日:2025年03月14日 |
最終更新日:2025年03月14日
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-
私は会社を経営しています。幸い、まだ元気ですが、先日、大学の同級生が亡くなり自分の今後のことを考えるようになりました。
会社のことは、長年一緒に仕事をしてくれている次男に任せようと思います。その関係もあるので、全財産を彼に相続させたいのですが、長男と長女から文句を言われそうで不安です。
このような場合の遺言書の書き方や、事業承継のトラブルを防ぐ方法を教えてください。
- Answer
-
特定の人に一切の財産を相続させることは、遺言書で指定すれば可能です。ただし、子が三人いるなど、複数の相続人がいる場合、相続をした特定の人が遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。これは、法律上認められた最低限の取り分=遺留分を取得するための手続きであり、被相続人も止めることはできません。(但し、廃除事由があれば廃除が可能な場合もあります。詳しくは別記事「相続廃除とは?条件や事例・認められないケース・手続き方法を解説」をご参照ください。)
そのため、遺言書を遺留分に配慮して作成することで、トラブルを回避できる可能性があります。 なお、あくまでこれは一例であり「誰に相続させたいのか」によって、意識すべきポイントは異なることに注意が必要です。
この記事では、誰か特定の人に一切の財産を相続させたい場合の遺言書の書き方について解説します。
何らかの事情で、共同相続人の一人だけに全財産を相続させたいと考える人がいても不思議ではありません。その際、遺言書に「一切の財産を相続させる」と書くだけでは不十分で、後々トラブルが起きる原因になるため注意してください。
この記事では、一人だけに全財産を相続させたい場合の注意点や、具体的な遺言書の書き方について、詳しく解説します。
目次
全財産を一人に相続させる場合の基礎知識
遺言書での指定や、遺産分割協議の結果として、全財産を一人に相続させることは可能です。また、そもそも相続人が一人しかいないケースもあります。つまり「一人だけが全財産を相続する」というのは、現実的に起こりえない話ではありません。
ここでは、全財産を一人に相続させる場合の基礎知識を解説するので、参考にしてください。
全財産を一人に相続させることができるケース
全財産を一人に相続させることができる具体的なケースとして、以下の4つが考えられます。
- 1遺産分割協議(遺産を分け合うために相続人全員で行う話し合い)の結果、一人が相続するケース
- 2そもそも相続人が一人だけのケース
- 3他の相続人の相続放棄・廃除・欠格により相続権を失い、一人の相続人だけが相続するケース
- 4遺言で一人に指定するケース
なお、相続税の申告をする際は、遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなどの提出が必要となることがあります。遺産分割協議書とは、遺産分割協議で合意した内容をまとめた書類のことです。
では、遺産分割協議書の写しが必要となるのはどのような場合なのか、確認していきましょう。
具体的なケース | 相続税申告時に遺産分割協議書(写し)の要否 |
遺産分割協議の結果、一人が相続するケース | 必要 |
そもそも相続人が一人だけのケース | 不要 |
他の相続人の相続放棄・廃除・欠格により一人だけが相続するケース | 不要 |
遺言で一人に指定するケース | 不要(遺産分割協議を行った場合は必要) |
遺産分割協議の結果、一人が相続するケース
相続人が複数おり、遺言書がなかったとしても、遺産分割協議の結果、そのうちの一人だけが全財産を相続するという話になった場合、遺産分割協議書を作らなくてはいけません。
例えば、事業を営んでいたAが亡くなり、事業を継続するために手伝っていた子B一人に全ての財産を相続してもらうケースが当てはまります。この場合、Aの配偶者と、その他の子らも交えて遺産分割協議書を作らなくてはいけません。
遺産分割協議書を作成するのは、遺産分割協議の結果を残しておくという意味で重要です。遺産分割協議に限らず、話し合いの内容は、文書に残しておかないと後で「言った、言わない」の争いになりがちなためです。
なお、遺産分割協議書は、以下の場面で求められるので、遺産分割協議がまとまり次第、早めに作っておきましょう。
- ・ 被相続人(亡くなった人)の預貯金の引き出し
- ・ 不動産や有価証券などの名義変更
- ・ 相続税申告
ちなみに、被相続人(亡くなった人)の預貯金の引き出しは相続人全員の署名押印でも可能な金融機関もあります。また、遺産分割前でも、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのために必要な場合に相続預金の払い戻しが受けられる制度(遺産分割前の相続預金の払戻制度)もあります。詳しくは別記事「預貯金の仮払い制度とは?~遺産分割前に預貯金を引き出す方法~」をご参照ください。
そもそも相続人が一人だけのケース
そもそも相続人が一人だけの場合は、遺産分割協議書は必要ありません。
例えば、母親がいわゆる未亡人で、一人っ子の長男と暮らしていたものの、母親が亡くなってしまった場合が考えられます。この場合、相続人は長男だけになることは、戸籍謄本を見れば確認できます。他に相続人がいない以上、遺産分割協議をする必要もないため、遺産分割協議書もいりません。
他の相続人の相続放棄・廃除・欠格により一人だけが相続するケース
複数人相続人がいても、何らかの理由で相続権が失われた結果、残りの一人だけが全財産を相続するケースも考えられます。この場合も遺産分割協議書は必要ありません。
相続権が失われる具体例として、以下のものが考えられます
- ・ 相続放棄
- ・ 像族人廃除
- ・ 相続失格
相続人廃除とは、遺留分がある推定相続人(配偶者・子・直系尊属)に一定の事由がある場合、被相続人の意思に基づいてその相続人の相続資格を剥奪する制度です。被相続人が生存中に家庭裁判所に審判を申立てる方法と、遺言で廃除する旨が表明されている場合に、遺言の効力が生じた後、遺言執行者が家庭裁判所に審判を申立てる方法があります。
例えば、被相続人である父親が生前、相続人である長男から日常的にDVを受けていたなどの事情があった場合、相続人廃除が認められる可能性があります。
また、相続欠格とは、相続秩序を侵害するような非行をした相続人の相続する権利を、法律上当然に剥奪する制度です(民法891条)。具体的には、以下のいずれかに当てはまれば、自動的に相続する権利を失います。
- ・ 被相続人、他の相続人を殺害した(未遂も含む)
- ・ 被相続人が殺害されたと知りながら、それを告発しなかった
- ・ 詐欺や脅迫によって遺言を作成、撤回、取消しまたは変更させた
- ・ 遺言書を破棄・偽造・変造・隠ぺいした
遺言で一人に指定するケース
遺言で、一人の相続人に全財産を相続させる指定ができます。この場合、遺産分割協議の必要はないため、金融機関や法務局での手続きの際も、遺言書(写し)を出せば問題ありません。ただし、他の相続人から遺留分を請求される可能性がある点には注意してください。
また、相続人全員の同意があれば、遺言の内容とは異なる遺産分割を行うことができます。この場合、遺産分割協議の結果に基づき財産を分配することになります。この場合は、遺産分割協議書を作らなくてはいけません。
遺言書による相続と法定相続の違い
法定相続分とは、民法で定められた法定相続人の財産の取り分のことです。遺言書がある場合はその内容を優先させて財産を分配することになりますが、ない場合は法定相続分に従って分配するのが原則になります。また、遺言書があっても、遺された遺族が遺産分割協議を行い、全員の合意が得られたら、その内容に従って遺言書とは異なるやり方で財産を分配することもできます。
なお、妻・夫など被相続人の配偶者は常に法定相続人になります。その他の親族については、以下のように優先順位が定められており、優先順位がより高い家族がいる場合、低い家族は法定相続人にはなりません。つまり、被相続人に配偶者と子がいる場合、父母や兄弟姉妹は法定相続人にはなりません。
法定相続人と法定相続分の割合をまとめました。
法定相続人 | 法定相続分の割合 |
配偶者+子の場合 | 配偶者:2分の1 子:2分の1 |
配偶者+父母の場合 | 配偶者:3分の2 父母:3分の1 |
配偶者+兄弟姉妹の場合 | 配偶者:4分の3 兄弟姉妹:4分の1 |
なお、配偶者のみの場合や、配偶者がおらず子、父母または兄弟姉妹のみが相続人となる場合、それぞれの法定相続分は1分の1となります。また、同順位の相続人が複数いる場合は同順位の相続人で均等に分けることになります。
全財産相続における遺留分の考え方
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保障された遺産の取り分のことです。基本的には法定相続分の2分の1になるため、被相続人から見てどのような関係にあったかで具体的な数字は異なります。
法定相続人 | 遺留分の割合 |
子+配偶者の場合 | 配偶者:4分の1 子:4分の1 |
子のみの場合 | 子:2分の1 |
父母+配偶者の場合 | 配偶者:6分の2 父母:6分の1 |
父母のみの場合 | 父母:3分の1 |
兄弟姉妹+配偶者の場合 | 配偶者:2分の1 兄弟姉妹:なし |
兄弟姉妹のみの場合 | 兄弟姉妹:なし |
なお、遺言書の内容が「誰か一人に全財産を相続させる」など、他の相続人の遺留分を侵害するものであったとしても、それだけが理由で遺言書が無効になることはありません。しかし、他の相続人が遺留分を主張する場合、相続をする者が遺留分権者に対して遺留分相当額の支払いが可能な場合をのぞき、遺言書通りに相続を実現するのは難しくなります。
そこで、まずは遺言の内容は無視して、遺産分割協議をすることが考えられます。前述のとおり、相続人全員の同意があれば遺言と異なる遺産分割も可能です。当事者間の話し合いで解決できれば、調停や訴訟をする必要はありません。
しかし、話し合いで解決できそうにない場合、他の相続人は遺留分侵害額請求を行う可能性が高くなります。遺留分侵害額請求権は意思表示によって行使されるため、口頭でも可能ですが、争いがあるような場合は内容証明郵便などで通知されることが多いです。
遺留分侵害額についての話し合いもまとまらない場合、家庭裁判所に調停を申し立てるのが一般的な流れです。調停で当事者同士が合意に至れば問題ありませんが、合意に至らなかった場合は訴訟になる可能性が高くなります。できる限り早期に解決できるよう、早い段階から弁護士に相談したほうがよいでしょう。
遺言書の書き方と実践的なポイント
自筆証書遺言とは、遺言を書く人(遺言者)本人が、遺言書の全文、作成日付、氏名を自書・押印して作成する遺言です。ただし、財産目録については一定の条件を満たせばパソコンを使って作ることが可能となっています。
一方、公正証書遺言とは、遺言者が公証人及び二人以上の証人の前で、口頭で遺言の内容を告げ、公証人の確認を経て文章にまとめて作成する遺言のことです。
両者は以下のように特徴が異なります。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
作成者 | 本人 | 公証人 |
証人 | 不要 | 2名以上 |
署名・捺印 | 本人 | 本人、公証人、証人2名 |
印鑑 | 認印でも可 | 実印のみ |
作成費用 | ほぼかからない | 公証人手数料(財産価額による) 証人代 など |
遺言書の保管 | 本人の責任で保管 法務局の遺言書保管制度の利用も可能 | 原本は公証役場 正本は本人が保管 |
裁判所の検認手続き | 必要 | 不要 |
なお、遺言書作成の基本的な流れは以下のとおりですが、これは全財産を一人に相続させる場合であっても特に変わりはありません。
① 必要なものを用意する
② 記載事項を確認する
③ 相続財産を特定する
④ 契印・割印を押す
必要なものを用意する
まず、必要なものを用意しましょう。
必要なもの | 備考 |
用紙 | どのような用紙かについて特に定めはないが、A4サイズ・横書きが一般的。 ただし、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を使う場合は、A4サイズの用紙を用い、上側5ミリメートル、下側10ミリメートル、左側20ミリメートル、右側5ミリメートルの余白を確保する。 |
署名押印用具 | 筆記用具は、偽造を防ぐため、消去しにくい筆記用具(例えば油性の黒または青インクのボールペン)が望ましい。 また、印鑑については法律上の制限はないが、証明力が高まるという意味で、実印を使うのが望ましい。 |
財産情報が分かる書類 | 遺言書に正確に記載できるよう、預貯金通帳、証券会社の残高証明書や不動産登記簿などの財産の所在、残高の証拠となる書類を準備する。 |
記載事項を確認する
自筆証書遺言を作成する場合、遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を、必ず遺言者が自書し、押印することになっています。具体的には、通常、以下のような事項を記載します。
項目 | 記載方法 |
表題 | 「遺言書」など、遺言書であることがはっきりわかるように書く。 |
遺言者の情報 | 遺言者(遺言を書く本人)の氏名、住所を書く。 |
文書の趣旨 | 「遺言者 〇〇〇〇は、下記のとおり遺言する」というように、遺言書であることがわかる一文を入れる。 |
遺産分割の内容 | 遺言者が所有する財産について、どのように分配するかが明確にわかるように記載する。 |
新たな財産発覚時の取扱い | 遺言執行後、つまり遺言書の内容に従って遺産を分けた後に別の財産が出てきた場合の取り扱いについて記載する。 例えば、「新たな遺産が出てきたらその部分だけ速やかに再協議して分ける」といった文言を入れる。 |
債務の負担 | 債務があることを記載することで、相続人が調査する負担を軽くできる。 なお、債務を負担する相続人を指定した場合でも、債権者が承諾しない限り、相続分に応じて各相続人は債務を負担することになる。 |
署名・押印した趣旨と作成通数 | 遺言書を作成した人が、自己の意思に基づいて作成したことを証明できるよう、署名・押印を施す。 また、何通作ったかを書いておくことで、偽造があった場合に発見しやすくなる。 |
作成年月日 | 遺言書を作成した年月日を特定するために書く。日付が特定できるよう、正確に記載する。 なお、複数の遺言書があった場合、最も日付が新しいものを基準に、遺産の分割を行うことになる。 |
相続財産を特定する
遺言書には遺産分割の対象となる財産が明確になるよう、相続財産を特定できる情報も記載しなくてはいけません。
具体的に書くべき情報をまとめたので、参考にしてください。
財産の種類 | 必須の記載項目 | 参照書類 |
不動産 | 土地:所在・地番・地目・地積 建物:所在・家屋番号・種類・構造・床面積 | 登記事項証明書(登記簿謄本) |
預貯金 | 金融機関名・支店名・種別・口座番号・名義 (貯金)記号・番号・名義 | 通帳、残高証明書 |
有価証券 | 金融機関名・支店名・種別・口座番号・名義 | 取引報告書、残高証明書 |
自動車 | 登録番号、種別、車名、型式、車台番号 | 車検証 |
契印・割印を押す
法律上は、遺言書に契印・割印がなくても問題はありません。しかし、改ざん、不正コピーなどのトラブルを防止するためには、契印・割印があることが望ましいとされています。
ここでは、契印・割印の違いと意味について解説するので、参考にしてください。
● 割印
原本とその写しなど、遺言書を含めた書類を二部以上作った場合、それぞれの文書に関連があることを示すために押します。これにより、一方の文書の改ざん、不正コピーを防ぐことが可能です。複数の遺言書に割印を押す場合は、それぞれの遺言書を少しずつずらして重ね、重なった部分に押印します。
● 契印
契印とは、契約書や遺言書などの書類が、複数ページに渡る場合に、連続性があることを示すために使うものです。これがあることで、契約書の一部が抜き取られたり、差し替えられたりしても、すぐに気づく仕組みになっています。契印の押し方ですが、ホチキス止めで製本した遺言書の場合は、すべてのページの見開き部分に、両ページにまたがって押印します。一方、遺言書を製本テープを用いて製本した場合は、製本テープと書類の紙にまたがるようにして押印しましょう。
全財産を一人に相続させる際の具体的な文例
理論上、遺言書によって全財産を一人に相続させることは可能です。ただし、書き方に注意しないと、財産を相続できた相続人とそれ以外の相続人との間でトラブルが起きるおそれが出てきます。
ここでは、以下の3つのケースを想定し、全財産を一人に相続させる場合の遺言書の書き方について解説します。
その余の一切の動産類との相違
遺言書作成時に、「その余の一切の〇〇」という言葉を用いるケースが多くあります。「その余」は「それ以外の」という意味で、遺言書の中ですでに特定の相続人に特定の財産を相続させる記述をしたうえで、「それ以外の財産は全て他の人に相続させます」という意味合いで使われています。このような遺言により、すべての遺産分割方法の指定ができたと考えがちです。
しかし、すべての遺産が「その余の一切の〇〇」に含まれないとして遺産分割協議が必要になってしまうケースもあります。
例えば、「登記済み不動産の全てを長男Aに、その余の一切の動産類は次男Bが相続する」という遺言です。この時、「その余の一切の動産類」という文言が問題になります。遺言書に記載されていない不動産や預貯金等があった場合、「その余の一切の動産類」には含まれないと解される可能性が高く、注意が必要です。「その余の一切の動産類」に含まれない財産があれば、遺産分割協議が必要になってしまうからです。
では、「その余の一切の財産」としておけば問題ないのでしょうか。
遺言書の中で個別具体的に挙げられていない動産や財産はすべて「その余の一切の財産」に含まれると考えられます。しかし、仮に、遺言書に記載されていない不動産がある場合、不動産は不動産であり、「財産」に含まれないと主張する相続人がいれば、争いが生じます。また、個人への貸金債権がある場合、債権は「財産」に含まれないと主張する相続人がいるかもしれません。そのため、価値が大きいなど、争いになりそうな遺産があれば、解釈の余地がない程度に明確に記載しておくようにしましょう。
配偶者に全財産を相続させる場合の文例
配偶者に全財産を相続させる場合の文例は、以下のとおりです。
遺言書
遺言者 〇〇〇〇は、本遺言書により次のとおり遺言する。
1 遺言者は、遺言者の有する遺言者名義の下記の不動産を遺言者の妻△△(生年月日)に相続させる。
記
①土地
所在、地番、地目、地積、持分を記載(ここでは省略)
②建物
所在、家屋番号、種類、構造、床面積、持分を記載(ここでは省略)
2 遺言者は、遺言者の下記の預貯金の全部を遺言者の妻△△(生年月日)に相続させる。
記
①○×銀行 ○×支店 口座番号××××の遺言者名義の普通預金
②×○銀行 ×○支店 口座番号○○○○の遺言者名義の定期預金
3 遺言者は、前各条に記載する以外の遺言者の有する不動産、動産、預貯金、現金その他一切の財産を遺言者の妻△△(生年月日)に相続させる。
202〇年〇月〇日
東京都○○区××町1-2-3
氏名 印
上記は子どもがいない場合の文例です。
しかし、子や親、兄弟姉妹がいる場合等、遺留分権利者がいる場合には、相続開始後、遺留分侵害額請求権を行使して遺言により相続を受けた者と争いとなるケースもあります。争いを避けるためには、遺留分に配慮して遺言を作成すべきケースもあります。
例えば、妻と子ども1人がいる場合、子の遺留分は遺産の4分の1となるため、全財産の4分の1の価値の財産を子に相続させる形になるよう遺言を作成します。具体例は以下のとおりです。
遺言書
遺言者 〇〇〇〇は、本遺言書により次のとおり遺言する。
1 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を遺言者の妻△△(生年月日)に相続させる。
記
①土地
所在、地番、地目、地積、持分を記載(ここでは省略)
②建物
所在、家屋番号、種類、構造、床面積、持分を記載(ここでは省略)
2 遺言者は、長男である◇◇(生年月日)に○×銀行○×支店遺言者名義の定期預金(口座番号××××)のうち〇〇円分を相続させる。
3 遺言者は、前各条に記載する以外の遺言者の有する不動産、動産、預貯金、現金その他一切の財産を遺言者の妻△△(生年月日)に相続させる。
202〇年〇月〇日
東京都○○区××町1-2-3
氏名 印
上記遺言書では、遺産の4分の1に相当する預金〇〇円分を長男に相続させることで、遺留分による争いが生じるのを防止しています。
しかし、このように遺留分相当額を遺言によって相続させたくない場合もあります。そのような場合、強制力はありませんが、付言事項をつけて遺留分侵害額請求の自粛を求めることもできます。付言事項とは、遺言書に添える感謝の言葉や本人の気持ちを伝えるためのメッセージのことで、文例としては以下のようなものが考えられます。
自分に万が一のことがあったときのために、この遺言書を作っておくことにしました。〇〇に出会えて、本当に幸せな人生を送れたことに感謝しています。今後の人生の支えになればと、私の全財産は〇〇に相続させたいと思います。
私は、これまで、長男◇◇が住むための土地・建物の購入資金を贈与しました。また、長男の会社が経営難になったときも、1,000万円の資金を贈与しました。他方、〇〇は、私が病気になってから身の回りの世話をしてくれただけではなく、入院費用など一切を拠出してくれました。
そこで、私の遺産はすべて〇〇に相続させたいと考えたのです。長男◇◇をないがしろにしようという考えではありません。
長男◇◇には、どうか私の気持ちを理解し、〇〇に対して遺留分侵害額請求をしないようにしてもらいたいと思います。よろしくお願いします。
子の一人に全財産を相続させる場合の文例
子の一人(ここでは遺言者の長男)に全財産を相続させる場合の遺言書の文例は、以下のとおりです。
遺言書
遺言者 〇〇〇〇は、本遺言書により次のとおり遺言する。
1 遺言者は、下記の不動産、預貯金を含む遺言者の有する全ての財産を、遺言者の長男◇◇(生年月日)に相続させる。
(1)土地
所在 ○○市××区 △△丁目
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル
(2)建物
所在 ○○市××区 △△丁目○○番地○○
家屋番号 ○○番○○
種類 居宅
構造 ○○
床面積 ○○平方メートル
(3)預貯金
○×銀行 ○×支店 口座番号××××
×○銀行 ×○支店 口座番号○○○○
2 遺言者は、この遺言の執行者として次の者を指定する。
東京都〇〇区△△町3-4-5
弁護士法人××〇〇法律事務所
202〇年〇月〇日
東京都○○区××町1-2-3
氏名 印
子が複数人いて、一人に全財産を相続させると争いが起きそうな場合は、遺留分に配慮し、遺留分相当額の財産を遺留分権を有する相続人に相続させることを検討しましょう。この場合、「全財産の3分の1を〇〇に相続させる」等の文言の場合、どの遺産を誰が相続するのか、各遺産の評価額がいくらかで争いになることもあるので、できるだけ財産を特定して分割する方法を指定するようにしましょう。
また、他の相続人に配慮した文言を付言事項として記載することで、多く相続する者に対する不満を小さくできる可能性もあります。一例としては、以下のように書きます。
長男のAは、私が長期入院を余儀なくされて仕事を続けられなくなったとき、すぐに勤務先を辞めて、手伝うために帰ってきてくれました。あの時家業が傾かなかったのは、Aのおかげだと思っています。せめてもの感謝のしるしとして、相続に当たってAに財産を多めに渡すことにしました。次男のB、三男のCは不満かもしれませんが、このあたりの事情を理解してくれれば嬉しいです。
事実婚の相手に全財産を遺贈する場合の文例
事実婚の妻だけに全財産を相続させたい場合は「一切の財産を遺贈する」と遺言書に書くことになります。ただし、子など遺留分を有する法定相続人がいる場合は、遺留分侵害請求が行われる可能性があるため、争いを避けるために遺留分相当額を遺留分権者に相続させるなど配慮をしましょう。
次の例では、遺言者に子が一人いる場合を想定しました。事実婚の妻には本来相続権がないため、遺言書では「遺贈する」と書かなくてはいけません。また、遺産の中に不動産があった場合、内縁の妻は単独で登記の申請ができないため、法定相続人全員と共同申請を行う必要があります。個々に交渉をするのはストレスがかかることもあるため、事前に遺言執行者を指定しておくと、手続きがスムーズになるでしょう。
遺言書
遺言者 〇〇〇〇は、本遺言書により次のとおり遺言する。
1 遺言者は、次の不動産及び預金を同居する内縁の妻〇〇(住所、生年月日)に遺贈する。
(1)土地
所在 ○○市××区 △△丁目
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○平方メートル
(2)建物
所在 ○○市××区 △△丁目○○番地○○
家屋番号 ○○番○○
種類 居宅
構造 ○○
床面積 ○○平方メートル
(3)預金
○×銀行 ○×支店 口座番号××××
2 遺言者は、次の預金を長男である△△(生年月日)に相続させる。
預金
×○銀行 ×○支店 口座番号○○○○
3 遺言者は、この遺言の執行者として次の者を指定する。
東京都〇〇区△△町3-4-5
弁護士法人××〇〇法律事務所
4 遺言執行者は、この遺言を執行するのに必要な一切の権限を有し、この遺言を執行するに際し、法定相続人の捺印や同意を要せず単独で、不動産、預貯金等の名義変更、解約、払戻請求等をする事ができるものとする。
202〇年〇月〇日
東京都○○区××町1-2-3
氏名 印
遺言書作成時の注意点と対策
遺言書を作っても、状況次第では無効になってしまう可能性があるため、注意が必要です。また、遺言書で特定の誰かに財産を遺す意思を明らかにしても、受け取る側(受遺者)から拒否されることもあります。
ここでは、遺言書作成にあたっておきがちなトラブルと、その解決方法について解説します。
遺言書が無効となるケース
遺言書の全文の自書、日付や氏名の自署・押印がない場合のように方式に不備があれば遺言書は無効になります。
他にも次のようなケースでは、遺言書が無効になることに注意してください。
- ・ 遺言能力が認められない場合
- ・ 利害関係者による影響が疑われる場合
- ・ 不適切な内容が含まれる場合
- ・ 相続人全員が一致して遺言書に従わない場合
遺言能力が認められない場合
1つ目のケースは「遺言能力が認められない場合」です。民法では、遺言書を作成できるのは15歳以上と決まっています。相続が発生したのが15歳以降であっても、遺言書を作ったのが15歳未満だった場合は、遺言能力がないものとして無効になるため注意が必要です。
また、精神疾患やその他の障害、認知症などによっても、判断力が低下し、遺言能力が認められないと判断され、結果として無効になる可能性はあります。ただし、精神疾患やその他の障害、認知症があっても、遺言当時、遺言内容を理解し遺言の結果を弁識し得るに足る能力があればよく、医師の立ち会いのもと、録音録画するなどして能力があった証拠をできる限り残すことで、遺言が有効になる可能性もあります。とはいえ、争いなく遺言能力があったといえる時期に遺言書を作るに越したことはないため、できるだけ早いうちから作成すると良いでしょう。
利害関係者による影響が疑われる場合
2つ目のケースは「利害関係者による影響が疑われる場合」です。簡単にいうと、脅迫・詐欺を受けたり、書く時に手を添えられたりなどして、遺言者本人の意思とは全く違う内容の遺言書が出来上がったケースが考えられます。このような事態を避けるには、まず、遺言者本人が自発的な意思で遺言書を作らなくてはいけません。
また、不正が行われていないかを確認するため、できるだけ第三者が立ち会うと良いでしょう。
なお、遺言書が出来上がった後に、利害関係者による影響が疑われた場合は、できるだけ早めに弁護士に相談するのをおすすめします。
不適切な内容が含まれる場合
3つ目のケースは「不適切な内容が含まれる場合」です。内容が不明確だったり、倫理・道徳面からみて不適切な内容だったりする場合も、その遺言書が無効になる可能性があります。
まず、内容が不明確というのは「誰にどの財産を相続させるかわからない」という意味です。例えば、子が複数人いて、土地や建物の不動産が複数あった場合に「不動産は子に譲る」としか書かれていなかった場合、無効になります。
また、倫理・道徳面からみて不適切な内容というのは、いわゆる「公序良俗に反する」ことです(民法第90条)。この点を巡って争いになりがちな話の一つに「愛人に財産を譲る」ケースが挙げられます。ただし、過去の判例では、愛人に遺産の3分の1を譲るとした遺言書が、公序良俗に反するとは言えないと判断されたことがありました(最高裁昭和61年11月20日判決)。
相続人全員が一致して遺言書に従わない場合
4つ目のケースは「相続人全員が一致して遺言書に従わない場合」です。相続が発生し、遺言書を確認してみたものの、到底相続人の一部もしくは全部が納得できない内容であることは十分に考えられます。そのような場合でも、遺言者の意思表示である以上、遺言は最大限尊重されなくてはいけません。しかし、相続人全員が遺言書の内容に納得がいかなければ、合意することで、遺言書の内容とは異なる遺産分割協議を行うことができます。ただし、遺言で相続人以外の第三者に遺贈している場合、その遺贈を受ける者(受遺者)の合意が必要です。詳しくは別記事「遺言書と異なる遺産分割協議は可能?遺産分割の対象と「相続させる」の効力とは」をご参照ください。
このようにせっかく作った遺言書を無視される事態を防ぐためには、生前に相続人らの理解が得られるようにしておくことや、付言事項として「なぜ、そのような遺言を書いたのか」がわかるようにメッセージを付けておくのも有効です。
相続税と遺留分への対応
相続税は、基本的に以下の流れで計算します。
① 課税遺産総額を法定相続分で分ける
② それぞれに相続税率をかけ、控除額を引く
③ ②で求めた各相続人の相続税額を合算する
④ 遺産の取得割合に応じて按分する
ただし、遺産の総額が基礎控除額以下であれば、相続税の申告・納税は不要であり、遺留分にも相続税はかかりません。
基礎控除額とは「3,000万円 +(法定相続人の数×600万円)」で求めた額のことで、一例として法定相続人が3人であれば、4,800万円になります。
遺産の総額が基礎控除額を超える場合は、遺留分を踏まえた申告・納税が必要です。
具体的な申告方法ですが、どの立場にあるかによって異なるため、表にまとめました。
項目 | 遺留分を請求した人 | 遺留分を請求された人 |
遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定している場合 | 遺留分を含め、相続した財産に基づき申告 | 遺留分の額を控除した額を取得する財産として申告 |
遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が未確定の場合 | 遺留分については申告しなくて良い | 遺留分がないものとして申告する |
また、相続税の申告期限が過ぎた後に遺留分の額が確定したら、請求した人は修正申告または期限後申告、請求された人は更正の請求をします。ただし、当事者間の合意が取れていれば、遺留分の支払いに際して既払いの税額を控除する等の形で精算することも可能です。
受遺者の意思を確認しておくことの必要性
遺言によって遺産を贈与することを遺贈といい、これを受け取る人のことを受遺者と言います。本来、遺贈は単独行為といって、贈る側(遺言者)の意思表示だけで成立します。
ただし、受遺者にも拒否する権利があるため、事前に話し合いをし、意思を確かめておいたほうがよい場合もあります。特に、家族と不仲だったなどの理由で生前お世話になったお寺や老人ホームなどに遺贈したいと考えていた場合は注意が必要です。
そもそも、お寺を運営する宗教法人や、老人ホームを運営する社会福祉法人では、内部規則により檀家や利用者からの遺贈は受け付けていないケースがあります。また、単にお寺や老人ホームの名称のみを遺言書に書いたのでは、誰が受遺者になるのか確定できないとし、遺言が実現できない可能性があるため注意しなくてはいけません。なお、過去には「全部を公共に寄与する」と記載されていた遺言書について、公益目的を達成できる団体等に包括遺贈する趣旨であり、具体的な相手方は遺言執行者の選択に委ねる趣旨も含むものであるとした判例もあり(最高裁平成5年1月19日判決)、遺言の解釈に当たっては、できる限り遺言者の意図をくみ取ろうという流れがあります。
しかし、このような解釈の争いはないほうがよいため、お寺や老人ホームに遺贈したい場合、運営元である宗教法人や社会福祉法人に対して遺贈するという形で遺言を作成しましょう。また、前述したように内部規則により受け付けてもらえないケースもあるため、その点も含め、弁護士と一緒に相談してみるのをおすすめします。
トラブルを防ぐための具体的な工夫
遺言書も言葉を使うツールである以上、言葉の選び方を間違えると、思わぬトラブルの原因になります。トラブルを防ぐためにも、言葉の選び方に注意しましょう。
説得的な理由の記載
特定の相続人に多く遺産を渡す前提で遺言書を書く場合、「なぜそうするのか」という裏付けになる説得的な理由を書くことが望ましいです。理由は人それぞれですが、具体的にどのように書けば良いかをまとめました。
記載項目 | 具体例 |
相続させたい相続人の貢献 | ・同居して介護をしてきた事実 (例:次男夫婦は同居し、私の面倒をずっと見てくれました) ・事業の継承予定 (例:長男がずっと家業を手伝ってきてくれたので、事業を継いでもらうことにしました) ・事業への貢献 (例:一時期家業が傾きかけましたが、次男が経営陣として入ってからV字回復を果たせました) |
生前の他の相続人に対する支援状況 | ・他の相続人への生前贈与 (例:長女夫婦が家を建てるとき、遺言者は、頭金に使えるよう、2,000万円を贈与しました) ・金銭的援助の実績 (例:長女には大学の学費、留学費用や結婚費用まで援助してきましたが、次女は大学に行かず、未婚であるため、金銭的な援助をしていません) |
将来の必要性 | ・生活困窮への対応 (例:長男には障害があり、一般就労が難しいことから、生活に困らないだけの財産を残したいと思います) ・事業継続の必要性 (例:次男には今後も家業を継続してもらうため、財産の一切を受け取ってほしいです) |
遺留分の請求に関するお願いの記載
特定の相続人に多く遺産を渡したい場合、他の相続人から遺留分の請求を行わないでほしい旨を付言事項として書くこともできます。ただし、付言事項として書いたとしても、そのことを理由に、遺留分の請求をさせないようにすることはできません。言っても伝わらないような相手であれば、あえて伝えないのもやり方の一つです。
このような場合の付言事項の文例を紹介します。
お母さんには自宅不動産全部と預金の半分を相続してもらうことにしました。住まいやお金の心配をして欲しくないからです。◇◇(長男)と◆◆(次男)の取り分は少なくなりますが、お母さんに安心して暮らして欲しいので、遺留分の請求はしないようお願いします。お母さんが困っていたら、助けてあげてください。
相続の放棄に関するお願いの記載
実は多額の負債があるなどの理由で、あえて相続放棄したほうが遺族の負担が少なくなる場合は、遺言書でその旨を伝えることで、事態が好転する可能性があります。
例えば、以下のように書いてみましょう。
遺言書
遺言者 〇〇〇〇は、本遺言書により次のとおり遺言する。
第1条 遺言者は、次のものを長男◇◇(生年月日)に形見分けする。
・遺言者が書いた家訓書
第2条 遺言者は、次のものを次男◆◆(生年月日)に形見分けする。
・遺言者の日記帳
第3条 祭祀財産については、長男◇◇に全て承継させる。
付言事項
二人も知ってのとおり、資産はなく、多額の借金がある。残念ながら生きているうちに返済は難しい。長男◇◇と次男◆◆がこの借金の返済に苦しまなくて済むよう、私が亡くなったらすぐに相続放棄をしてほしい。財産らしい財産を渡すことができなくて残念だが、長男◇◇と次男◆◆であれば十分にやっていけるだろう。二人を誇りに思う。
202〇年〇月〇日
東京都○○区××町1-2-3
氏名 印
ただし、付言事項として相続放棄をするように書いたとしても、実際に相続人に相続放棄をする義務は生じません。あくまで相続放棄をするかは、相続人の意思に基づき決めることになります。
相続の方法を工夫する方法|代償分割の指定
代償分割とは、特定の相続人に不動産などの現物を相続させる代わりに、他の相続人には金銭を支払って調整する形で遺産分割を行う方法です。
例えば、夫婦と子二人(長男・次男)の家庭で、夫が亡くなったら妻が自宅を相続する代わりに、子二人には現金を支払う形で調整するパターンが考えられます。このような場合は、遺言書にこのような文言を盛り込みましょう。
第〇条 遺言者は、遺言者の有する以下の不動産を、妻〇〇△△(生年月日)に相続させる。
①土地
所在、地番、地目、地積、持分を記載(ここでは省略)
②建物
所在、家屋番号、種類、構造、床面積、持分を記載(ここでは省略)
第〇条 妻〇〇△△は前条の遺産を相続する代償金として、長男〇〇◇◇(生年月日)に1,500万円、次男〇〇◆◆(生年月日)に1,500万円をそれぞれ支払う。
専門家への相談のタイミングと方法
一切の財産を相続させる旨を盛り込んだ遺言書に限らず、専門家への相談は、早いうちに行うのが望ましいでしょう。具体的には、遺言書を作成する前、相続開始時、遺産の評価時、相続税対策の検討時が考えられます。基本的には「これは、どうすれば?」という疑問がわいたら相談、というスタンスで構いません。また、相談する際は、財産目録(難しい場合は財産の状況についてまとめたメモなど)を持参のうえ、相続人の状況、希望する相続方法についても伝えられるようにしておきましょう。
弁護士は相談に対し、遺言書の作成、相続支援や相続税対策、トラブル防止のアドバイスができます。ただし、相続税対策に関しては弁護士だけではできない部分もあるため、税理士とも提携しているかを確認しましょう。また、一口に弁護士といっても、対応分野が多岐にわたる以上、すべての弁護士が相続案件を得意にしているわけではありません。相続案件を得意にしている、もしくは注力している弁護士かどうかは、Webページを見ればある程度見当がつきます。また、これまでの相続案件の対応件数や、年間での対応件数について聞いてみるのも、注力度合いを見る指標としては役立ちそうです。
東京都千代田区の相続に強い弁護士なら直法律事務所
誰か特定の人に一切の財産を相続させることは、遺言書で指定すれば可能です。ただし、状況によっては他の相続人の権利を奪いかねないため、トラブル防止のためにも、遺言書の文面は熟慮の上作成しましょう。
自分だけでは分からない部分もあるはずなので、弁護士などの専門家に相談するなど、入念なリサーチは不可欠です。
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